約 148,462 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6430.html
【冬休み五日目】(合宿三日目) 京太郎(はうっ……!) 京太郎(体が重い……!けれど俺の眼は開いている!) 京太郎(これが世に聞く金縛りと言うやつなのか……!) 京太郎(……でも本当に重いな、何なんだろ) 京太郎(何だこの柔らかい感触)プニプニ 京太郎(弾力があって、スベスベで……)プニプニ 京太郎(こんな抱き枕あったっけ?)プニプニ 京太郎「……」バサッ 穏乃「…………ん~」ギュゥ 京太郎「なんだ高鴨か……」プニプニ 京太郎「……高鴨!?」 京太郎(何これなんだよこれ!なんで俺裸なの?ってかなんで高鴨まで裸なの!?) 穏乃「京太郎……寒い……」ギュゥ 京太郎「ちょっ、そんな寄せられるとまずっ―――!」 穏乃「んっ…………」モゾモゾ 京太郎(こっ、これは世に聞く素股……!?) 京太郎(回復技「あさのひざし」で覚醒したマイサンが高鴨の太ももに包み込まれているだとォ!) 京太郎(まずい、この状況は非常にまずい!) 京太郎(第一この状況を咲に見られでもしたらまず冥土直行便!) 京太郎(高鴨を起こせば事情は聞ける、だがこの快感は得られなくなってしまう……!) 京太郎(どうする!どうする俺!) 京太郎(昨日何があったかは知らないが……) 京太郎(こんなところにいられるか!俺は布団に戻る!) 京太郎(さーて寝巻寝巻ー) 京太郎「なんで高鴨の布団にあるんだよ……へくしょん!」 京太郎「さむっ、早く着替えないと」 京太郎(高鴨が俺の布団で寝てるから、俺は高鴨の布団で寝ないとか) 京太郎(夜話してたとき、あいつずっと枕抱きしめてたよな……) 京太郎「」クンクン 京太郎(何これ、高鴨みたいなのでもこんな匂いするのか) 京太郎(すげえ、クセになりそう) 京太郎(つーか、そもそもなんであいつが俺の布団にいたんだ?) 京太郎(……まあ、起きた後で聞けばいいか……) 京太郎(…………) 京太郎(なんとか起床時間前に起きて高鴨を移動させておいた……) 京太郎(なんでああなったんだ……?) 朝 京太郎「はい、それでは練習を始めまーす」 咲「いつもより元気なくない?大丈夫?」 京太郎「ああ、大丈夫、無問題だ」 京太郎(昨日は何があったんだ……気になってしょうがないぞ) 咲「?」 穏乃「京太郎、おはよっ!」 京太郎「よっす」 穏乃「なんか元気無いね、どうしたの?」 京太郎「ん……なんでもない」 穏乃「そっかー」 京太郎(高鴨のせいだなんて言えないよな、俺の夢だったという可能性も否めないわけだし) 京太郎(って、今俺高鴨と二人っきりじゃん、話聞けるじゃん) 京太郎(どうしよ、聞いてみようかな……) 京太郎「高鴨、ちょっと聞いてもいいか?」 穏乃「え?なになに?」 京太郎「今日夢見た?」 穏乃「へ?」 京太郎「いやー、今朝俺と高鴨が裸で抱き合ってる夢見てさ」 京太郎「やっぱりそんなんありえないよなー」 穏乃「…………」 京太郎(静かになった?考えてるのか?) 穏乃「う、うん!そうだよ、私と京太郎がそんなことするなんて、そんなの絶対おかしいよ」アセアセ 京太郎「……お前って俺のこと京太郎って呼んでたっけ?」 穏乃「えっ、ほ、ほら、大星さんとか三尋木さんとか京太郎って呼んでたから私も呼ぼーって」 京太郎「そうなのか?」 穏乃「そ、そーだよ!あ!あっちの対局終わったみたいだから私行ってくるね!」 京太郎「高鴨?」 ―――時をさかのぼること、深夜 穏乃「ん……」モゾモゾ 穏乃(ダメだ、目が覚めて寝れないや) 穏乃(どうやったら寝れるかな……) 京太郎「ん~……」Zzz 穏乃(須賀……かぁ) 穏乃(男の子の身体ってどんなんなんだろ) モゾモゾ 穏乃(浴衣だから脱がしやすいなぁ)モゾモゾ 穏乃(うわ、これが男の子の身体か)サワサワ 穏乃(これ全部筋肉なのかな、あ、乳首とかもあるんだ) 穏乃(……なんか暑くなってきたな……)モゾモゾ 穏乃(誰も見てないし、脱いじゃえ!) 京太郎「んぅ……」ギュゥ 穏乃「へっ!?」 穏乃(私、抱きしめられてる?) ギュゥゥゥ 穏乃(少し苦しいけど……でも、安心する……) 穏乃(私も……)ギュゥ 穏乃(ちょっと息荒くなってきた……なんでだろ) 穏乃(眠くなってきたし……このまま……)ギュゥ 穏乃(京太郎…………京太郎、かぁ……) 穏乃(そんなことがあったなんて言えない!絶対に!)ブンブン 京太郎(結局あれは夢だったのか、一夜の過ちとかじゃなくてよかった、うん) 淡「きょうたろー、何の話してたのー?」 京太郎「ん?高鴨とか?」 淡「なーんか変な話をしてた気がするんだよねー」 京太郎「いやまさか、高鴨はそういうのに縁なんて無い方だろ」 淡「んー、だよねー」 京太郎「それで、次はお前が抜けてきたのか」 淡「そーそー、でもさ、練習ばっかだと疲れるから喋って時間つぶさない?」 京太郎「まあいいけど」 淡「じゃあ何話そっかー?」 京太郎「俺としてちょっと気になることがあんだけどさ」 淡「何?」 京太郎「なんで男女が同じ部屋に寝てるのにエロエロなイベントがほとんどないんだろうな」 淡「えっ、いくらきょうたろーでもそれは引くよ?」 京太郎「お前相手だったらこっちから願い下げだよ」 淡「いくらきょうたろーでもそれは怒るよ?」 京太郎「いやだってお前……」チラッ 淡「?」ペターン 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑った!今鼻で笑ったよね!」 京太郎「高鴨みたいな太もものエロさもなく、滝見さんほどの胸もない淡……ふっ」 淡「可愛いじゃん!私、可愛い!ほらほら!」 京太郎「はいはい可愛い可愛い」 淡「ばーかーにするなー!」ポイッポイッ 京太郎「痛っ!痛い!牌投げるなって!痛っ!」 昼 京太郎「午後は自由時間にするから、どっか遊びに行っていいぞー」 穏乃「やった!ラーメン!ラーメン!」 淡「サキサキー、どこ行こっかー」 咲「私は……行きたいところとかはあんまりないかな、咏ちゃんは?」 咏「んー私もよくわかんねーし、大星に任せるよ」 淡「任されたよ!じゃあれっつらごー!」 ワイワイガヤガヤ 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんはどこか行ったりしないのか?」 春「」コクッ 京太郎「そっか、外寒いもんなー」 春「……そっちは?」 京太郎「あいつらの輪に入るのはなんか悪い気がしてな、邪魔しちゃいそうだし」 春「…………」ポリポリ ゴソゴソ 京太郎「何してるんだ?」 春「笑う犬」 京太郎「DVDなんてあるのか、知らなかった」 春「」コクッ 京太郎(……暇だ) 京太郎(部屋の中には俺と滝見さんだけ) 京太郎(何かすること……)チラッ 春「……」ポリポリ ポヨン 京太郎(胸……おっぱい……乳……おもち……) 京太郎(滝見さんの豊かな胸を観察し、研究する……天才なのか俺は!) 京太郎(……だが、どういう場面を研究すればいいんだ?) 京太郎(ここは滝見さんに揉ませてもらって、実際の揉み心地を研究しよう!) 京太郎(頼み込むなら土下座というのが古からの習わし!) 京太郎(本当にすまないという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎(肉焦がし……骨焼く……鉄板の上でもっ……!) 京太郎「滝見さん!」 春「……何」 ブス… ∫ ;′ ∫ ,;′ ブス…',. -――-゙、 ;' ジジジ… ; / へ ` 、'; ∫ 京太郎「俺に!胸を揉ませてください!」 _;'___{. , -/、/=;´イヽ;'_ /三三j='rー、\_ 、)_℡, ;;〉三'`、ジジ… /三三└'゙ー ;‐;;‐;;'`ー;;ヾ'`"´三'三;`、 囮ヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱヱ囮 囮災炎災炎炙災炒炎災灸災炭囮 ◎┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴◎ 春「…………」 春「…………」ポリポリ ヤッタ!ヤッタ!ヤッタ! 春「……ふふっ」ポリポリ 京太郎「見なかったことにしないで!せめて反応して!寂しいから!」 春「…………許可すると思う?」 京太郎「いいえ全く」 京太郎「だが!しかし!それでも!ここで退くわけにはいかないんだ!男として!健全な青少年として!」 春「……無駄な情熱」 京太郎(本当に揉みたいという気持ちで……胸がいっぱいなら………!どこであれ土下座ができる……!たとえそれが……) 京太郎「頼む!この通りだ!」 春「……どうして?」 京太郎「俺はただ、滝見さんの胸が揉みたい!触りたい!あわよくばしゃぶりつきたい!だって欲求不満だから!」 京太郎「滝見さんなら、俺の願望を満たしてくれると思ってる!俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!」 京太郎「一目見たときから思ってた!頼む!俺に揉ませてくれ!」 春「…………」 春「……病院に行くべき」ジトッ 春「頭の」 京太郎「冷たい!視線も言葉も冷たい!だが、俺は――――ッ!」 春「…………」ジトッ 京太郎「…………」 京太郎「ごめんなさいでした……」 春「…………」ポリポリ 京太郎(……俺は、何をしていたんだろう) 春「…………」ポリポリ 京太郎『俺は滝見さん(の胸)が大好きなんだ!』 春「…………」ポリ... 夜 京太郎「練習再開だ、準備しろー」 淡「えー!今晩も休ませてよ!」 京太郎「終わったら散々くつろいでるだろうが」 淡「むぅ……」 京太郎「結局お前が来るのか……」 淡「だって遊びたいんだもん!」 京太郎「お前なぁ……」 淡「ほらほら、ちゃっちゃとやっちゃお?」 京太郎「……はぁ」 淡「ねーねーきょうたろー」 京太郎「何だよ」 淡「私のこと好きー?」 京太郎「はぁ!?何言ってんだよ」 淡「どーなの?」ズイッ 京太郎「……まあ、好きか嫌いで言えば……嫌いではないけど」 淡「じゃあ好きなんだ!」 京太郎「そういうわけでもないんだが……それが何だよ」 淡「じゃあさ!じゃあさ!」 淡「私が頑張ったらさ、いっぱい甘えていい?」 京太郎「甘える?」 淡「撫でてもらったり、お菓子食べさせてもらったり?」 京太郎「ん……いいぞ、それでお前が頑張れるなら」 淡「よしっ!たくさん頑張っちゃうよ!……っとその前に」ポスン 京太郎「おい」 淡「これ知ってる?充電っていうんだよ?」 京太郎「いや知らないけど」 淡「こうすると淡ちゃんパワーがどんどん溜まっていくんだ!こう、ドバァーっと!」 京太郎「さいですか」 淡「よーし、頑張ろー!」 咏「よっす」 京太郎「よっ」 咏「あんさぁ、京太郎ってもうオーダーとか決めた?」 京太郎「いや、まだ全然だけど、そろそろ決めた方がいいか?」 咏「そうなんじゃね」 京太郎「一つ大会のことで気になってたんだけどさ、一戦目と二戦目でオーダー変更とかできんの?」 咏「ああ、できるはずだったと思うぜぃ、知らんけど」 京太郎「そっか……ちゃんと考えなきゃな」 京太郎「ほい、それロン」 咏「うげっ、また和了られた……」 京太郎「もうちょい守備堅くした方がいいぞ、大きいの和了る前に和了られてたら意味ないしな」 咏「それもそうなんだけど……京太郎が強いんだよ」 京太郎「やるからには本気でやらないとダメだろ」 咏「確かにそうなんだけどさ……」 京太郎「ま、こっからも一緒に頑張っていこうぜ」 咏「……おう」 咏(……ってか、京太郎なら多分……) 咏(……違う、今はそんなこと考えてる時間じゃねえ) 【風呂】 カポーン 京太郎「ふぅ~」 京太郎「明日で合宿最後か、今まで誰かが入ってきて落ち着けなかったけど」 京太郎「今日だけでもゆっくり休めてよかった……」 ザバッ 京太郎「うっし、明日も頑張ろう!」 京太郎(臨海の監督さんたちもここに泊まってるんだよな……) 京太郎(まだ、俺がこいつらを引っ張れてるのか不安だし、行ってみよう) 淡「ねえーきょうたろー聞いてる?」 京太郎「ん、おお聞いてる聞いてる」 淡「ホントにー?」 京太郎「ホントホント」 淡「んーとね、それで――――」 ―――一時間後 京太郎「」キョロキョロ 京太郎「作戦、開始だ」 コンコン 京太郎「失礼しまーす」 京太郎「監督さんの部屋がここだって聞いて来たんですけど……」 霞「あら、京太郎くんじゃない」 晴絵「おっす、須賀くん」 善野「何しに来たん?」 京太郎「皆さん同じ部屋で寝てるんですか……?」 トシ「そういう仕様らしいから仕方ないんだよ」 臨海「キョウタロウ?」 霞「それで、何の用なの?」 京太郎「はい、実は――――」 雅枝「なるほどな、つまりはアドバイスが欲しい、いうことやな」 晴絵「シズとかは直線的で扱いやすいと思うけどなぁ」 京太郎「あいつ以外が問題なんですよね」 臨海「それなら、私たちでレッスンしてあげるのがよいでしょうか」 霞「そうですね、少し夜が遅いですけど」 善野「須賀くん、時間大丈夫?」 京太郎「はい!頑張ります!」 トシ「それじゃあ始めようかね」 臨海「―――――と、ざっとこんなものかな」 晴絵「どうだ?勉強になった?」 京太郎「なるほど、ばっちりです!」 トシ「彼女たちと同い年の須賀くんなら、親身にもなってあげられるし、発破だってかけやすいはずさね」 雅枝「あのチームをまとめるのに適してるっちゅうわけやな」 京太郎「そうだったんですか?」 善野「せやから、須賀くんも自信持って頑張ってな」 霞「敵同士だけど、頑張ってね」 京太郎「はい!本当にありがとうございました!」 臨海「ここまでで、いいかな」 京太郎「同じホテルなのにわざわざ見送りなんていいですよ」 臨海「これでも私たちは教育者だからな、心配なものは心配なんだ」 京太郎「そうっすか、ありがとうございます」 臨海「いや、礼なんていらないよ」 京太郎「でもこんな時間に俺の相談に乗ってくれて申し訳ないというか」 臨海「……そういえば、君はどうして私を訪ねてきたんだ?石戸先生の方が相談もしやすかっただろうに」 京太郎「んー……監督さんが頼りになりそうだったから、ですかね」 京太郎「霞さんたちが頼りないってわけじゃないんですけど、一昨日とか俺のこと看ていてくれたじゃないですか」 京太郎「だから監督さんのところに行こうとしたんだと思います」 臨海「……そう、か……そう言われて悪い気はしないな」 京太郎「というわけで、ありがとうございました」 臨海「うん、頑張ってくれ」 京太郎「へへっ、負けませんからね」 臨海「こちらもそう老いぼれちゃあいないよ、じゃあな」スタスタ 京太郎「おやすみなさーい」 【冬休み5日目】(合宿三日目)終 【冬休み6日目】(合宿四日目) 京太郎(清々しい朝!冬の日差しにその寒さ!) 京太郎(けどさぁ……) 京太郎「…………」サワッ 咲「んっ」ビクッ 京太郎(なんで咲の胸を触ってるんだ俺……)サワサワサワサワ 京太郎(ってかなんでこんな後ろから抱き着いてるような体勢になってんだよ……)サワサワサワサワ 京太郎(今までないものだと思ってたけど、服越しでも案外あるもんなんだな)サワサワサワサワ 京太郎(そもそも昨日何があったんだ?)サワッ 咲「あっ、んっ……」ビクビクッ 京太郎(急に震えだしたけど、寒いのか?) 京太郎(布団もっとかけてやらないと……) バサッ スタスタ... 咲(なんか変な感じがしたから起きちゃったけど)モジモジ 咲(何なんだろうこの感じ……体がすごく熱くて……) 咲(ちょっと気持ちいい、かも……) 咲(京ちゃん、私の胸が好きなのかな) 咲(……触ってくれたってことはそういうことだよね) 咲(なんだか、嬉しいな) 朝 京太郎(……はっ!) 京太郎(朝、か?) 京太郎(でもなんか暑いような……) 咏「ぅ…………」モゾモゾ 京太郎(なんでまた俺の布団で寝てるんだよ……) 京太郎(小さいからはみ出なくっていいけどさ) 京太郎「えいえい」ツンツン 咏「にゅ……ぅ……」プニプニ 京太郎(一昨日は滝見さん、昨日は高鴨、そんで今日は咏か) 京太郎(何なの俺、何か憑いてるんじゃねえの?) 咏「んぅ…………きょぅたろぉ……」 咏「……すきぃ…………」 京太郎「!」ビクッ 京太郎(びびったぁ……寝言か、そりゃそうだよな) 京太郎(第一好かれるようなことあんました覚えないし、うん) 京太郎(けど、もし俺が咏と付き合ったら……) 京太郎(…………) 京太郎(通報されるな) 淡「今日はみんなで人生ゲームをしよー!」 京太郎「……はぁ」 咲「いいの?京ちゃん」 京太郎「ときには息抜きも必要だろうからな」 淡「私黄色使うねー!」 春「……青」 穏乃「じゃあ私は赤!」 咏「んーと……じゃあ私は緑にするかねぃ」 淡「あ、そーだ!一番金持ちの人は誰かに命令できるってことにしよ!ってかそうするから!」 京太郎(うわぁ、めんどくせぇ……) 淡「今めんどくせえって思ったでしょ!」 京太郎「なっ、どうしてそのことが!」 淡「私ときょうたろーは以心伝心だからね!愛し合ってるっていうのー?」 咲「」ムッ 咏「」ムッ 淡「んー、私が勝ったら何しよっかなー」 春「勝たないから心配しないでいい」ポリポリ 淡「へータキミン言うねー」 京太郎「とっとと始めるぞー」 一位 京太郎 二位 春 三位 穏乃 四位 淡 五位 咲 六位 咏 淡「うわ、びみょー」 咲「また家が燃えちゃったよぉ……」 咏「竜巻で飛ばされるよりまだマシだろ……」 穏乃「やった!ブラックバス釣れた!」 京太郎「何とか一位だったけど、滝見さんすげーな」 春「……ギャンブルは得意」ポリポリ 京太郎「俺が一位だから何か命令していいんだよな?」 淡「……チッ」 京太郎「あくどい顔で舌打ちするなよ!なんか恐いから!」 京太郎「じゃあ咏が俺にマッサージ、咲は滝見さんにマッサージな」 咲「え?」 咏「ふぇ?」 穏乃「そんなのでいいの?」 京太郎「ああ、気持ちよけりゃいいだけだから」 淡「なにそれつまんないー!」 春「……なんで私まで」 京太郎「細かいことは言わずに、な?」 春「…………」ポリポリ 咏「でもよぉ、マッサージってどうすりゃいいん?」 京太郎「肩揉んだりでいいぜ、そこまで本格的にやる必要はないからな」 咏「へいへい、んじゃ始めるよ」 咏「京太郎って結構肩凝ってるのな」 京太郎「んーまあな」 咏「ん……しょ」 京太郎「こういうのもいいな、なんかリラックスできるわ」 咏「それは私の腕がいいからなんじゃねーの?知らんけど」 京太郎「そうかもな、毎日やってもらいたいくらいだぜ」 咏「ま、毎日って……」 京太郎「ん?どうした?」 咏「どうもしてねえよ!」グキッ 京太郎「痛っ!?」 咲「滝見さんのうなじ、綺麗だね」 春「…………」コクッ 咲(滝見さんの胸大きいな……) 咲(私も黒糖食べれば大きくなるのかな) 咲(もし大きくなったら京ちゃんも……ってなんで京ちゃんのこと考えてるの!) 咲(京ちゃん大きいの好きだもんね……羨ましいなぁ) 咲(って、あーもう!) 春「?」 淡「つまんなかったからもう一回!」 京太郎「せめて種目変えようぜ……」 一位 京太郎 二位 穏乃 三位 淡 四位 咏 五位 咲 六位 春 京太郎「また俺の勝ちだな!」 淡「つまんないつまんないつまんないー!」 穏乃「うーん、いい線行ってたと思ったんだけどなぁ……」 咏「まあ、いっか」 咲「順位下がっちゃったよぉ……」 春「……命令は?」ポリポリ 京太郎「お、そうだったな、んじゃ、命令は――――」 京太郎「全国で充電ってのが流行ってるらしい」 咲「充電?」 京太郎「一人がもう一人の膝の上に乗ってエネルギーを蓄えるとかなんとか」 穏乃「へー、今度憧にやってもらおうかな!」 京太郎「つーわけで、俺が滝見さんに充電をする」 咏「は?」 淡「え?」 春「…………」ポリポリ 京太郎「ほら、俺今二連勝だから最下位の滝見さんに運気を注入するっていうか」 咲「それって滝見さんが京ちゃんの上に座るってことだよね?」 京太郎「ん、それがどうかしたか?」 咲「どうかしたか、って……」 京太郎「よし、んじゃ滝見さん乗ってくれ」 春「…………」ポスン 淡「……それだけ?」 京太郎「これだけ」 淡「なにそれ!またつまんないよ!」 春「……黒糖食べさせて」 京太郎「おう、いいぞ」ヒョイ 春「…………」ポリポリ 咏「なんでこんなん見てないといけないんだよ……」 穏乃「滝見さん、充電されてる感じとかするの?」 淡「まっさかーそんなことあるわけ……」 春「……須賀くんが伝わってくる」 淡「何その効果!?」 淡「もう一回!もう一回!」 咲「もう昼だからそろそろやめない?」 淡「諦めちゃだめだよサキサキ!」 咲「諦めるも何もないと思うけど……どうする?京ちゃん」 京太郎「俺も黒糖食べていいか?」 春「……食べさせてあげる」 咲(なんで向かい合ってるの!?) 京太郎「じゃあ俺も」 春「…………」ポリポリ 京太郎「…………」ポリポリ 咲(なんだか兄妹みたいで微笑ましい光景だけど、どうしよう咏ちゃん!)チラッ 京太郎「服に黒糖こぼれてるぞ」ヒョイ パクッ 春「あ……」 咏「」イラッ 咲(こっち見てないや……こうなったら高鴨さん)チラッ 穏乃「滝見さん私も黒糖食べたい!」 春「……どうぞ」 穏乃「ありがと!」ボリボリ 咲(あ、これダメなパターンだ) 咲(でも私がしっかり聞かないと!) 咲「京ちゃん、お昼ご飯食べに行く?」 京太郎「……」ナデナデ 春「…………」ポリポリ 京太郎「滝見さんの髪、綺麗だな」 春「……春でいい」 春「…………」 春「……なんでもない」 京太郎「春の髪、綺麗だな」 春「…………」カァァ 咲「」イラッ 昼 京太郎「今日の午後は自由時間だぞー」 淡「よーやくきょうたろーもわかってきたみたいだね」ウンウン 穏乃「三尋木さん!ラーメン食べに行かない?」 咏「おーいいぜぃ、どっちが食べられるか勝負な」 穏乃「よしっ!燃えてきたぞぉぉぉぉおおおお!」 淡「じゃあタキミン遊びに行こー!昨日行けなかったからね!」 春「……」コクッ 京太郎「……んじゃ、俺たちも遊びに行くか」 咲「えっ、私と?」 京太郎「咲以外に誰がいるんだよ、ほら行くぞ」 咲「あっ、ちょっと待ってよ京ちゃん!」 咲「わぁ、本がいっぱいだよ、京ちゃん!」ピョンピョン 京太郎「確かに大きいけど、はしゃぎすぎだろ」 咲「長野じゃこんなに大きいところあんまり無かったもん!ああ……いいなぁお姉ちゃん」 京太郎「咲、ホントに本のこと好きなの……」 ポツーン 京太郎「……な」 京太郎「あんにゃろうどこ行きやがった……」 京太郎(目を離したらいつもこうだ、まあ本屋なら大体……) 咲「京ちゃんどこぉ……」 咲(お手洗いにも行きたいのにぃ……) 京太郎「ったく、何やってんだよ」ギュッ 咲「ぁ……」 京太郎「トイレに行きたかったら俺に言え、連れて行ってやるから」 咲「そんなこと、言えるわけないじゃん……」 京太郎「お前がいなくなったら困るんだよ、だから、さ」 京太郎「俺がいるときは、俺に頼れ」ニコッ 咲「…………あぅ」カァァ 京太郎「スッキリしたか?」 咲「お、女の子に何言ってるの!京ちゃんのバカ!」ポカポカ 京太郎「相変わらず咲はちんまいなー」 咲「もー!」 咲「…………」ジーッ 京太郎(こうして咲と本屋に来たわけだけど……) 咲「…………」ペラッ 京太郎(……なんかつまんねえ) 京太郎(何かいたずらしてやるか) 京太郎(にしても何読んでんだ?)チラッ 咲(京ちゃんの顔が……うぅ)カァァ 京太郎(恋愛小説か?咲もそういうの読むんだな)チラッ 咲「///」ポシュー 京太郎(咲の耳……か) 京太郎(……よし) 咲(京ちゃんの顔が近いから集中できないよぉ……)カァァ 咲(でも京ちゃんに怪しく思われちゃうからちゃんと読まないと……)ジーッ 京太郎「ふーっ」 咲「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「あっはっは!なんつー声出してんだよ」 咲「も、もうっ!京ちゃんのバカ!」 咲「あっち行っててよ!」 京太郎「はいはい、十分経ったらまたここに来るから絶対に動くなよ」 咲「言われなくてもわかってるもん!べーっ!」 京太郎(―――とは言われたけど、時間が来るまで何しよ) お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王! 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.恋愛小説…600円 10.野依理沙の感情コントロール法…1000円 11.一日を活用する本…1500円 12.咲が読んでたのと同じ恋愛小説…700円 京太郎(咲も読んでたし、俺も似たようなの読んでみるか) 京太郎(……思春期の恋愛模様を描いた作品、か面白そうだ) 京太郎(咲の読んでたやつはどんな話だったんだろ) 京太郎(まあいいや、買いに行こ) 「ありゃぁたっしたー」 京太郎(後は咲を探しに行くだけだな) 京太郎(この辺のコーナーだったよな……あ、いた) 咲(京ちゃんまだかな……)モジモジ 京太郎(何だあいつ?足踏みしたり脚寄せ合ったり……) 咲(なんでまたお手洗いに行きたくなっちゃうんだろう……)モジモジ 京太郎(?) 京太郎(こっちに気づいてないのか?じゃあ……) 京太郎「おい、咲」 咲「へっ……あ、京ちゃん」 京太郎「早く行くぞ」グイッ 咲「えっ、なに、どこ行くの?」 京太郎「トイレ、行きたくなったんだろ」 咲「どうしてわかったの?」 京太郎「お前のことだからな、ほら着いたぞ」 咲「あ、ありがと……」モジモジ 咲(どうして京ちゃん、私がお手洗いに行きたいってわかったんだろ) 咲(なんで私を引っ張って行ってくれるんだろ) 咲(…………) 咲(帰るときは、私から京ちゃんの手繋ごうかな) 咲(手をつないで買い物に行くって、デートみたいだよね) 咲(……こんな風に、また遊びに行けたらいいな) 咲「お待たせ、京ちゃん」 京太郎「ん、そんなに待ってねえよ」 咲「えへへ、それじゃあ帰ろっか」ギュッ 京太郎「あ……ああ、そうだな」 咲(恋人繋ぎって、ちょっと大胆だったかな) 京太郎「って咲、本買わなくていいのか?」 咲「あっ、忘れてた!ちょっと待ってて!」トテトテ 京太郎「だから走るなっての!」 夜 京太郎「いよいよこの合宿も終わりっつーわけで、練習するぞー!」 穏乃「おー!」 淡「元気150%の淡ちゃんなら負けないよ!」 咲「私も負けないもん!」 春「…………」ポリポリ 咏「うぅ……胃もたれきつぃ……」 淡「そい!リーチ!」 咲「じゃあ私も、リーチ」 咏「そんじゃ、リーチ」 穏乃「リーチ!」 「「「「……」」」」 京太郎「何やってんだあいつら……」 春「……きょうたろう、始めて」 京太郎「ん……ああ」 京太郎(春が集中できるからって充電しながらやってるけど……) 春「…………」ウツラウツラ 京太郎(人の膝の上で寝るなよなー) 春「ん……」モゾモゾ 京太郎(やばっ、動かれると流石にまずいっ) 京太郎(これは起こすしかない……よな) 京太郎「おーい、春ー」 春「…………」 京太郎「後ろからじゃ起きてんのかどうかわかんねえよ……」 京太郎「…………」 春「…………」 京太郎「……俺も寝るか」 京太郎「最後の相手は高鴨か」 穏乃「んそっ、よろしくね!」 京太郎「おう、頑張るぞ!」 穏乃「うぉぉぉぉおおおお頑張るぞぉおぉおおお!」 京太郎(なんだろう、このやり取り終わらない気がするぞ?) 穏乃「いやぁー、今日で合宿も終わりなんだねー」 京太郎「手、動かせよ」 穏乃「須賀は楽しかった?私は楽しかったよ」 京太郎「いや、だからさ」 穏乃「東京のラーメンおいしかったし、麻雀も楽しかったし!」 京太郎「集中しようぜ、集中」 穏乃「大星さんや宮永さんともまた打てたから良かった!」 穏乃「須賀はどう思う?」 京太郎「麻雀しようぜ」 穏乃「うん、やっぱり楽しかったよね!」 京太郎「どこをどう捉えればそうなる!?」 京太郎「これで合宿は終わりだ!」 京太郎「そしてぇえぇえええええーーーー!」 淡「打っち上っげだーーーー!」ドンドンパフパフ 咲「わ、わー!」 咏「いえーい!」 穏乃「ラーメン!ラーメン!」 春「…………」ポリポリ 淡「でもどこに行くのー?」 京太郎「う……んー、どうしよ」 京太郎「じゃあカラオケでいっか」 咲「えぇ……私歌とか上手くないよ?」 京太郎「楽しけりゃいいんだよ、みんなもいいだろ?」 穏乃「憧によく連れていかれたからね、オッケーだよ!」 淡「私もいいよ!」 咏「ま、いんじゃね」 春「…………」ポリポリ 京太郎「誰から歌うんだ?」 淡「その前にルール決めようよ!」 咏「ルール?」 淡「六人の内負けた人が言うこと聞くとか!」 咲「わざわざそんなことしないでもいいんじゃ……」 淡「じゃあ一番の人がきょうたろーに充電してもらうとかは?」 咲「」ピクッ 咏「」ピクッ 京太郎「おい待てそのルール、俺が一位じゃ意味ないじゃねえか」 淡「え~、どうせきょうたろーは勝てないよー」 京太郎「何だと?」 穏乃「まーまー二人とも落ち着いて」 淡「タキミンはどう思う?」 春「……いいと思う」 京太郎「くっ……」 淡「嫌だったら代替案を提案してねー」 京太郎「折衷案ってことで俺が一位になったら他の人に命令」 京太郎「他の人が一位になったら俺が充電、でどうだ?」 咲「どうだ、っていうか……」 咏「京太郎が得しすぎだろ……」 淡「うん、それでいいや!」 穏乃「じゃあ一番は私行くよ!」 春「…………」ポリポリ 穏乃「青空が眩しいー、君がいる風景はー」←16点 淡「重さじゃー測れない、こんな想いー」←52点 咲「こわいもののない世界ならー」←58点 淡「何なのこの機械!おっかしいんじゃないの!」 淡「私が52点なんてあり得ないでしょ!」 京太郎「ふっ」 淡「鼻で笑うな!」 春「雲の形、突き抜けるー」←96点 咏「毎日ナニがあって、頭抱えてもー」←92点 京太郎「たましいゴーンと、チャイムを打たれたならー、打たれちゃったら!」←61点 淡「なんできょうたろーの歌より私の方が下なの……」ガックシ 咲「それは同感かも……」ガックシ 穏乃「うん……」ガックシ 京太郎「なぜそこまで落ち込む!?」 春「きょうたろう、充電」 京太郎「お、おお、いいぞ」 春「」ポスン 春「……頭撫でて」 京太郎「ああ、よしよし」ナデナデ 淡「ちょっ、そんなオプション――――!」 淡(待てよ、ここで頭なでなでを禁止したら私が勝ってもあまり得はない!) 淡(それにこう考えている間にもタキミンのきょうたろーポイントがどんどんたまっていく!) 淡(まさかこれが――――) 春「……ふっ」 淡(先手必勝のジャスティス!勝てば魏呉蜀!) 咲(勝てば官軍だと思うけど……) 淡(ここは黙るしかない!) 京太郎「淡、どうかしたか?」 淡「ううん、なんでもないよー」 淡(タキミン……恐ろしい子……!) 春「……きょうたろう」 京太郎「どうした?」 春「何かして」 京太郎「何か、って何だよ」 春「……抱きしめたり、とか」 京太郎「なら今頭撫でてるじゃん」 春「そうじゃなく……」 京太郎「んー……じゃあ……」 京太郎(咲とかがいるからあんまり大胆なことはできないとして……) 京太郎(そうだ!) 京太郎「……春」ボソッ 春「」ビクッ 京太郎「どきどきしてるんだ、俺の胸……春を充電したい、十年も、二十年も」ボソボソ 京太郎「っ……お前のそばに居続けたい」ボソボソ 京太郎「きっと、お前のことが好きなんだ……いや、春が好きだ、断言できる」ボソッ 京太郎「りゆうはわからない、色々ありすぎて、お前の好きなところが多すぎて」ボソボソ 京太郎「……なあ、春」 春「……///」カァァァァァ 京太郎「好きだぞ」ボソッ 春「///」ボシュー 咲「あの二人何してるのかな?」 淡「さあー?じゃあ次の曲入れちゃおー!」 穏乃「信じる、それだけで越えられないものーはない」←97点 淡「ほどかれてくの、どこまでもー」←70点 咲「がんばっちゃったがんばった我々東南西北わーいわーい!」←83点 淡「だからなんで私がこうなんのよ!」 穏乃「点数上がったんだからいいじゃん」 淡「アンタが一番おかしいでしょ!」 春「君の知らない、私だけの秘密」 京太郎「春は歌上手いなー」 春「……」カァァ←31点 咏「冒険でっしょ、でっしょ!」←76点 京太郎「ハートのエッジに挑もう、思うたけ見つめてー」←92点 穏乃「今度は私だよ!」 京太郎「ぐぬぬ、あとちょっとだったのに……」 穏乃「ねぇー私にも何かしてー」 京太郎「だから何かって言われてもな……」 京太郎「んじゃ、遠慮なく」サワッ 穏乃「ふぇっ」 京太郎「高鴨の太ももって結構筋肉ついてんだな」サワサワ 穏乃「ちょっ、何触ってんのさ!」 京太郎「こんな恰好で寒くないのか?」サワサワ 穏乃「はしってるから……大丈夫、だけど……」 京太郎「でも、ちゃんと肌スベスベしてるし、女の子って感じするぜ」サワサワ 穏乃「それ、褒めてくれてるのかわかんないんだけど」 穏乃(さっきから何かが当たってる気がするし……須賀に触られてると……何だろう) 穏乃(ちょっと変な……)モゾモゾ 春「…………」ボリ!ボリ!ボリ! 咲「京ちゃん何やってんだろ……」 咏「あいつ……」 淡「タキミンまであらぶってる……」 淡「次は絶対に勝ってやるんだから!」 穏乃「私はもういいや……」 咲「私も頑張る」グッ 春「…………」ポリポリ 咏「今度こそ勝つぜぃ~」 穏乃「みみーもとで囁き呼ぶ声に振り向けば、気づかぬうち開かれていたトビラー」←66点 淡「ガッティーノ、ガッティーナ、私だけの傍にいてねー」←15点 咲「わーたっしーとしようよ、ココロが晴天ドキツモ昇天」←75点 淡「」チーン 京太郎「ぶははははは!どんだけ機械に嫌われてんだよ!」 咲「京ちゃん、淡ちゃん可哀想だよ」 京太郎「でもよぉ、あっはははは!」 淡「うっさいうっさいうっさーい!どうせきょうたろーだってこんな点になるもん!」 京太郎「ならねーよ、ま、見てればわかるけどな」フフン 春「アザレアを咲かせて、暖かい庭までー」←5点 咏「おおきな夢、夢、スキでしょ?」←83点 京太郎「本気の恋ー、それは突然花が咲くー」←90点 淡「みんなしてずっこいずっこい!」 京太郎「結局実力ってことだな」 淡「むぅ……」 咏「んで、命令何すんの?」 京太郎「おっ、そういえばそうだったな」 咲「エッチな命令とかは……ダメだよ?」ニコッ 京太郎「わ、わかってらぁ、そんぐらい」アセアセ 春「…………」ポリポリ 京太郎「んー、と、じゃあ……淡?」 淡「なによぉ……」グスッ 京太郎「いや、負けたからって泣くなよ」 淡「だって、きょうたろー程度に負けるとかありえないし……」グスッ 京太郎「ナチュラルに失礼だな、おい」 春「……命令」ポリポリ 京太郎「ああ、ちょっと考え中な」 京太郎(全員に猫のごとく甘えてもらう、とか言おうと思ってたけど俺もそこまで空気が読めない男じゃあない) 京太郎(淡が泣いたままだと嫌な気がするし……淡の脇をくすぐって励ますとかいいんじゃないか?) 京太郎(あわよくば淡の胸に触れる、って違うわ!どんだけ変態なんだ俺!) 京太郎(それにあんな胸触ったってなぁ……)ハァ 京太郎「淡」 淡「なに?」 京太郎「ほい」ガシッ ヒョイッ 淡「はぁっ!?」 咲咏穏「ええっ!!」 春「…………」ポリポリ 淡「なっ、何してんの!」 京太郎「ほーれ高い高ーい」 淡「子どもじゃないんだから降ろしてよー!」ジタバタ 京太郎「はっはっは、じたばたはHPが少なくないと威力弱いんだぜー」 淡「っていうかスカート見えるから!」ゲシッ 京太郎「ぐへぁっ」グラッ 咲「あっ!」 咏「京太郎のバランスが!」 穏乃「大星さん危ない!」 淡「きゃぁっ!」 京太郎「淡っ!」 京太郎(これだと淡が頭から落ちる、最悪病院行きだ!) 京太郎(それだけはさせない!) ドッシーン! 咲「きょ、京ちゃん!」 京太郎「いつつ……腰打ったっぽい」 咏「ったく、気ぃ付けろよなー」 京太郎「わりぃわりぃ」 淡「もー!きょうたろーのせいで危なかったじゃん!」 京太郎「人が身を挺して守ったっつうのに一言目がそれかよ……」 淡「ぁ……それはありがとう、だけど……」モジモジ 淡「って!そもそもきょうたろーが高い高いなんてしなきゃよかったんじゃん!」ウガー 京太郎(一瞬でもしおらしくてかわいいと思った俺がバカだった) 淡「こうなったらやり返してやる!えいっ」ガシッ 京太郎「うおっ!」 淡「んぐぐ……」 淡「持ち上がれぇ……!」 京太郎「淡、あんまり無理しない方がいいんじゃないか?」 淡「うっさい!やり返すったらやり返すんだから!」 ――十分後 淡「なんで持ち上がんないのさー!」 京太郎「体格差があるからしゃあないだろ」 淡「きょうたろーの筋肉硬かったし、抱きしめてるみたいで気持ち良かったよー!」 京太郎「なんでこの状況で褒められてんだろ俺」 京太郎「次で最後にするか」 咲「そうだね、もう結構遅いし」 咏「じゃさ、じゃさ、最後は全員で同じ歌歌ってその得点を競うってのはどうなん?」 淡「あ、いいねーそれ!」 穏乃「じゃあ何歌うの?」 春「……だんご三兄弟」 咲「中々古いね!?」 京太郎「そりゃみんな知ってるだろうけどさ……」 淡「じゃあセーラームーンとかは?」 咏「そっちのがおぼろげなんだよねぃ……」 穏乃「タ○リ倶楽部のオープニングは?」 京太郎「あれカラオケに入ってんのか?つーかどんなチョイスだよ」 淡「タ○リ……なにそれ?」 咲「私も土曜日は夜遅くまで本読んでるから知らないな」 京太郎「それ、見てるって言ってるようなもんだぞ」 咲「空耳しか見てないもん!」 淡「だから何それ?」 京太郎「結局、おいでよ亀有を歌うことになったぞ!」 咲「どうしてこうなっちゃうの……」 穏乃:96点 春:90点 淡:66点 咲:27点 京太郎:21点 咏:1点 咏「1点……1点……」チーン 淡「また勝てなかった……」ガクッ 咲「私だって4位だったんだから、元気出そ!」 春「…………黒糖、いる?」ポリポリ 淡「いるいるっ!ちょーだい!」 咲「ゲンキンだなぁ……」 穏乃「また私が一番かぁ……よっ!」ポスッ 京太郎「俺の膝に慣れるの早くね」 穏乃「まあ、嫌いじゃないからねー」 京太郎「新子だったら「こんなこと死んでもやらないわよっ!」とか言いそうだよな」 穏乃「あはは……有り得るね」 京太郎「今回も何かするか?」 穏乃「うんっ、おまかせで!」 京太郎「んじゃ、まずは」サラッ 穏乃「ん……」 京太郎「高鴨の髪の毛さらっさらだな」ススッ 穏乃「えーそうかな?」 京太郎「綺麗だし、いい匂いもするぞ」ソソッ 穏乃「なんかむずむずする……」 京太郎「やっぱり女の子の髪って気持ちいいな」 咲「……やっぱり?」ゴッ 京太郎「ヒッ」 咲「京ちゃん、他の女の子の髪触ったことあるの?私にはないのに?」 京太郎「そ、それは言葉の綾というやつで、触ったっつうか撫でたときとか……ほら!小さいときにお前のことも撫でてたろ!」 咲「……そういうことならいっか」 咲「ほら、続けなよ」 京太郎「は、はい……」 京太郎(なんか重い雰囲気になってんですけど!?) 京太郎(やべーよ殺されるよ、何だよあの殺気、このまま抱きしめようかと思ったけど絶対無理だよ) 穏乃「もう終わり?」 京太郎「う……ああ……うー……」 京太郎(けどまだこうしていたい自分もいるわけで……) 京太郎「いや、まだだ!」ギュッ 穏乃「わっ!」 京太郎(あっれー?どうして俺は高鴨を抱きしめてんの?おっかしいなー) 淡「髪いじって抱きしめるって……」 咏「あんさぁ、京太郎?流石に限度ってものがあると思うぜぃ」 京太郎「ちっ違うわ!これは俺が無意識下に行った行動であって俺自身の行動じゃないんだ!」 京太郎「そうっ!いわばそれは反射!思考とは真逆!目の前いる高鴨を抱きしめるのは俺の性なんだ!」 淡「なお悪いわっ!」ゲシッ 京太郎「脛はやめろって痛いから……」 京太郎(なおさら酷い雰囲気になった気がする……) 咲「」ニコニコ 淡「」ジトッ 咏「」ジーッ 穏乃「~♪」 春「」ポリポリ 京太郎「なあ、高鴨?」 穏乃「穏乃でいいよ、私も京太郎って呼ぶから!」 京太郎(この状況で何言いだしちゃってんのお前!?) 京太郎「何言っちゃってんの、おい」 穏乃「今さ、京太郎に抱きしめられてるとなんか安心するんだ」 穏乃「ウチ女子高だから、久しぶりに男子と話したのに楽しくて」 穏乃「だから京太郎とはもっといい友だちになりたいな、って」 京太郎「今言うことなのかよ……」 京太郎(しかもこの惨状で) 穏乃「なんか言うタイミング逃しちゃいそうだったからね」 京太郎「そ、そうか」 京太郎(何これ、何が言いたいのこいつ) 京太郎(言われて滅茶苦茶嬉しいけど……) 咲「ジュゴゴゴ」ニコニコ 淡「ジュゴゴゴ」ジトーッ 咏「ジュゴゴゴ」ジーッ 春「……」ポリポリ 京太郎(ストロー悲鳴あげてるから!こっち向かないで怖いから!) 穏乃「京太郎ー」 京太郎「なっ、なんでございますでしょうか」 穏乃「呼んでみただけだよ、えへへ」 京太郎(そういうことされると……もう……)カプッ 穏乃「ひゃぁっ?」 京太郎「んっ……」ハムハム 穏乃「京太郎ぉ、くすぐったいよぉ」 京太郎「ははほはっへはいへぇ」 穏乃「耳元で喋らないでよ、ふふっ」 京太郎(なんで俺、穏乃の耳咬んでんだろ……) 京太郎(あとは耳に息を吹いて終わらせよう) 咲淡咏「」ゴゴゴゴゴゴゴ 京太郎(あいつらに殺される気しかしない!) 京太郎「……ん」 京太郎(俺の唾液ですごくエロく見える……) 京太郎「ふーっ」 穏乃「んんっ!」ビクッ 京太郎「こ、これで終わりだ!」 京太郎(何やってんだろ俺……) 京太郎「かーっ!歌った歌ったー!」 淡「きょうたろーの変態」 京太郎「まだ言うか」 咲「8時くらいだけど、新幹線間に合うかな?」 咏「大丈夫なんじゃね、知らんけど」 穏乃「んー、でも確かに危ないかもね」 京太郎「じゃあここで解散っつうことでいいか?」 淡「うん!」 穏乃「だねー」 京太郎「そっか、じゃあ行くぞ」 咲「ま、待ってよ京ちゃん」 春「……お疲れ」 穏乃「またね」 淡「また来週だよー!」 咏「じゃあなー」フリフリ 京太郎「おう!頑張ろうなー!」 咲「そっか、私以外みんな博多行きなんだ」 京太郎「春は今から帰って家に着くのか?」 春「ホテルは取ってある」 穏乃「どうせだし京太郎の部屋に泊まればいいんじゃないかな」 春「……いいの?」 京太郎「いやダメだろ、年頃の男女が同じ部屋で寝泊まりなんて」 咲「つい昨日までやってたんだけどね……」 咲「あ、私こっちだから」 京太郎「そっち東北新幹線だぞ」 咲「えっ!?わわっ、危なかったよ!」 京太郎「お前、よく東京まで来れたな」 咲「バ、バカにしないでよ!」 京太郎「はいはい、バカにしませんよー」 咲「バカにする気満々でしょ!」 京太郎「長野新幹線あっちだぞー」 咲「わ、わかってたから!わかってたからね!」 京太郎「はいはい、じゃあな」ナデナデ 咲「だからバカにしないでよ!」 穏乃「京太郎って宮永さんと仲良いんだねー」 京太郎「ま、幼馴染だからな」 穏乃「いつごろから知り合ったの?」 京太郎「咲とは小学生くらいかな、なんでだ?」 穏乃「んー、ちょっと気になったから?」 春「……二人とも、はい」 京太郎「黒糖一袋!いいのか?」 穏乃「うおっ!おおおっ!」 春「お疲れ様のプレゼント」 京太郎「そっか、あんがとな」 穏乃「んー!おいしー!」ボリボリ 春「……」ニコッ 【冬休み6日目】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6420.html
【10月第4週 平日】 京太郎「今週末から来週末にかけていよいよ国麻か……」 京太郎「絶対に決勝まで行ってやるぜ!」 キーンコーンカーンコーン 京太郎(今日もロンリー登校だった……)ガックシ 咏「京太郎のやつ、また落ち込んでるよ」ヒソヒソ 和「いつものことですね」ヒソヒソ 咏「だね」ヒソヒソ 京太郎「昼飯を食べに行くぞ!」 咏「その前に授業の課題片付けろよなー」 和「静かにしてください」 京太郎「二人とも当たり強いな!俺でも傷つくよ!」 昼 京太郎「屋上に来るのも久しぶりだな……」 京太郎「一時期は狂ってるほどに来てたけど」 郁乃「あ、京太郎くんや~」 京太郎「郁乃さんっていつもここにいますよね……」 郁乃「ん~なんでやろな~」 京太郎「聞いた俺がバカでした」 郁乃「京太郎くん酷いな~お姉ちゃん怒ってるで~」プンプン 京太郎「あんまり怒ってるように見えないんですけど」 郁乃「まあ怒っとらんから」シレッ 京太郎(何なのこの人!)イラッ 郁乃「せや~二人っきりなんやし一緒に食べへん?」 京太郎「いいですね、食べましょうか」 郁乃「~♪」モグモグ 京太郎「郁乃さんのお弁当は霞さんが作ってるんでしたっけ?」 郁乃「せやで~居候やからな~」 京太郎「ダメな大人だこの人……」 郁乃「むぅ、さっきからいろいろと酷いこと言うな~」 京太郎「冗談!冗談ですから!」 郁乃「そうなん?」 京太郎「まさか本気でダメな人だとか思ってるわけないじゃないですかー」ボウヨミ 京太郎(実際この人何もやって無さそうだな……) 郁乃「なら良かったわ~」ニコニコ 京太郎(憩さんも郁乃さんもいっつも笑ってるよな) 京太郎(照も同じくらい笑えばいいのに―――)ポワポワ 照『そっか、良かった~』ニコニコ 京太郎(可愛いけど何か違うな) 郁乃「~♪」モグモグ 京太郎(話題途切れちゃったけど、どうしよう) 京太郎「郁乃さんは……国麻に出るんですか?」 郁乃「ん~団体戦は遠慮しておきたいな~」 郁乃「末原ちゃんたちと一緒に戦う言うんは魅力的やけど……私は本当は出ちゃダメやから」 京太郎「そう……ですよね」 郁乃「個人戦は面白そうやから出るけどな~」 京太郎「じゃあ俺と当たるかもしれないですね」 郁乃「手加減はせえへんよ?」 京太郎「上等です、勝ってみせますから」 京太郎「そういえば国麻ってプロの人たちも出るんですか?」 郁乃「それは冬の全国プロ・アマ交流戦だけやな~」 京太郎「やっぱりそうなりますよね」 郁乃「なんや?小鍛治さんとかと戦いたかったん?」 京太郎「それだけは遠慮しておきます」 郁乃「私も嫌やわ~」 郁乃「せや!京太郎くんが決勝戦まで行ったらご褒美あげるわ」 京太郎「ご褒美……って前の良子さんみたいな?」 郁乃「うん、誰か呼んであげるわ~誰がええ?」 京太郎「だったら……そうですね……」 京太郎「臨海の監督さん……でも?」 郁乃「……京太郎くんはかっこいい人が好きなん?」 京太郎「確かにそうかもしれませんねーってはぁっ!?」 郁乃「だっていっつもかいのーちゃんとかカントクちゃんとかとおるやん~流石に拗ねるで?」 京太郎「ただの偶然ですって」 キーンコーンカーンコーン 京太郎「あ、予鈴だ」 郁乃「今日はここまでやな~」 京太郎「そうっすね、ありがとうございました」 郁乃「私も楽しかったで~」 放課後 京太郎「相変わらず暇だ……」 京太郎「愛宕監督曰くもうすぐオーダー決めをするとか」 京太郎「俺もそういう会議に参加したりとかしなくちゃなのか?」 京太郎「今日こそは勝ってやる!」 泉「京太郎くん!久しぶりに打ちませんか?」 京太郎「へー泉は俺に勝つ自信があると」 泉「今日こそは勝ってみせますよ!」 俺は、打っていた 暖かな陽だまりの中で 照と咲とモモと、三人の幼馴染と 俺は彼女たちと互角に戦っていた それが何故かなのはわからない 思い出そうとすると溢れてくるのは水 水に溺れる感覚 あの感覚は……一体 照「京は私たちを懐かしい気持ちにさせる」 京太郎「懐かしい気持ち?」 咲「麻雀を始めたころの初めての気持ち」 京太郎「なんだそりゃ?そんなオカルトありえねえっつーの」 桃子「それが京太郎のわけのわからない強さなんっすよ」 京太郎「強さっつっても大して勝ててないし……」 照「それは京の運が悪いだけ」 京太郎「えぇ……」ズーン 京太郎(…………) 京太郎(今のは、一体……?) 洋榎「負けた……」ガックシ 泉「今日こそは勝てる思うとったのに……」 京太郎「まあまあ、二人とも元気出して!」 泉「京太郎くんに言われたないですわ」 洋榎「せやせや、ちゃっかり二位のくせに」 京太郎(なんで責められてるんだろ) 京太郎「さっきのはなんだったんだろうな……」 雅枝「須賀、肩揉んでくれるか?」 京太郎「はいはーい」モミモミ 雅枝「あ^~気持ちええな^~」 京太郎「ってなんで俺が監督の肩揉んでるんですか!」 雅枝「なら胸もええで」 京太郎「いいんですか!」ニヘラ 京太郎「って欲しくないわそんなもん!」 雅枝「なんや失礼やなーはい続き続き」 京太郎「はぁ……」モミモミ 京太郎「監督ー何か話しません?」 雅枝「別にええでー」 京太郎「そういえば国麻のオーダーってどうなってるんですか?」 雅枝「あーそれは今夜石戸の家で話そ思うとったんやけど」 京太郎「そうですか」 雅枝「須賀も参加してくれるか?」 京太郎「俺なんかの意見を参考にしてもいいんですか?」 雅枝「ええんやないの?須賀やったら贔屓なんてせえへんやろ」 京太郎「結構信頼されてるんですね、俺」 雅枝「まあ……せやな」 京太郎「なんか間があった気がするんですけど」 雅枝「手休めずに揉みぃ」 京太郎「はいはい、ここいら辺ですか?」グイッ 雅枝「んぁぁ、ええなぁ」 夕 京太郎「こんにちはー」 店員「おっ、須賀の坊ちゃん久しぶりやな」 京太郎「どうも、お久しぶりです」 店員「今日も何人かおもろいのが来てるで」 京太郎「へー楽しみですね」 店員「まあ立ち話もなんやから入って入って」 おっさん「げっげっげ、よう来たな須賀んとこのォ!」 善野「須賀くんか、よろしくな」 良子「面子もそろったことだし、スタートしようか」 京太郎 92+177+35=304 良子 74+200+60+30=364 善野 73+200+30-15=285 おっさん 96+120+15=231 京太郎(昔のあの感じ) 京太郎(なんであの感じを忘れていたんだ……) 京太郎(もっと……自由に!)カチャカチャ←ベルトを外す ゴッ 京太郎(来た!) 良子(……これ……は) 善野(ふむふむ) 良子「ツモ、これでフィニッシュです」 善野「お疲れ様でしたー」 京太郎「お疲れ様でした」 良子「京太郎、さっきは何を……?」 京太郎「よくわからないんですよね、昔の感覚と言うかなんというか」 善野「へー面白いこともあるんやなー」 良子「中々良かったよ、それではまた後で」 善野「ほな後でなー」 京太郎「さよーならー」 京太郎「善野監督って元気そうだよな……」 京太郎「会議の前にメールでもするか」 京太郎「多治比さんに送ってみるか」 京太郎「前カス虫外道とか言われたんだよな……」 京太郎「何て送ろう」 京太郎『こんばんは』 京太郎『多治比さんって美人ですよね』ピッ ヴーッ ヴーッ 真佑子『何ですかいきなり』 真佑子『気色悪いですよ』 京太郎「歯に衣着せてねえ!」 京太郎『突然あんなメールを送ってすみません』 京太郎『なんか口説いてるみたいですよね……』ピッ ヴーッ ヴーッ 真佑子『わかってくれればいいんですよ』 真佑子『私も少し言い過ぎちゃいましたね』 真佑子『あんなことを言われたらどうしていいかわからなくて』 京太郎「言い過ぎ……うん、そうだよな」 京太郎「ん?もうそろそろ時間か、こっちを終わらせないとな」 京太郎『こちらこそすみません』 京太郎『もう用事があるので失礼しますね』ピッ 京太郎「よし、会議だ会議!」 【10月第4週 平日】終 雅枝「全員揃ったみたいやな」 良子「イエスマム」 . . . .- ― -. . .,, ,,. ´ ` ,, ´ ヽ / ヽ ヽ / / , , ハ ', / / / / / ハ ', ハ // / / / l 〃 / ! } //!ヽ {l/ l 斗イ ! メ /| ! l/ / ! \ /;, { l N ハ | / \ _ _ _! l / /ト . \ . //丶, 、 |弍芝ミ / / l l ! ! ! / ,' \ ヽ 〃 〉 \ ! 戔沁 /イ .=芸ミx | | lイ// ヽ ハ / ,' イ 弋_ソV {戔刈ミ / / \ ', ./ l /| ,,, 弋_ ソ/ / Y ∧ .! l /八 ' ,,, / /イ . l } |/! / \ 、 / / ヽ l } | .∨ ムイヽ ,, イ /> \ 〃 / ,、---- ニl --/ 'イ | \ ヽ / //! ハ ムイ.___| ヽ} { | / ] ― ハ / r‐ V⌒Y イ ム/ ヽ ', 近畿Aコーチ 戒能良子 霞「京太郎くん、お茶入れてくれるかしら?」 , ' . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ ..ヽ /. . . . . . . . . . . . . . . .;、 . . . . . . ヽ .. .ヽ // . ./.. /. ; / ';. . . . . . . . . . '; ....; /,' . ;'. /. l! ;' .'; l l . . ..i /.i | lL -亠 l  ̄丁T! ‐! l l . . |. i ! 、 l l!、 _」L l l --+HL_ l .;リノ . . ...| ! .l トゝ !´__ _ヽ 川 ,,z=-zy/j;イ .| | .l . lv'筰 卞 ヽ. ´ b jヽ .!l .| l l! .辷.ノ ー.― ll .| l l. ,,, ' ''' 'l . .| l l /l .|. l .l. ャー‐ッ / l / .l l ... イ / l. l >.....___ < | l / .. ' l . / l / . /. l .. /{ | / . / l . . / ゝ´ll /,' ./> 、 l . /// ! / / イ./ ヽ. l . / ,' / / ;.' / | .i. l=;/ l / ,; ,' / ! l ,' l ./ i / / / l! .l / 丿, ' /! ;' / / ! 三箇牧高校監督 石戸霞 郁乃「棚にせんべいあるからよろしくな~」 , '"  ̄` 、 / ヘ ./ ヽ、 ヘ ′ i !ハ ∧ i| | ! ヤ ∧ |i | / リ从 ∧ | /´レ勹´ _`_キ ∧ | !' ,r=‐ ⌒i| \____ | 爪 ´,, ″| ヽ、 `ヽ | ゝ .,ノ 从 `ヽ、 | 心 _/.)^._ イ´ ∧\ }..,ィ|i /./ | i \ } ソ{ ./ | ,'‐^ュ `k | i \"´ji { 广 ̄丁 j’ ´ ‐''ノ从 |-ミ } ji ル / 人__,,斗宀'" i \|ノ; /i | 彳"/ /' │ !"¨ ./ |ゝ-弋./ /__ __ _/i / |!/| | / / `´ |/ | i| | / / | | i| 三箇牧高校次鋒 赤阪郁乃 京太郎「はいはい」 /\-――‐- 、 , --=7 丶 `ヽ /, ヽ ヽ ∠/ / 、 、 丶 i / i ! l. l i. i | / ,/ ! ! l|| ! |、 ll ! | ヽ、 /_ -7 , | l ト、| |ヽ! N , 斗 r ,'_ ト--`  ̄ //! ! Nヽ!\|,//l/ l/! N ,ハ !| ´ / ,i丶 {=== l/ == =l/ ' ノ リ // l i `i _/,、/ ´ {ハ!ヽ{ ′ /!}/ ′ 丶 ー ―‐ ' / |′ \ / | __ i ー ' ! __ , ィ'´ . /-‐ ´} / `Y´ . .\ , -‐'' ´ . ./ . . ./― - 、 ,/__ / . . . . . /`丶、 ハ . . .i ., . ,′ . i `  ̄ / . . . . ../ . . . . . . .丶、 / . . .i . . |,' . i . . . . ! ヽ / / . . . . . / . ., . . . . . . . . ,.ヽ ! . . . .ヽ .{ . .l . . . . l. i / . . . . . / . ./ . . . . . ./ . . .i インターハイ男子個人戦チャンピオン 須賀京太郎 雅枝「おお、会議っぽいな」 京太郎「雅枝さんは無かったので我慢してください」 雅枝「不公平や……」 京太郎「そういえば試合表とかどうなってるんですか?」 雅枝「あーそれはな……」ゴソゴソ 雅枝「こうなっとる」 一戦目 関東 対 東北 対 近四中 対 九州 二戦目 近畿A 対 中部 対 一戦目の下位二チーム 三戦目 一戦目の上位二チーム 対 二戦目の上位二チーム 京太郎「うちのチームは楽なんですね」 郁乃「善野ちゃんのくじ運はええからな~」 京太郎「その善野さんは?」 良子「少し気分が悪いそうなので帰ってしまった」 京太郎「そうなんですか」 雅枝「ちなみに日程表はこうや」 一日目 第一戦 二日目 第二戦 三日目 決勝戦 四日目 オフ 五日目 オフ 六日目 個人戦一回戦 七日目 個人戦二回戦 八日目 個人戦準々決勝 九日目 個人戦準決勝 十日目 個人戦決勝戦 雅枝「個人戦は一位の選手の勝ち抜けや、それ以外はそのまま敗退」 雅枝「それで本題のオーダーをどうするかや」 良子「これが選抜最終候補のレコードだよ」 京太郎「なるほどなるほど……」 京太郎(よくわかんねえ……) 雅枝「まずはどこから決めよか」 良子「エースの置き場を決めておきたいですね……」 郁乃「姫松や新道寺みたいな変則型で行くのもありやな~」 霞「そうね……どうしましょうか」 京太郎「やっぱり先鋒から決めましょうか」 霞「そうね」 良子「注意すべきは永水のコマキ、龍門渕の天江、白糸台の宮永照でしょうか」 京太郎「咲はいいんですか?」 雅枝「宮永妹は大将向きみたいやからな、先鋒よりも大将の方が使いやすいやろ」 京太郎「確かにそうっすね、それじゃあ誰にしましょうか?」 雅枝「私としては荒川やな」 京太郎「俺も憩さんは安定してると思いますね」 郁乃「え~咏ちゃんの方がええと思うな~」 良子「私はあえて清水谷がいいと思います」 良子「安定感ならこちらも十分かと」 霞「みんな色とりどりだから困るわね……」 京太郎「多数決の結果憩さんに決まりました」 霞「次は次鋒ね」 郁乃「私は咏ちゃんがええと思うな~阿知賀の子みたいな感じで巻き上げるんや~」 良子「それなら園城寺選手の方がよくないですか?」 雅枝「その形やったら江口もありやな」 京太郎「皆さん結構ひねくれてますね」 郁乃「せやろか~?」 霞「次鋒は咏ちゃんね」 郁乃「次は中堅さんやな~」 京太郎「ここは姫松の伝統通り洋榎さんで行きましょうか」 良子「江口選手もよいのでは?」 雅枝「私は園城寺がええな、そないに消耗させずに済むやろうし」 雅枝「洋榎に決定やな!」ウキウキ 京郁霞良(すっごく嬉しそう) 霞「次は副将ね、郁乃ちゃん辺りがいいかしら?」 郁乃「霞ちゃんに選ばれるってなんか嬉しいな~」 京太郎「俺は怜さんですかね」 良子「新道寺のように江口選手でどうですか?」 京太郎「無記名投票の結果、副将は怜さんになりました」 雅枝「須賀は園城寺のこと名前で呼んどるんやな」 京太郎「成り行きで……」 郁乃「京太郎くんは誰とでも仲良くなるからな~」 霞「そこが京太郎くんのいいところね」 良子「…………むぅ」 良子「なんか嫌だ……」 京太郎「次は……ってもう大将しかないですね」 雅枝「大将は勝負所やな、もう後が無い」 京太郎「一番重要ですね」 霞「これも最初は候補を絞りましょうか」 雅枝「大将は……お前が適任やな」 郁乃「え?私~?」 良子「ミートゥーです」 霞「でも私は……」 雅枝「自分の生徒が選ばれるんやから喜ぶべきやろ」 京太郎(そうだ……二人とも郁乃さんのことを知らないんだ) 京太郎「郁乃さんは……それでいいんですか?」 郁乃「……別に、大丈夫やで」 雅枝「決定やな」 オーダー 先鋒 荒川憩 次鋒 三尋木咏 中堅 愛宕洋榎 副将 園城寺怜 大将 赤阪郁乃 雅枝「次会うのは土曜日やな」 京太郎「あれ?そういえば国麻の会場って……」 霞「ここ、大阪よ。私たちは中心街の方のホテルを取ってあるわ」 京太郎「わかりました。じゃあ俺帰りますね」 霞「お疲れ様ー」 雅枝「ほな私らも帰ろか」 良子「イエスマム」 雅枝「……なあ、その呼び方やめてくれへん?」 良子「イエスマム」 【10月第4週 平日 深夜】終 【10月第4週 休日】 【国民麻雀大会1日目】 日程について 一日目 第一戦 二日目 第二戦 三日目 決勝戦 四日目 オフ 五日目 オフ 六日目 個人戦一回戦 七日目 個人戦二回戦 八日目 個人戦準々決勝 九日目 個人戦準決勝 十日目 個人戦決勝戦 ※個人戦は一位のみ勝ち抜け 京太郎「朝から現地入りだ!俺って偉い!」 京太郎「初戦は関東と東北、関西と九州だったな」 京太郎「試合は昼から見に行くことができるけど……まずは何をしよう」 朝 京太郎「試合会場の下見に行くか」 京太郎「確か試合会場は……」 哩「お、須賀じゃなか」 京太郎「白水さん、もう来てたんですね」 哩「昨日新幹線ば使うてな、須賀は……なしてここに?」 京太郎「大阪選抜のサポーターっていうかコーチみたいなことやってるんですよ」 哩「こっちはそげなんいなか……羨ましか」 京太郎「と言っても何もやってませんし……」 京太郎「そういえば鶴田さんはいないんですね、いつも一緒なのに」 哩「姫子ん奴ば「せっかく大阪に来たやけん買い物ば行ってきます!」言うてな……」 京太郎「試合開始は……あと4時間くらいですね、どうします?」 哩「ん……どうしよか」 京太郎「じゃあ探検でもしてみましょうか」 哩「探検?」 京太郎「俺もまだ入ったことないですし、どうですか?」 哩「……どうせすることもなか、よかよ」 京太郎「では行きましょうか、お姫様」 哩「調子ばよかね」 京太郎「よく言われます」 京太郎「哩さんはどこのポジションなんですか?」 哩「試合ば見てんからのお楽しみ」 京太郎「元々教えてもらえるなんて思ってませんでしたけどね」 哩「ここばステージと?」 京太郎「そうですね、団体戦の試合はすべてここでやるらしいですよ」 哩「興奮してきよったな!」 京太郎「俺もです!」 哩「願わくば明後日、ここでな」 京太郎「明日じゃないんですね」 哩「私らは強いけん、負けばせんとよ」 京太郎「俺たちも行きますからね!」 哩「うん、楽しみや」 哩「あ、そろそろ時間たい。ここまでやね」 京太郎「それではまた、どこかで」 哩「さいなら~」 京太郎「試合やってるらしいけど、情報無しっていうのも面白そうだよな」 京太郎「ってことで街をぶらつこう」 京太郎「どこ行こっかなー」 prrr prrr 京太郎「はいもしもし」 霞『京太郎くん?控室にお弁当運んでおいて、それじゃね』 京太郎「ちょっと待っ(プツッ)て!」 プーッ プーッ 京太郎「何なんだよ……」 【会場】 京太郎「お弁当って言ったって……」 『大阪選抜様』 京太郎「あ、あった」 京太郎「箱一個分か、軽いな」ヨッコイショウイチ 京太郎「えーっと俺たちの控室はーっと」キョロキョロ 京太郎「確かこっちかな?」 夕 ヴーッ ヴーッ 霞『第一戦、関東と九州が負けたわ』 霞『第二戦に備えて今夜練習をするからできれば来てちょうだい』 京太郎「照のところと白水さんのところが負けたのか!?」 京太郎「意外だな……って関西は高鴨さんと東北には姉帯さんがいるのか……誰に当たってもやばいな」 京太郎「街を回って帰るか」 京太郎「神頼みに神社に来てみたぞ!」 京太郎「でも結構寂しいところだな」 ヒュゥー 京太郎「巫女さん一人いねえや」 京太郎「おみくじもお守りも無人だし、不用心だろ……」 京太郎「おみくじでもしていくか」 京太郎「金入れて」チャリン 京太郎「箱の中からつかむ……っと」 京太郎「……おおっ!」 末吉 願望 叶う……叶います、多分 恋愛 鏡を見てから出直してきなさい 待人 来るんじゃないかな 金運 稼ぐ貴方に禍が!今すぐ本殿にある黄金の壺を買いましょう!(要十万円) 学力 信じる者は救われる 京太郎「学力の項目黄金の壺売ろうとしてんじゃねえか!」 京太郎「ホテルは……ここでいいんだな」 京太郎「部屋番号は404か、今回も誰かと一緒なのかな……」 京太郎「なんでまた一緒なんですかぁぁぁあああ!!!」 洋榎「それはウチの台詞やぁぁぁあああ!!!」 京太郎「…………」 洋榎「…………」 京太郎「異議申し立て、行きます?」 洋榎「もうええわ、いつものことやし……」 京太郎「俺も絹恵さんじゃなくて洋榎さんでよかったです」 洋榎「おっ、京太郎もようやくわかってきたな!」 洋榎「オンナは胸やない!度胸や!」 京太郎(そういうことだけどそういうことじゃないんだよなぁ……) 夜 京太郎「洋榎さーん!遊びませんかー!」 洋榎「京太郎は練習行かへんのか?」 京太郎「れ……練習……?」 洋榎「なんや知らんかったんか……来ないでええんか?」 京太郎「じゃあ行きます!」 洋榎「せやったらこっち来ぃや」 雅枝「明日はいよいよ初戦や!」 雅枝「負けたらそこでお終いやさかい、気張るようにな!」 雅枝「ほな練習開始や!」 雅枝「須賀ーこっちやこっちー」 京太郎「はいはーい、なんですか?」 良子「今日は京太郎に特訓をしようと思ってね」 京太郎「特訓っていつもやってるじゃないっすか」 雅枝「今まで蔑ろにしとった部分があったからな、ほな始めるで」 京太郎「あんまり厳しいのは御免ですよ」 良子「さあ、どうだろうね?」 京太郎「えぇぇ……」 雅枝「はいそこもっと腰振ってー」 良子「グッジョブグッジョブ」 京太郎「んっふっ!ふんっ!」ブンブン 雅枝「ええでー絶好調やでー」 良子「ガンバ!」 京太郎「あのーいつまで俺はフラフープを続けなければならないのでしょうかー」ブンブン 雅枝「私らのどっちかから和了るまでやなー」 良子「それロンだよ」 京太郎「くそぅ……これで八局目じゃないですか!」ブンブン 良子(京太郎の腹筋……逞しいな……) 雅枝「そう思うんやったら早く和了ることやなーはいローン」 京太郎「人和ってどんだけ無駄な運使ってんですか!」ブンブン 京太郎「疲れた……」 良子「大丈夫か?」 京太郎「もう眠いっすよ……ふぁ」 良子「そうか、じゃあ今日はもう諦めるか……」 京太郎「諦めるって、何をですか?」 良子「せっかくだから、京太郎にイイコトしてあげようと思ったのに……」 京太郎「イイコトですって!?」 良子「京太郎が疲れているんじゃしょうがないよな、(特訓は)また今度にしよう」 京太郎(疲れているとできないイイコト……はっ!) 京太郎「ヤります!ぜひヤりましょう!」 良子「大丈夫なのか?」 京太郎「ばっちり!オールライトですよ!」 良子「よし、それじゃあそこに座ってくれ!」 京太郎(座る!良子さんはそういうのが好みなのか!) 良子「はい、サイコロ振るよー」 京太郎「……えっ?」 京太郎(イイコトってそういうことかよ……期待した俺がバカだった!) 京太郎「……ポン」 良子(京太郎、元気無いな) 良子(マネージャー愛宕がいなくなったから?私と二人っきりだから?) 良子(京太郎は嫌なのかな……)シュン 京太郎「良子さん?どうかしたんっすか?」 良子「京太郎は私のこと嫌……!」 良子「わわわわっ!今の忘れて!フォーゲット!ドントリメンバー!」 京太郎「ええぇ!?何ですか一体!?」 良子「なんでもない!なんでもないよー」 京太郎「は、はぁ……」 【1日目】終 【2日目】 京太郎「国民麻雀選抜大会……」 京太郎「俺は皆の力になれたのかな?」 京太郎「今日は朝から練習するらしいけど、どうしよう」 京太郎「やっぱり練習に行くか」 洋榎「ぐごーごえー」 京太郎「相変わらず寝相悪ぃな……」 洋榎「ぐげー」 京太郎「洋榎さーん、練習行きますよー」 洋榎「んあ?」 京太郎「練習だけで起きるのかこの人!?」 京太郎「咏、調子はどうだ?」 咏「ま、上々なんじゃねえの?」 京太郎「いつも通りみたいだな」 咏「私がこんなところで緊張してられっかよ、そだそだ、一緒に打たね?」 京太郎「よし、俺がビシビシ鍛えてやる!」 咏「あっはっは、どっちが鍛えられんだろねー」 京太郎「何をー!」 咏「……」トン 京太郎「……」トン 咏「……」トン 京太郎「咏?」トン 咏「なんだよ」トン 京太郎「そこまで気を張らなくてもいいんだぞ」トン 咏「……」トン 京太郎「誰もお前を責めない、だからもっと自由にやればいいんだ」トン 京太郎「インターハイのときもそうだったろ?」 咏「……わかってるよ」トン 京太郎「頑張れよ」トン 咏「……」トン 咏「……ありがと」ボソッ 怜「京くん京くん」 京太郎「何っすか?」 怜「ちょっと私と打たへん?」 京太郎「打たへんって、試合前なのに大丈夫なんですか?」 怜「せやからちょっとって言うとるやん」 京太郎「んー……わかりました」 京太郎「俺で良ければ、いくらでも」 怜「そかそか、おおきに」 怜「……京くん」 京太郎「今度は何っすか?」 怜「なんでウチを選んでくれたんや?」 京太郎「え?」 怜「聞いたで、京くんもレギュラー決めに参加しとったんやろ?」 京太郎「ああ、知ってたんですか」 怜「監督から話を聞いた愛宕姉から話を聞いた愛宕妹から話を聞いた船Qが言っとったで」 京太郎「そういえば親戚でしたねあの人たち……」 怜「……ま、ええわ」 怜「誰かが信じてくれてるってわかったわけやしな」 バスガデルデー 怜「ほな頑張って来るわ」 京太郎「俺が応援してますからね」 怜「おおきに、ほな会場で」ニコッ ガチャ バタム 京太郎「……あれ?」 京太郎「バス……会場で……って!」 京太郎「俺って徒歩なの!?聞いてないよそんなの!」 京太郎「いや!今ならバスに追いつくかも!」 京太郎「うおおおおおおおおお!」 恒子「っっっっっ!さあ!やってまいりました国民麻雀大会!地区選抜団体の部!」 恒子「注目の第二戦目!実況は私!解説は関西チームコーチ瑞原プロがお送りします!」 はやり「よろしくお願いしますっ☆」 恒子「ホントはすこやんがいるはずだったんだけど負けちゃったので急遽瑞原プロに代わっていただきました」 はやり「そういうのは反感を買っちゃいますよ」 恒子「いやいや、天下のスーパーアナウンサーとトッププロに喧嘩を売るやつなんていないでしょう」 はやり「あ、それもそうですね」 恒子「というわけでバンバン実況していきます!」 はやり「解説していきますっ☆」 恒子「CMの間もチャンネルはそのままで!」 健夜「はぁ……」 健夜(こーこちゃんってばまたあんなこと言って……)ズーン 照「…………」ペラッ 照(咲と憩……それに神代さん、か) 菫「……はぁ」 菫(私が大量失点したせいであんなことに……)アウアウ 淡「…………」 淡(さんがまき!今度は負けない!)オー! 智葉「…………」 智葉(静かだな……) 小蒔「み、みなさん!今日も頑張りましょうね!」ムフー 哩「頼りばしとるとよ」 小蒔「いえ、私は昨日も大したことは」アセアセ 姫子「部長、浮気しとっとですか?」ジトッ 初美「とりあえず頑張るですよー」 小蒔「監督も何か一言!」 秋一郎「…………」 秋一郎「プリン食べたい」ボソッ 小蒔「プ、プリンですか!私も食べたいです!」 初美「勝ったらみんなでプリン食べに行きますよー」 咲「あううう、もうすぐ試合だよぉ」 衣「海千山千、実に楽しみだ試合だな!」 美穂子「ではその前にお弁当でも、どうですか?」 衣「おお!衣の大好きなえびふらいがあるぞ!」 透華「いつも衣のためにありがとうございます」 美穂子「いえいえ、こうして衣ちゃんも喜んでいることですし」 衣「ふぁひふぁはへはいほは?」(咲は食べないのか?) 咲「えーっと、じゃあ私はタコさんウインナーにしますね」 美穂子「はい、どうぞ」ニコッ 郁乃「ほな頑張っていこか~」 憩「照ちゃんたちが相手やんな」 洋榎「打ちだおれの洋榎にかかればそんなん関係あらへんわ!」 咏「誰が相手でも勝てばいいだけなんじゃねえの?知らんけど」 怜「竜華の太ももが恋しいわ……」 洋榎「ウチが膝枕したろか?」 怜「妹さんのなら喜んでしてもらっとったけど……アンタはな……ふっ」 洋榎「鼻で笑われた!?」 京太郎「はいはい皆さん、集中していきますよ」 洋榎「なんや結局着いたんか」 京太郎「ダッシュで来たんですよ!」 郁乃「おかしいな~バスで行くって昨日メールしといたはずなんやけど~」 郁乃「送れとらんかったわ、てへっ」 京太郎「てへっ、じゃないですよもう!」 京太郎(お守りと、あのときの藁人形) 京太郎(ゲン担ぎに渡しておくか) 京太郎(……藁人形は縁起悪いけど) 京太郎「憩さん!」 憩「なんや?」 京太郎「これ、お守りです。いざというときに役に立つと思うので」 憩「京太郎くんのやないん?」 京太郎「俺はもういいので、憩さんに持っていてほしいんです」 憩「大事にするな、おおきに!」ニコッ 京太郎「怜さん怜さん」つ藁人形 怜「なんやこれ、ボケか?ボケなんか?」 京太郎「お守りです」 怜「正反対やないか、縁起悪いわ」 京太郎「ふふっ、そのツッコミは想定内ですよ!まだまだですね!」 怜「むっ、京くんのくせに生意気やで」 京太郎「まあ相手の髪の毛取ってこの釘刺しておけばいいだけなんで」 怜「さらっとえげつないこと言うな……」 憩(先鋒戦……九州と関東の代表は確か――) 淡「あ!ケイだ!」 初美「こんにちはーですよー」 淡「また高校マイナス百年生とかー」 初美「マイナスってなんですかマイナスって!私の方が年上なんですよー」エッヘン 淡「どう見ても年下でしょ」 憩「そろそろ時間やし、はよ席座っといたほうがええんとちゃう?」 初美「そうですねー、中部の人はまだなんですか?」 淡「この私におびえて逃げ出したとかでしょ、あはは」 タッタッタッ 美穂子「はぁ、はぁ、すみません、遅れてしまいました」 美穂子「今日は、はぁ、よろしくお願いします」 憩「違ったみたいやね」 淡「むぅ……」 初美「中部の人も来たことですし、ぱぱっと始めるのですよー」 東一局 親 初美 100000 憩 100000 淡 100000 美穂子 100000 美穂子(関東と九州は後が怖そうだから、まずは大阪の人を) 美穂子「カン」 美穂子「ポン」 美穂子(あ、あら、ツモっちゃいました) 美穂子(でも、先手を取るのもいいですね) 美穂子「ツモ、4000・8000」 美穂子(……そして) 憩(なんでウチが親の時に……) 初美(私の出番なのですよー) 東二局 初美 92000 親 憩 96000 淡 96000 美穂子 116000 淡(北が余っちゃうなー) 淡(ハツミが北家……そんでもって和了られたら役満) 淡(ちょっとやばい気がするけど……) 淡(それでも、私は和了にいく!)トン 初美「ポンですよー」 初美(後は東さえ来れば) 初美(そう言ってる間に来ましたねー) 初美「カン!」 初美(昨日は不発でしたけど、今日はもらいますよー) 初美「ツモ!8000・16000!」 憩「親っ被りか……」 美穂子(大阪の人……危なさそうね) 東三局 初美 124000 憩 80000 親 淡 88000 美穂子 108000 淡「ロン、2900!」 淡「やられっぱなしなんてやだもんね!」 淡「連荘だよ!」 憩(全然聴牌できひん……) 憩(いや、まだまだや!) 憩(みんなにつなげたる!) 東三局一本場 初美 121100 憩 80000 親 淡 90900 美穂子 108000 美穂子(まずはここ、かしら?)トン 憩「それ、ポンで!」 淡(鳴かれると関係なくっても腹立つ……) 美穂子(大星さんはもう張ったみたいね、これなら大丈夫かしら) 憩(なんやろ、調子がええ) 憩(鳴けるし、牌も通るし) 憩「いっこ、カン!」 初美(順番飛ばされてばっかりなのですよー) 初美(ちゃんと私も混ぜてほしいですねー)トン 憩「ロン、6400や!」 東四局 初美 114400 憩 86700 淡 90900 親 美穂子 108000 美穂子(荒川さんは……染め手、みたいね) 美穂子(でも打点も高そう……) 憩「……」トン 美穂子(そうね……ここは) 美穂子「ポン」 初美(このまま逃げ切るですよー)トン 憩「ロン、24000や!」 初美「ななっ!?」 淡(うーん……三位かー) 淡(このまんまじゃカッコ悪いでしょ!) 【圏外射撃】発動! 南一局 親 初美 90400 憩 110700 淡 90900 美穂子 108000 淡「ツモ!ダブリー裏4!」 淡「3000・6000!」 初美「うう……」 初美「次はもらうのですよー!」 憩(このまんま逃げ切れたらええんやけど……) 美穂子(ここさえ乗り切れば……) 南二局 初美 84400 親 憩 107700 淡 102900 美穂子 105000 美穂子(東が二枚) 美穂子(薄墨さんは東と北で鳴いたら終わり、ならここはキープしておきましょう) 初美「カンですよー」 初美(後は東さえ来てくれればいいのですけど、持たれちゃってるみたいですからねー) 初美(ここは、混一色狙いで!)トン 初美「ツモ!北混一色」 初美「2000・4000」 淡(最後の親、ここで決めちゃうよ!) 【圏外射撃】発動! 南三局 初美 92400 憩 103700 親 淡 100900 美穂子 103000 美穂子(大星さん……また高そうな手) 美穂子(薄墨さんか荒川さんが振り込むのは可哀想……) 美穂子(それなら、私が)トン 淡「ロン!18000!」 美穂子「はい」ニコッ 南三局一本場 初美 92400 憩 103700 親 淡 118900 美穂子 85000 初美(あうう、役満和了ったのにマイナスなのですよー……) 憩(また聴牌できひんかった……) 美穂子(そろそろ……和了りにいきましょうか) 美穂子「ツモ、4100・8100」 オーラス 初美 88300 憩 99600 淡 110800 親 美穂子 101300 初美(ノーテンですかー) 初美(親の人が和了るのを待つしかないですかねー) 憩(あかん……ぜんっぜんダメや……) 淡(もっと稼ぎたかったけどここまでかなー) 美穂子(え、えーっと……これは……) 美穂子「ノーテン」 初美「ノーテン」 憩「ノーテン」 淡「ノーテン」 先鋒戦終了 関東 110800(+10800) 中部 101300(+1300) 大阪 99600(-400) 九州 88300(-11700) 京太郎「これで終わり……ですか?」 雅枝「あんまり点動かんかったな」 良子「ドライな幕切れだね」 京太郎「次は咏だな、頑張れよ!」 咏「おう!わかってるよ!」 京太郎「それじゃ、ちょっとトイレ行ってきますね」 雅枝「……はぁ」 京太郎「今まで先鋒戦が長かったせいかあんま出なかったな」 淡「あ!京太郎だ!」 京太郎「お、淡か」 淡「見てた?今の試合!」 京太郎「相変わらずのダブリーだったな」 淡「でしょでしょー、もっとどばーっと稼ぎたかったけどね!」 京太郎「見てて面白かったぞ、最後はまあアレだったけど」 淡「うん……私も同じ」 京太郎「またお前と打ちたいな」 淡「今度は打ちのめしてあげるから!」 京太郎「へへっ、俺だって強くなってんだぜ!」 淡「さーどーかなー」 京太郎「なんだと?」 淡「あはは!京太郎が怒ったー!」 京太郎「待てこらー!」 淡「やーだねー」 憩(試合会場で何しとるんやあの二人) 哩(点数ば開いとるけん、なんとかして稼ぐ!) 菫(照の妹がいる中部をマークしておくべき、か) 咏「よーっす、よろしくねぃ」 菫「ああ、よろしく」 もこ「……………………」ブツブツ もこ「…………よろしく」ボソッ 咏 100000-100000*205/209=100000-98100=-1900 菫 100000-100000*227/209=100000-108200=8200 もこ 100000-100000*216/209=100000-102800=2800 哩 100000-100000*190/209=100000-90900=-9100 次鋒戦終了 関東 119000(+8200) 中部 104100(+2800) 大阪 97700(-1900) 九州 79200(-9100) 【次鋒戦での一幕】 もこ「…………」 咏(なんだこいつ) 咏(なんか力が出ねえ……しらんけど) 菫「ロン、3900」 哩(縛りばうまくいかん……) 姫子(部長ば稼げんかった分、私が稼ぐ!)フンス 智葉「よろしく頼む」 透華「中堅戦こそは私が勝ってみせますわ」ファサ 洋榎「けったいな髪形しとんなー」 透華「な、なんですのいきなり!」 智葉「試合前なんだから集中したらどうだ」 洋榎 100000-100000*217/196=100000-110700=10700 智葉 100000-100000*193/196=100000-98000=-2000 透華 100000-100000*182/196=100000-92300=-7700 姫子 100000-100000*195/196=100000-99000=-1000 中堅戦終了 関東 117000(-2000) 中部 96400(-7700) 大阪 108400(+10700) 九州 78200(-1000) 【中堅戦ダイジェスト】 洋榎「出鼻くじきリーチ!」 智葉「くっ……」 姫子「ツモ!2000・4000!」 洋榎「何やと!?」 透華(このままだと何も目立てないまま終わってしまいますわ!) 透華(おいでまし!) 透華「ロン!12000!」 智葉(私も負けていられるか!) 智葉「ロン、16000」 洋榎(三人がかりでそこまでウチを狙うんか……まあええわ、見せたる!) 「――――――ツモ!」 怜(……竜華) 怜(ウチ一人でも頑張って来るわ) 怜(……いや、一人やなかったな) 怜(荒川さんに咏ちゃん、愛宕さん、赤阪さんやっておるんや) 怜(私、ここまで来れたんやな) 美子「あ……よろしくお願いします」 怜「こちらこそよろしくお願いします」 絃「……よろしくお願いします」ズーン 怜「あんた、関東の霜崎さんやったっけ?なんでそんなに暗いんや?」 絃「……さっき自販機に五千円札を飲まれてしまったんです……」 怜「一葉さんが!?」 美子「誰だってそんくらいのことはあっとですよ」 絃「そう……ですか?」 怜(いやあり得へんやろ……) 衣「待たせたな魑魅魍魎!永久凍土よ!」 絃「永久凍土?」 美子「魑魅魍魎って悪か意味でしたよね?」 怜(面子濃いなぁ……) 怜(この藁人形、使ってみよ) 怜「天江さん?髪にゴミついとるで」 衣「何処にだ?」 怜「ちょっと待っててな、取ってあげるわ」プチッ 怜(綺麗な髪の毛やな……) 怜(これを人形の中に入れて……) 怜 100000-100000*269/212=100000-126900=+26900 絃 100000-100000*238/212=100000-112300=+12300 衣 100000-100000*196/212=100000-92500=-7500 美子 100000-100000*147/212=100000-69300=-30700 副将戦終了 関東 129300(+12300) 中部 88900(-7500) 大阪 135300(+26900) 九州 47500(-30700) 【副将戦】 怜(あとは釘を刺せばええんやっけ?)トントン 衣「うぐぅ……」 衣(何だこれは……ァ) 衣(不可思議、奇奇怪怪……) 絃(今日も私は不幸ですか、そうですか) 絃(はぁ……) 美子(何ば起こっとると?) 美子(テンパイができん……) 怜「ロン、16000」 怜(まだや!みんなと、まだ戦うんや!) 恒子「さあいよいよやってまいりました大将戦!」 恒子「果たして最終戦まで駒を進めるのはどの地区なのか!」 恒子「それでは大将の選手紹介だ!」 恒子「まずは九州選抜!」 恒子「トップと約八万点差!この逆境から立ち直ることができるのか!」 恒子「大将は!神代小蒔ー!」 はやり「胸とトンデモ火力に要注意ですね」 恒子「お次は現在三位!無事最終戦進出となるか!」 恒子「中部選抜大将はーっ!」 恒子「宮永咲ー!」 はやり「全てにおいてバランスのとれた選手ですねっ☆」 恒子「そしてそして!逃げ切れるのか大阪選抜大将!」 恒子「赤阪郁代ー!」 はやり「よくわからない、掴めない子ですよね」 恒子「個人戦以来の姉妹戦を制するのはどちらなのか!」 恒子「関東選抜大将はーーーーぁっ!」 恒子「宮永ー!照ぅー!」 はやり「CMの後もチャンネルはそのままでっ☆」 郁乃 100000-100000*206/291=100000-70800=-29200 照 100000-100000*341/291=100000-117200=+17200 咲 100000-100000*324/291=100000-111300=+11300 小蒔 100000-100000*293/291=100000-100700=+700 第二戦目終了 関東 146500(+17200) 中部 100200(+11300) 大阪 106100(-29200) 九州 48200(+700) 郁乃「ツモ、2600オール」 照(郁乃……) 照(たとえあなたが相手でも) 照(容赦はしない)ゴッ 照「ツモ、400・600」 照「ロン、2600」 小蒔「あっ、はい……」 照「ロン、5800」 照「ツモ、3300オール」 照「ロン、12600」 小蒔「……っ」ジワッ 小蒔(このまま、負けっぱなしなんて……) 小蒔「…………」スゥ 【娘よ、力を授けるぞ】 【存分に戦え】 【不完全なその器でな】 「――――ツモ」 小蒔「4300・8300」ゴッ 咲「カン」 咲(赤阪さんに神代さん、そして……) 咲「カン」 咲(お姉ちゃん) 咲「カン」 咲(今日は負けない) 咲「もいっこ――」 咲(負けたくない!) 咲「カン!」 咲「ツモ、8000・16000」ゴッ 郁乃(なんで……なんで) 郁乃(みんな私のことを信じてくれとったのに……) 郁乃(なんで、何もできないんや!) 郁乃(私やって、まだ!) 照「……ツモ」 恒子「大将戦、決着ー!」 恒子「最終戦へと駒を進めたのはァー!」 恒子「王者宮永照擁する関東選抜!」 恒子「そして、荒川憩、愛宕洋榎のダブルエース!大阪選抜だー!」 京太郎「5900点差、ですか」 雅枝「赤阪があそこまで荒れるんは意外やったな」 霞「滅多にないのに……」 良子「他の三人がクレイジーだったんでしょう」 雅枝「……今夜の練習で見てみよか、とりあえず今は帰らんとな」 雅枝「一時間後、会場前で集合や」 雅枝「それまでは自由時間、好きにしてええで。ほな後で」 ガチャ バタム 京太郎(自由時間か……) 京太郎(会場の中でもうろつこう)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6397.html
【5月第1週 平日】開始 朝 京太郎「今日こそは誰かと一緒に行くぞ!」 京太郎「お、スキップしながらいけば誰かがはなしかけてくれるんじゃないか?」 京太郎「そうと決まれば実践あるのみだ!」 京太郎「~♪」 ヒソヒソ ナンヤアレ キチガイガキタデー ウワァ 京太郎「白い目で見られた……」 昼食 京太郎「屋上で食べてみるか」 京太郎「空がきれいだなぁ」 バタム! 部員A「どこだっ!」 部員C「どこにいるっ!」 部員B「池田部長から連絡!中庭にターゲットありとのこと!」 部員A「了解!直ちに向かう!」ザッザッ バタム! 京太郎「なんだったんだ今の」 京太郎「放課後は何をしようかな」 京太郎「街に行くか」 京太郎「ゲーセンに行くか、前は楽しめなかったからな」 照「ようやく初めてを捨てられる」 京太郎「そう!今日こそはゲーセン童貞を捨ててやるぜ!って、照!?」 照「イエス、照デェす!」 京太郎「あーはいはい」 照「もう少しノッてくれてもいいんじゃないかな、ゴールドフレイムマスターさん」 京太郎「やめろ!その名を呼ぶな!」ハズカシー 照「ふふっ、やっぱり京は面白いや」 京太郎「で、照はここに何をしにきたんだ?」 照「雀荘に行こうとしたら迷っちゃった」テヘペロ 京太郎「お、おう…じゃあ俺と遊んで行くか!」 照「うん!」 夕 京太郎「公園で少し休むか」 京太郎「公園に来たぞ!おや、あれは」 怜「抜き足差し足忍び足」コソコソ 京太郎「怜さーん!何してるんですかー!」 怜「ちょっ、黙っとれ!」 京太郎「うわ!」ガサガサ トキードコヤートキー 怜「ふう、ようやくいなくなったみたいや。お、ごめんな」 京太郎「後頭部痛いです……」 京太郎「今のは清水谷さんですか?」 怜「せや、竜華は過保護やねん」 京太郎「それで、園城寺さんは何をしているんですか?」 怜「私はアレや、ちょっと休みにな。いや、サボっとるわけやないで、病弱やからな」コホッコホッ 京太郎「はあ、わかりましたよ」 怜「じゃあ膝まく「清水谷さーん!こっちに園城寺さんがいますよー!」 怜「ちょっと待てや!」 竜華「やあ怜、ここで何しとるん?」ニコッ 怜「いやな、これはな、ちゃうねん。ちょっと待ってーや、話合えばわかるはずや、な?」 竜華「はいはい、それじゃあ帰るでー」 怜「須賀くぅん」ウルウル 京太郎「そんな目で見てもだめです、確かに可愛いですけど」 怜「か、かわい?」 竜華「ほな行くでー」 怜「いやああああああ」ズルズル 京太郎「麻雀してないときは元気だな」 京太郎「さて、そろそろ寝ますか」 ヴヴヴ 京太郎「お、メールだ。霞さんからだ、なになに…」 『明日から千里山と2泊3日の合宿を行うので8時に私の家の前に集合ね!』 京太郎「明日!?いきなりすぎるだろ!?」 ヴヴヴ 京太郎「またメールだ、次は…母さんからか」 『調子はどうですか?私は元気です。たまには実家にも顔を出しなさい』 京太郎「実家か…暇があれば帰ってみるのもいいな」 【5月第1週平日】終 【合宿1日目】開始 ピピピピピ 京太郎「ん、もう朝か……ってまだ6時半じゃねえか」 京太郎「もう1回寝よ」 京太郎「おはよーございまーす!」 京太郎「あれ、誰もいないや」 京太郎「しょうがない!俺が起こしに行こう!」 京太郎「よし!霞さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は我らが大家、石戸霞さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 霞「う…う……」ネガエリ 京太郎「見ましたか!今のおもち!じつにすばらです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、霞さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、俺の初めてを捧げて、霞さんを起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「失礼しまーす」 チュッ 霞「ん……」 京太郎(フレンチキスなう) 霞「ん……」パチッ 霞「……」 霞「~~!///」 京太郎「ぷはっ……」 霞「ふぁっ……」 京太郎「ドッキリ、大・成・功!」テッテレー! 霞「…ちょーっと京太郎君?人の家で何をしているのかしら?」ピキピキ 京太郎「須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!をしているだけですが?」つ看板 霞「大成功じゃ、ないわよ!」 京太郎「そっ、そこは……!らめっ!」 デデーン 須賀 OUT 霞「私の初めてだったのに……」グスッ 京太郎「ごめんなさい、もうしません」 霞「ごめんじゃすまないわよ…」 京太郎「ごめんなさい、なんでもしますから!」 霞「もう一人にさせて……」 京太郎「本当にごめんなさい」 京太郎「あれ、まだ誰もいないや」 京太郎「よし!また起こしに行こう!」 京太郎「よし!咏を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part2】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今度は我らがロリ枠、三尋木咏さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 咏「うーん……もうたべられねーよー」 京太郎「聞きましたか?今の寝言!じつにかわいいですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏を起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏を起こしまーす」 京太郎「えい!」ギュッ 咏「ムグッ…」 京太郎「もう片方も、えい!」 咏「うぅ…」 咏「うう……」パチッ 咏「あえ、ひょうはほうははひひへふふは?」(京太郎はなにしてるんだ?) 京太郎「ドッキリ、大成功!」テッテレー 咏「はへ?」 咏「はんはははっんへぇへほ、ははひへふへはい?」(なんかわっかんねぇけど、放してくれない?) 京太郎「嫌です」ニマァ 咏「~~~~~!」 京太郎「はぁ…はぁ…」アセビッショリ 咏「はぁ…はぁ…」フクミダレ 京太郎「もう、出し切ったぜ…」 咏「先に外にいてくれ」 京太郎「あれれー?まあだ人がきてないぞお?これはしょうがないよね!」 京太郎「」ゾクッ 京太郎「やっぱり行くのやめよーっと(震え声)」 憩「おはよーさーん」 エイスリン「オハヨウ!」 照「おはよう…」ウツラウツラ 咏「おはよー」 霞「おはよう」 京太郎「おはようございます!」 霞「」ツーン 咏「///」カァァ 憩「ねぇ、京太郎君何かしたん?」ヒソヒソ エイスリン「ワカラナイ」ヒソヒソ 【合宿初日 朝】終 【千里山】 京太郎「ここが千里山女子かぁ~」 キャッキャウフフ キマシタワー アッー 京太郎「やっぱり女子高っていいよな!」 照「共学の女の子もいいと思うの」 京太郎「女子高には、共学とはまた違った良さがあるのですよ!」フフン 霞「はぁ…」 エイスリン「カスミ、ゲンキダシテ!」カキカキ エイスリン「ネッ!」バッ |チアガールエイスリンの絵| 霞「ありがとうね…エイスリンちゃん」ナデナデ エイスリン「エヘヘ」 霞「そういえば、千里山の人が私たちを迎えにくるはずなのだけれど…遅いわね」 憩「咏ちゃんは京太郎君となにかあったん?」 咏「いや~朝から少し激しくヤッちゃってねぃ~」 憩「ヤ、ヤッた!?な、何をや!」 咏「何ってそりゃあ…知らんし」ポッ 憩「何…ナニ?京太郎君と咏ちゃんが…?」 憩「いやあああああああ!」 咏(こらえろ、こらえるんだ三尋木咏!)ププッ ?「あのー」 浩子「あのー、アンタら、三箇牧高校の人やろ?」 霞「あら、浩子ちゃんじゃない!」 浩子「石戸さんですか?お久しぶりです」 霞「ということは、浩子ちゃんが私たちを迎えに来たの?」 浩子「そうです。おば…監督に言われたんで」 浩子「それじゃあ皆さんこちらへ」 【宿舎】 浩子「ここがアンタらの泊まる場所や、ちなみに全部1人部屋やで。合宿中はウチらレギュラーメンバーも泊まってます」 京太郎「学校の近くに合宿所なんてあるのか」 憩「名門千里山の名は伊達やないっちゅうことやな」 照「そういえば、風呂ってどうなっているんですか?」 浩子(チャンピオンが大阪に来たって噂は本当やったんか…) 浩子「そこの男子には我慢…なんてことはしたくないんで、予め入浴時間を決めておきました」 浩子「朝食と夕食はここの食堂で食べられますが、昼食は適当に自分らで食べてください」 浩子「説明は以上ですね、質問はありますか?」 浩子「無ければ自分の部屋に荷物を置いてきてください、部室に案内しますので」 【部室】 浩子「ここが我が麻雀部の部室です」 憩「わぁ、広いなー」 咏「うわ、この部屋の卓全部全自動卓なのかよ…」 エイスリン「スゴイ!」キラキラ 雅枝「おお、石戸もう来とったんか」 霞「お久しぶりです、監督」 雅枝「なんや、顔色悪いなあ、なんかあったん?」 霞「いえ、大丈夫ですよ!」 ~部員の自己紹介とかはキンクリ~ 霞「これでこちらの部員は全員です」 雅枝「ほなまずはお互い2VS2で打ってもらおうか」 京太郎「さて、俺は誰と打とうかな」 怜「須賀君、打つ相手いないん?」 京太郎「はい、そうなんですよ」 怜「じゃあ私と一緒に打たへん?昨日の恨みはらしたるわ」 憩「えーなになに?京太郎君は怜ちゃんと打つん?ならウチも入れてー」 船Q「それならウチもいいですか?」 怜「お、これで4人揃ったな。ほな始めよか」 開局 浩子(この金髪男…気になりますね、少し様子を見てみますか) 【分析】発動! 浩子(張っているようですから、このへん) 京太郎「それです、ロン!12000」 浩子(ふむふむ) 東2局 船Q 13000 親 怜 25000 京太郎 37000 憩 25000 全員ノーテンのため、流局 東3局 船Q 13000 怜 25000 親 京太郎 37000 憩 25000 京太郎(なんだ…船久保さんに何か手を封じられてる気がする…) 憩(さて…と) 【孔穿つ閃光】発動! 怜(憩は…張ったか) 怜「よし…」キィィィン 【先読み】発動! 倍満→5200 憩「お、それロンや、5200よろしくな」 東4局 船Q 13000 怜 25000 京太郎 31800 親 憩 30200 全員ノーテンのため、流局 京太郎(どんどん聴牌から遠ざかっていっている気がする…) 怜(聴牌できへんなー) 浩子(いいデータが取れました) 憩(親なのにぁ) 終局 1位 京太郎 31800 2位 憩 30200 3位 怜 25000 4位 船Q 13000 京太郎「おつかれさまでしたー」グデー 怜「おつかれやー」グダー 憩「なんや、そうやっとると二人ともなんか似とるなぁ」 浩子「おつかれさまでした。須賀君といいましたか…中々面白いですね」 京太郎「昼飯でも食べに行くか」 京太郎「来る途中にそば屋があったからそこに行くか」 憩「京太郎君どこ行くんー?」 京太郎「昼飯を食べにそば屋に行こうかと」 憩「じゃあウチもついて行っていい?」 京太郎「もちろんですよ、それじゃあいきましょうか」 メニュー アカマムシそば 激辛そば 千里山そば Vやねん!姫松!そば 桜そば 全て800円均一 京太郎「憩さんは何を頼むんですか?」 憩「んー、ウチは激辛そばやな」 京太郎「辛いもの好きなんですか?」 憩「極端な味のものは全部好きやで」 憩「で、京太郎君は何にするん?」 京太郎「この、Vやねん!姫松!そばっていうのが気になるんで、これにします」 オマタセシマシター 京太郎「うわ、なんだこれ…赤い麺、黒い麺、青い麺、紫色の麺、金色の麺」 憩「うわ…すごいなそれ。リボンみたいなえび天に、なんかクルクルしとる天ぷらに、おもちに、これは…ハンバーグ?なんでこんなんが乗っとるんや……」 京太郎「……覚悟を決めますか」ズルズルッ 憩「どうなんや?」 京太郎「……」 京太郎「おいしい!」テーレッテレー 京太郎「なんかよくわからないですけど、おいしいですよこれ!」ズルズルッ 憩「そ、そうなんか…」 京太郎「ボリュームもたっぷりだったし満足満足!」 京太郎「昼は何をしよう」 京太郎「特訓をしよう!」 京太郎「ヘイ、テルー!」 照「ナニカヨウデスカー?キョウ!」 京太郎「ミートトックンシーマセンカー?」 照「オーイイデスネー」 照京「「HAHAHAHA!!」」 京太郎「ハァハァ」 照「オヤー、コンナトコロデオワリデスカー?」ギュルギュル 京太郎「ノリが疲れる…」 照「ダイジョーブソウナノデマダマダイッキマース!」ギュルンッ 京太郎「」チーン 照「科学ノ発展ニ犠牲ハツキモノデース」 京太郎「夕方は何をしよう」 京太郎「霞さんと話そう」 【部室】 京太郎「あれ、霞さんはいないんですか?」 咏「また1人にしてくれって言って宿舎に戻っていったぜぃ~」 京太郎「わかった、ありがとう」 【宿舎】 京太郎「霞さんの部屋は…ここか」 京太郎「霞さーん」コンコン シーン 京太郎「入りますよー」ガチャ 京太郎「霞さ…」 霞「すぅ……すぅ…」 京太郎「寝ているのか…どうしよう」 京太郎「ドッキ…いや、起きるまで待とう」 霞「すぅ…」 霞「ん……」 霞「あれ…京太郎君、どうしたの?」 京太郎「謝りに…来ました」 霞「あや、まりに…?」 京太郎「はい」 京太郎「霞さんの、いえ女性の大事な物を奪ってしまって申し訳ありませんでした」ドゲザー 京太郎「部員が4人集まって、霞さんも顧問になってくれて…」 京太郎「初めての合宿で、俺…興奮して夜も眠れなかったんです」 京太郎「だから!」 京太郎「すいません、テンション上がってて調子に乗ってました!」 京太郎「霞さんの気持ちも考えないで、悪ふざけでキスなんかして本当にすみません」 京太郎「嫌だったでしょう?好きでもない男にキスされて」 京太郎「本当にすいませんでした…」 霞「…じゃないわよ」 京太郎「え?」 霞「嫌じゃないわよ…京太郎君だったんだもの」ボソッ 霞「よし、それじゃあ京太郎君が私に誠意を見せてくれたら」 霞「お互いにこのことは忘れる、ということにしましょう!」 京太郎「ありがとうございます!」 霞「それじゃあ京太郎君には」 霞「私に1日料理を振る舞いなさい。合宿が終わった後で」 京太郎「それで、いいんですか?」 霞「いい、とは言ってもまた同じことを別の人にしたら許さないからね!」 京太郎「はい!」 京太郎「許してもらえてよかったな」 京太郎「さて、次は何をしよう」 夜 京太郎「また照と特訓しよーっと」 照「なに、また特訓?」 京太郎「おう!早く照に追いつきたいからな」 照「もう、京ったら」ポッ 照「いっくよー!ギュルギュルじゃんけん!じゃんけん」ギュルギュルギュル 照「グー!」ギュルギュルギュルギュルギュルギュル 京太郎「ちょっと待ってくださいよー!」 ドゴーン 京太郎「これが…これが貴様の力…か……」マッシロ ―――――――――――― 京太郎「風呂の時間だ!」 京太郎「だがしかし一人風呂か…」シュン カポーン 京太郎「露天風呂まであるのか、たまげたなぁ」 京太郎「よっと」 京太郎「ああ~癒される~」 ガララッ 京太郎「え?」 憩「お、露天風呂まであるんか、こりゃええわ」 京太郎(こ、この声は憩さんか?なんでここにいるんだ)イワカゲニカクレ 憩「貸切や!泳ぐでー!」タオルバサッ 京太郎(おいおいウソだろ) 憩「いい湯や~」ヒラオヨギ 京太郎(見つかりませんように!) 京太郎「あ」 憩「え」 憩「はえ?」 憩「な…なんでここにおるん?」 京太郎「今は俺の入浴時間ですからね」 憩「え、あれ?」 京太郎「そんなことより早く隠してください、際どいんで」メソラシー 憩「え?……~~~~~!」カァァァ 憩「」ササッ 憩「」タオルソウチャク 憩「…見た?」 京太郎「ギリギリ見えてないのでご安心を…(震え声)」 憩「そ、そうか……ならよかったわ」ハハハ 京太郎(少し先っぽが見えていたのは黙っておこう…) 京太郎「さて、深夜だ!」 京太郎「なにをしよう!」 京太郎「憩さんとお菓子を食べよう!」 京太郎「何を持っていこうかな」 京太郎「ポッキーを持っていこう」 京太郎「あっらかわさーん、あっそびましょ!」 憩「う!京太郎君!」 京太郎「そんな身構えないでくださいよ、俺を信じてください。友好の証に、これを」つポッキー 憩「おお!ポッキーや!」バッ 京太郎「させるか」パッ 憩「うぅ…なんでそんなことするんや!早く頂戴!」ピョンピョン 京太郎(そ、そんな薄着で跳ねられたら…見えてしまうじゃないか…)ゴクリ 京太郎「それじゃあまずは部屋にあげてもらいましょうか」 憩「んー、麻雀が上手くなる方法かー」ポリポリ 京太郎「はい、どうやったら上手くなれるかなーって」 憩「緊張しないことやないのかな、緊張しないで昔、初めて麻雀をしたときのことを思い出しながら打つ」 憩「そんなことをしとったらウチは上手くなっとったな」 京太郎「初めて打ったときの感情……」 京太郎「緊張しない……ですか」 京太郎「なんだかわかったような気がします!ありがとうございました!」 【合宿1日目】 終 【合宿2日目】 京太郎「ふぁぁぁ」 京太郎「さて、と朝食は何時からだったっけ」 京太郎「8時からか…今は…7時か」 京太郎「よし、みんなを起こしに行こう!」 京太郎「よし!船久保さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part3】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は!千里山の参謀、船久保浩子さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 船久保「どうや…ウチがいちばんや…」ドヤァ 京太郎「今のドヤ顔、じつにすばらです」ヒソヒソ 京太郎「それでは、船久保さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、千里山の監督の真似で、船久保さんを起こしたいと思いまーす」 京太郎「あーあーっー」ウラゴエ 京太郎「よしっ」ヒサカワヴォイス 京太郎「起きろー浩子、起きんとどうなるかわかっとるやろな?」 浩子「ん……」 浩子「…ん、あと5分待って…おばちゃ……須賀君?」 京太郎「ドッキリ!大成功!」テッテレー 京太郎「どうでしたか、ドッキリの感想は?」 浩子「そうですね、須賀君の物まねがなかなか上手でしたね…って」 浩子「勝手に人の部屋に入るなー!」ウガー 京太郎「次は誰を起こそう」 京太郎「よし!エイスリンさんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part4】デデーン! 京太郎「今回は!我らが大天使、エイスリン・ウィッシュアートさんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ エイスリン「ン…モウニガクテノミコメナイよ…」Zzz 京太郎「どうですか、この笑顔!まさに大天使、すばらです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、エイスリンさんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、エイスリンさんを起こしまーす」 京太郎「えい!」ツンツン エイスリン「ンッ…」 京太郎「もう片方も、えい!」ツンツン エイスリン「アッ…」 エイスリン「エヘヘ…モットヤサシク……」Zzz 京太郎「どうやら、まだ起きないようです!それでは次に行きましょう!」ヒソヒソ ツンツン 京太郎「次は、前世での出会いと、未来の君を思いながら、この言葉にありったけの魔翌力を込めてエイスリンさんを起こしたいと思います!」ヒソヒソ 京太郎「Love you forever」ボソッ エイスリン「ン…」 エイスリンは起きるか、判定 コンマ 126 エイスリン「ン……」パチッ エイスリン「スガクン…?」 エイスリン「Love you forever?」 エイスリン「?」 京太郎「忘れてくださいお願いします」 京太郎「と、いうことで、ドッキリ大成功!」テッテレー エイスリン「ネエネエ、スガクン」ツンツン 京太郎「はい?」 エイスリン「D…Do you love me forever?」カァァ 京太郎「Yes?」 エイ京「……」 エイスリン「///」カァァ 京太郎「///」カァァ 京太郎「さぁて次のターゲットはぁ?」 京太郎「よし!照を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part5】デデーン! 京太郎「今回は!我らがエース、宮永照さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 照「ん……」ギュルギュル 京太郎「ノーコメントで」ヒソヒソ 京太郎「それでは、照を起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、咲の真似で、照を起こしたいと思いまーす」 京太郎「あーあーっー」ウラゴエ 京太郎「よしっ」ウエダヴォイス 京太郎「お姉ちゃん起きて!起きないと遅刻しちゃうよ!」ウエダヴォイス 照「……」 照「……」 照「おい…貴様がなぜここにいる?」ギュルッ 京太郎「い、いやぁ…ドッキリですよ!ドッキリ!ほら、ドッキリ大成功!」 照「……なんだ、京か」ギュルゥゥゥ 京太郎(なんだったんだ今の……) 【食堂】 京太郎「んー、どこに座ろうかな」 ?「席が無いんなら、ここいいですよ」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ?「困ったときはお互いさまです、私もよく座るところがないこととかあるんですよ」ハハハ 京太郎「奇遇ですね、俺もあまり座れなかったり、皆からはぐれちゃったりするんですよね」 ?「私もよくありますよ!いや~三箇牧にも同志がいるとは思わなかったです」 京太郎「えーと、あなたの名前は確か……」 ?「二条泉です、君は須賀京太郎君やろ?」 京太郎「覚えててくれたんですか?あんな噛みまくりの自己紹介だったのに」 泉「だからこそ、ですね。それと敬語はやめますか、私ら同学年ですし」 京太郎「そうだな、うんこっちの方が喋りやすいや」 泉「じゃあ今日一日頑張っていくで!」 京太郎「おう!」 京太郎「朝は何をしよう」 京太郎「今日も特訓特訓!」 京太郎「お、咏!一緒に特訓しようぜ!」 咏「お、いいねぃ~」 咏「じゃ、ま始めよっか」 咏「でさ、ここでこうすると」 京太郎「おお!」 咏「こうなって、こうすると」 京太郎「おおおお!!!」 咏(何だこれ……) 京太郎「昼飯を食べに行こう」 京太郎「昼はどこに行こうかな」 竜華「お、須賀君やん!ウチと昼食べに行かへん?」 京太郎「お、いいですね!行きましょう行きましょう!」 竜華「そうと決まればレッツラゴーやで!」 【カレー屋】 竜華「ついたでー」 京太郎「ここが清水谷さんのオススメのカレー屋ですか」 竜華「せや、ここはカレーは勿論ナンも格別の美味しさなんやで!」 竜華「須賀君には一昨日助けてもらったからお姉さんが奢ったるわ!」 メニュー 赤まむしカレー 激辛カレー 千里山カレー 桜カレー 商品は全て800円均一 京太郎「じゃあ千里山カレーで」 竜華「ウチはいつも通り赤まむしカレーやな」 京太郎「そんなもの食べられるんですか……」 竜華「中々いけるもんやで」 オマタセシマシター 竜華「ほら、来たでー美味しそうやなー」 京太郎「ナンから凄くいい匂いがしますね」 竜華「ナンはなー、一口目はまずこうすんねん」ハムッ 京太郎(何この小動物的な可愛さ) 竜華「須賀君もやってみーや!」 京太郎「はい、いただきまーす」ハムッ 京太郎「確かにおいしいですね、このナン」 竜華「せやろ、それでな……ほれアーン」つナン 京太郎「それ、竜華さんがかじったナンですけど、いいんですか?食べちゃって」 竜華「食わず嫌いはするもんやないで、ほれ」 京太郎「そういう意味じゃ…」パクッ 京太郎「これは……おいしい!」 竜華「せやろー、おいしいやろー!」 京太郎「……でもこれって間接キスですよね、本当に良かったんですか?」 竜華「ふぇ?」 竜華「ちゃうちゃう!そんな意味はないねん!忘れてや!」アセアセ 京太郎「考えておきますよ」ハハハ 京竜「「ごちそうさまでした」」 竜華「さてと、じゃあ須賀君は先に戻っててええで、ウチが払うから」 京太郎「いや、いいですよ。自分の分は自分で払います」 竜華「え?でも……」 京太郎「俺は望んで清水谷さんを助けてたんですから、お礼なんていらないですよ」ニコッ 竜華「そ、そうなん……///」 京太郎「カレーおいしかったな」 京太郎「昼は何をしよう」 京太郎「憩さん、特訓しませんか?」 憩「お、ええなそれ。少し待っててな」タン 憩「よし、ほな始めよか」 憩「それで、この1筒をこうしてな」ピキーン 京太郎「憩さんの後ろに宇宙が見える…!」 京太郎「それじゃあ俺もこの1索を」ピキーン 憩「なんも見えへんな」 京太郎「夕方はなにをしようかなー」 京太郎「引き続き憩さんと特訓を続けるぞ!」 憩「どんと来なさい!」 京太郎「え、これを着るんですか?」 憩「特訓といったらユニフォーム、ユニフォームといったら衣装、衣装といったら…」 憩「これに決まっとるやろ!」 憩「ナース服~」ダミゴエ 京太郎「そんなの着ませんからね!」 憩「ええ~そんな~」 京太郎「夜はなにをしようかなー」 京太郎「次は誰と特訓しようかなー」 竜華「お、須賀君やん、何してるん?」 京太郎「あ、竜華さん、俺と特訓してください!」 竜華「ええでー」 竜華「でな、そんときに怜がな!」キャー 京太郎「そ、そうなんですか」 竜華「ほんでな、ほんでな…!」 京太郎(麻雀の特訓をしていたのに…どうしてこうなった……) 京太郎「ヒャッハー!風呂の時間だあああああ!」 京太郎「誰が来るかな!誰が来るかな!」 【脱衣所】 ワイワイガヤガヤ 京太郎「浴場が騒がしいな…あれ、これってまずいんじゃ」 千里山A「キャー!覗きよー!」 千里山B「この千里山の浴場に忍び込むとは!」 京太郎「逃げよ」タッタッ 千里山C「逃げたぞ!追えー!」 千里山D「イエス、マム!」 ドタドタ 京太郎「ふぅ…なんとか逃げ切ったぜ」 霞「あら」ゴゴゴゴ 雅枝「何から」ピキッ 浩子「逃げ切った」ジトー 照「のでしょうねぇ…」ギュルギュル 京太郎(あ、これ終わったな) 京太郎「……」マッシロ 深夜 京太郎「園城寺さんとお菓子を食べよう!」 京太郎「何を持っていこうかな」 京太郎「ポッキーと、プリンとかりんとうを持っていこう!」 京太郎「園城寺!トキィ!我は貴様に会いに来た!」カッ 怜「なんや須賀君」 京太郎「あれ、ノらないんですか」 怜「ノリに合わせるのは疲れるんや…ほら、うち病弱やし」コホコホ 京太郎「まあそれは置いといて、お菓子を持ってきたんで、夜を語り明かしましょう!」 怜「お、これ焼きプリンやんおいしそうやなぁ」 京太郎「一口いります?」 怜「ほな、もらおうかな」アーン 京太郎「はい」 怜「おいしいわぁ」パァァ 京太郎「俺もこの焼きプリン好きなんですよね」 怜「ええ味出とるよな」 京太郎「いい味といえば、園城寺さんのリーチ一発すごいですね!」 京太郎「以前雀荘でやったときのあの一発率!」 京太郎「凄かったですよ!どうやったらできるんですか?」 怜「んー、あれは…偶然や、偶然」 京太郎「そうなんですか、でも、そうだとしてもやっぱり凄いですよ!」 怜「そう言われるとなんか照れるな」エヘヘ 怜「せや、せっかくやし麻雀教えよか」 京太郎「お願いします!園城寺先生!」 怜「怜でええで、私も須賀君のこと京太郎君って呼ぶし」 京太郎「え、いいんですか?」 怜「京太郎君か…そうすると憩と呼び方が被ってまうから」ブツブツ 怜「京くんでええか」 怜「それじゃあ京くん仕切り直してもう一回!」 京太郎「お願いします!怜先生!」 【合宿2日目】 終 【合宿3日目】 京太郎「ふっふっふ」 京太郎「あー今日も早起きしちゃったなー」ボウヨミ 京太郎「早く起きすぎて暇だなー」ボウヨミ 京太郎「そうだ、みんなを起こしに行こう!」 京太郎「よし!清水谷さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part6】デデーン! 京太郎「今回は!千里山の部長、清水谷竜華さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 竜華「ん……」モゾモゾ 京太郎「霞さんほどではないにしろ、大変すばらなおもちです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、清水谷さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「髪の毛を梳きながら起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、失礼しまーす」サッー 竜華「すぅ……」モゾモゾ 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 竜華「んっ…」 竜華「怜ぃ…そんなとこイジったらアカンて……」モゾモゾ 京太郎「まだ起きないようです!それでは次の作戦です!」ヒソヒソ 京太郎「次はこちら!」ヒソヒソ 京太郎「当方で用意いたしました、特選豆を使用したこのモーニングコーヒーを」ヒソヒソ 京太郎「清水谷さんにぶっかけたいと思いまーす」ヒソヒソ 竜華「ちょっと……外に出さんでよかったんに……」 京太郎「それではいきまーす」 京太郎「3」 京太郎「2」 京太郎「1」 京太郎(あ、これコーヒーじゃなくて北海道産の特選飲むヨーグルトじゃん) 竜華「あれ、須賀君?」 京太郎「あれ、起きちゃった」 京太郎「しまった!手が滑った!」バシャ 竜華「なんやこれ…ヨーグルト……?」 京太郎(なんだこのすばらな光景は……ヨーグルトが清水谷さんの身体全体にかかっている…これじゃまるで…おっといかんいかん) 竜華「……」 京太郎「ドッキリ大成功!」 竜華「なにするんや!須賀君のアホー!」 京太郎「ほら!この看板見て!これドッキリですから!」 竜華「うるさいわぁ~!」ポカポカ 京太郎「334回くらい土下座したら許してもらえた…」 京太郎「清水谷さん少し怒ってたな…」 京太郎「まあ続けますけど」 京太郎「よし!憩さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part7】デデーン! 京太郎「今回は!我らが部長、荒川憩さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 憩「そ…そんな…だめですよ……こんなところで…」 京太郎「俺、なんだか興奮します!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、憩さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではまずはマウントポジションを取って…」 京太郎「やっばい、おっきしてきた…」 京太郎「おっきしろーっ」ユッサユッサ サワサワ 憩「うぅぅ…」 憩「うぅぅ……あまり焦らさんといてくださいよ……」 京太郎「おっと、まだ起きない!」 京太郎「次はこちら!」 京太郎「次は、当方が用意した、ナース服を着て憩さんを起こしまーす」 ―着替え中― 京子「さて、着替えてきましたっ☆」ウラゴエ 京子「それでは、また憩さんを起こしまーす」ウラゴエ 京子「おはよーございますっ☆」 憩「うーん……」 憩「うーん……」パチッ 憩「あれ…誰?」 京子「須賀京子ですっ☆」キュルンッ 憩「誰やねん…」ゲシッ 京太郎「すねはやめてくださいって、うわわわ」 ドンガラガッシャーン 京太郎「……何がどうしてこうなった…」モフモフ |京太郎、憩ちゃんを押し倒しその胸にダイブするの図| 憩「くっ、くすぐったいからあんま喋らんといて///」 京太郎「そんなこといわれても」モフモフ 憩「だ、だから…やめてや……///」 京太郎(この少しとがったところは…)カオズラシ 京太郎「まさか…ね」ツマンデモフモフ 憩「あっ……」 京太郎「あれ、憩さん?」 憩「はぁ…はぁ……」パタッ 京太郎「また寝ちゃったみたいだけど、どうしようか」モフモフ 京太郎「俺も寝よ」 ―――――――――――― 憩「ん……京太郎君?」 憩「なんか変なことされた気がするけど…まあええか」 京太郎「…やめろ…俺は……ノンケなんだ…」Zzz 憩「可愛い寝顔やな」ナデナデ 京太郎「きもちいいですよ……ハギ……さん…」Zzz 憩「なんか、幸せな気分や」ナデナデ 憩「そういえば……」 憩「なんでナース服なんや…?」 京太郎「朝食を食べに来たぞ!」セイフク! 京太郎「清水谷さん、前いいですか?」 竜華「あーええよー」 京太郎「さっきは本当にすみませんでした」 竜華「ええってええって、朝風呂入れて気持ちよかったし」 京太郎(清水谷さん…風呂…おもち) 京太郎「うっ、股間が!」 竜華「どうかしたん?」 京太郎「いえ、どうにも!」 竜華「それじゃあ今日も頑張っていこかー!」 京太郎「はい!」 京太郎「いよいよ最終日だ!」 京太郎「朝は何をしよう」 京太郎「雑用をしよう!」 京太郎「昼食を作りにいくか」 【食堂】 京太郎「こんにちはー」 咏「お、京太郎じゃ~ん、どうしたの?」 京太郎「咏か、昼食作りの手伝いに来たんだけど…作る人ってお前なのか?」 咏「なんだよ、私がしちゃ悪いのかよ…」 京太郎「いや、意外だなーって」 咏「いいよ、もう知らんし」プイー 京太郎「おお、なんだこの味噌汁!うめえ!うめえよ!」 咏「だろ!だろ!この天才料理人三尋木咏ちゃんに任せればこんなもんお茶の子さいさいだぜぃ!しらんけど」ドヤァ 京太郎「ほんとにうめえよ、この味噌汁、毎日飲みたいぜ!」 咏「ま、毎日ってそんな……///」 京太郎「次は何をしよう」 京太郎「牌譜の整理をしよう」 京太郎「おお、こんなにたくさんあるのか、流石は名門」 京太郎「合宿中の対局の牌譜もあるな」 泉「あれ?須賀君ですか?」 京太郎「二条か、お前も牌譜の整理に来たのか」 泉「はい、須賀君もですか?」 京太郎「おう、じゃあ始めようぜ」 京太郎「へー、みんな面白い打ち方するんだな」 泉「ちょっと須賀君、ちゃんと手伝ってよ」 京太郎「ふっふっふ、見ろこの整理整頓された牌譜を!!!」 泉「す、すごい!こんなに速く、そしてきれいにする人、見た事ない!」 京太郎「これからは雑用マスター京太郎と呼びなさい!」 泉「ははっー」 京泉「なんだこれ…」 泉「ふう…これで全部ですか?」 京太郎「そうみたいだな、それじゃあ戻るか」 泉「はい!」 京太郎「昼食はどこで食べようかな」 京太郎「エイスリンさん、どこかに食べに行きません?」 エイスリン「イクイク!」 京太郎「行きたいところとかあります?」 エイスリン「ウーン」カキカキ エイスリン「ココ!」バッ |驚いているドンキーコングの絵| 京太郎「これは…ドンキーコング…?」 竜華「エイちゃんはびっくり鈍器ーに行きたいんか?」 エイスリン「リューカ、セイカイ!」 京太郎「あれ、二人とも知り合いなんですか?」 竜華「何回か打ったしな」 エイスリン「リューカ、ツヨイ!」 竜華「そういうエイちゃんも強いやないかー」ウリウリ 京太郎「微笑ましい光景だ…」 京太郎「じゃあ行きましょうか」 【びっくり鈍器ー】 京太郎「店名に違和感があるんだが…」 竜華「ほな、入ってくでー」 竜華「あ」 雅枝「お」 竜華「なんで監督がここに…?」 雅枝「そう身構えなくてええって、その2人は三箇牧の生徒か」 京太郎「須賀です!」 エイスリン「Aislinnデス!」 雅枝「わかっとるわかっとる、みんなで食おかー」 メニュー アカマムシハンバーグ 激辛ハンバーグ 千里山ハンバーグ Vやねん!姫松!ハンバーグ 桜ハンバーグ 全て1000円均一 京太郎「うーん…」 竜華「せやな…」 エイスリン「ウムム…」 雅枝「ふむふむ…」 京太郎「俺は桜ハンバーグで」 竜華「ウチはアカマムシハンバーグで」 エイスリン「コレ!」 京太郎「千里山ハンバーグですか」 雅枝「私はVやねん!姫松!ハンバーグや」 竜華「監督はホンマに姫松好きですね」 雅枝「まあ愛娘2人がいるところやからな」 京太郎「えー愛宕監督ってお子さんがいるんですかー?」ボウヨミ 竜華「そんな若くは見えないよねー」ボウヨミ エイスリン「!」コクッコクッ 雅枝「そんな褒めたってなんも出えへんよ~」 京竜エイ「チッ」 京太郎「船久保さん!特訓をしましょう!」 浩子「須賀君?どうしたんです、急に」 京太郎「朝、牌譜の整理をしていたら船久保さんの打ち筋を見かけましてね、船久保さんが対戦相手を完全に把握しているように思えるんですよね」 京太郎「この通りです!お願いします!」 浩子「わかりましたよ」 浩子「たとえば、須賀君の場合、こうすることが多いので」 浩子「こうすると」 京太郎「振り込んじゃいますね」 浩子「とりあえずはこんな感じですね」 京太郎「なるほど、ありがとうございました」 京太郎「夕方は何をしよう」 京太郎「照と特訓しよう!」 京太郎「照!特訓するぞ!ついてこい!」 照「ちょっと、いきなりすぎない!?」 照「さてと、今日はなにする?」 京太郎「今までのおさらいをしようじゃねえか!」 照「ワッカッリマーシタ」 照「ソレデハ、ハジメマショウ!テルテルじゃんけん」ギュルギュル 照「パー」ギュルギュルギュルルル 京太郎「チョキだ!」 ドカーン 照「京…成長したね…」ハァハァ 京太郎「照もな…」ゼェゼェ 京太郎「夜はナニをしよう」 京太郎「まだ続けるぜ!」 照「わかった、それなら私も本気を出そう」ギュルッ 照「それでは、参る!」 京太郎「上等だ!」 照「ぐはぁっ…」 京太郎「はっはっはー!俺は照に勝ったぞー!」 照「やったね、京…これが、私の力…だよ」ガクッ 京太郎「照ーー!」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6413.html
第四章【国麻】・【離散】開始 ベンチに座って本を読んでいた 父さんと妹は遊びに、母さんは仕事で出かけていた 今は一人 一人で本を読む……大人っぽい! 子どもながらにそんなことを考えていた やっぱり、少し寂しい 一緒に遊びに行く友だちなんていないから 静かにページをめくる、髪が風でなびく そろそろ帰ろうかな、と思っていたとき 「お、俺と遊ぼうぜ!」 私の目の前に、彼が現れた 「あ、いや……遊んでください」 不思議な子だな それが第一印象だった 【8月第4週 平日】 京太郎「…………」 京太郎「どうしてまた、あいつは」 京太郎「引っ越しは今週末だそうだ」 京太郎「……何しよ」 朝 京太郎「こんなときは麻雀だよな」 京太郎「気を取り直そう」 京太郎「お邪魔しまーす」 郁乃「いらっしゃ~い」 照「あ、京だ」トテトテ 京太郎「照、来てたのか」 照「うん」 郁乃「もう打ち始めてるで~」 京太郎(ちょっと心配してたけど) 京太郎(なんだかいつも通りみたいだな) 照「京、一緒に打とう」 京太郎「おう、いいぞ」 京太郎「決勝のとき、さ」 照「……なに?」パリパリ 京太郎「懐かしい感じがしたんだよな、なんつーか」 京太郎「照たちと昔打ってたときみたいな?」 京太郎「そんな感じがした」 照「…………」ポリポリ 照「そう」ゴックン 照「懐かしい、か」 京太郎「うん、あとパソコンの前でお菓子食べるのやめような」 照「無理な相談」モグモグ 京太郎「もうすぐ昼か、何しよう」 昼 京太郎「久しぶりにバイトでもするか」 京太郎「でもこの時間からあそこに行ってもあんまり働けないからな……」 京太郎「もう一つ新しいのを探してみよう」 京太郎「探偵……か」 京太郎「面白そうだな、行ってみるか!」 平次「お前さんが須賀京太郎やな」 京太郎「はい!今日はよろしくお願いします!」 平次「オレは服部平次言うんや、西の名探偵とはオレのことやで!」 京太郎「それで、今日の仕事は?」 平次「迷い猫探しや」 京太郎「猫?」 平次「せや」 京太郎「……」 平次「今つまらん思うたやろ」 京太郎「正直に言うと、はい」 平次「そうポンポン殺人事件が起こってたまるかいな」 平次「ほな行くで」 京太郎「オスの三毛猫とかどんだけレアなんだよ」 京太郎「どっかにいねえかな」 京太郎「あ」 猫「ニャッ」ナニッ 京太郎「待てごらあああ!」 猫「ニャアアアアアア」ドタタタタ 怜「今日の健診も大丈夫やったな」 猫「ウニャアアアア」ドタタタタ 怜「ね、猫?トリプルや!」キィィィン! 怜(直進して事故と見せかけて私を襲うんか……そうはさせへん!) 怜「うにゃっ!今や!」 猫「ニャッ!?」 怜「はい、捕まえた」 猫「ウニャッ!」ジタバタ 京太郎「あ、怜さん」 怜「ああ、京くん、この猫京くんのやったんか?」 京太郎「いえ、依頼されてまして」 怜「ふ~ん、ま、ええわ、はい」 京太郎「ありがとうございます」 怜「せや、今度どこか遊び行かへん?」 京太郎「遊び、ってか急ですね」 怜「思い立ったが吉日や」 京太郎「そうですね、日が空いたら連絡しますよ」 怜「待っとるで」 京太郎「はい、それではまた」 平次「もう捕まえたんか」 京太郎「ぜぇー、はい、はぁー、まあ」 平次「お手柄やったな、バイト代は振り込んどくで」 キャアアア ヒ、ヒトガ! 平次「なんやと!?」 京太郎「何かあったんでしょうか?」 平次「須賀はもう帰っとれ!こっからは危ないんや!」 京太郎「は……はぁ」 イマイクデ! ク、クルナ!クルンジャナイ! ダマットレドアホ! クルナァァァァ! ドヒュウン 京太郎「今銃声がしたような……まあいっか」 京太郎「帰ろう」 京太郎「服部さん、なんか禍々しいものを感じた」 京太郎「死の危険、的な」 夕 京太郎「特訓しよう」 京太郎「今は誰がいるかなー」 郁乃「照ちゃんとエイちゃんはもう帰ったで~」 郁乃「今は憩ちゃんと咏ちゃん、私と霞ちゃんだけやで」 京太郎「そうですか……どうしよ」 咏「お、京太郎じゃん」 京太郎「よっ」 咏「どうしたんだい?」 京太郎「いや、少し気が向いたからな」 京太郎「俺と打たないか?」 咏「お、いいねぃ、んじゃ行こっか」 咏「やっぱり、前よりもずっと上手くなってんね」 京太郎「そうか?」 咏「そーそー」 京太郎「……そうか、上手くなれてるのか」グッ 咏「んで、今は何考えてんだ?」 京太郎「えっ?」 咏「何か悩んでることでもあんだろ?顔に書いてあるぜ」 京太郎「あー…………」 京太郎「決勝のときにさ」 咏「つまりあの変な感覚を取り戻したいって?」 京太郎「そういうこと……なのか?」 咏「んまあ、そういうことなら実際に打ってみるのが一番なんじゃねえの?知らんけど」 京太郎「実戦か」 咏「私はこうして二人でやってる方が好きなんだけどねぃ」 京太郎「秋は夜長、夜更かしの季節だな」 夜1 京太郎「せっかく木刀買ってきたんだし、素振りでもするか」 京太郎「えいっ!えいっ!」ブンブン 京太郎「これ、結構くるな」 京太郎「まだまだ!」 京太郎「えいっ!」 京太郎「えいっ!」ブン ガシャッ 京太郎「あ、そうだ室内だったな」 京太郎「外でやらないと……」 京太郎「さすがに夜になると寒いよな」 京太郎「あっためるためにあと1000回!」 京太郎「これを一か月続けたら筋肉モリモリになれるのかな!」 京太郎「今日は疲れたからもう終わりだけど」 夜2 京太郎「散歩に行ってくるか」 京太郎「照のことも考えないとな」 京太郎「いってきまーす」 照(ポッキーなう)ポリポリ 京太郎「うまいか?」 照「京……うん」 照「どうしてこんな……」 京太郎「こんな時間にってか?」 照「うん」コクッ 京太郎「ちょっと考え事をな」 照「……それって……いや、なんでもない」 京太郎「照のことだよ」 照「えっ」 京太郎「どうしてお前は出ていくのかなって」 京太郎「また、俺の前からいなくなるのかなって」 照「…………」 照「京は気にしなくていい」 照「私が決めたことだから」 照「大丈夫だから」 照「また会えるんだろうし、国麻、楽しみにしてるから」 照「それじゃあ、ね」 京太郎「……照」 京太郎(このままでいいのか?) 京太郎(このまま、また照がいなくなっても) 京太郎(ようやく俺のそばに戻ってきてくれたんだ) 京太郎(……最近悩んでばっかだな) 京太郎「照!」 照「まだ、何か?」 京太郎「俺のそばから離れないでくれ」 照「……え?」 京太郎「照がいなくなって三年、でも今年、四月に久しぶりに照と会えたときすごく嬉しかった」 京太郎「この半年照と一緒にいてすごく楽しかった」 京太郎「まあ実際は五か月くらいだけど、さ」 京太郎「一緒に学校行ったり、運動会で頑張ったり、祭りに行ったり」 照「…………っ」 京太郎「この前みたいに海に行ったりしてすっごく楽しかった」 京太郎「でもよ、それなのに、理由もわからずにまた離ればなれになるなんて嫌だ」 照「理由……」 京太郎「理由だけでも教えてくれないか?」 京太郎「俺が悪かったんなら謝る、だから教えてくれよ」 照「……京には言えない」 照「私には、言えない」 京太郎「またそうしていなくなるのかよ」 照「違う!」 京太郎「違わないだろ、前も照は俺たちの前からいなくなった」 京太郎「俺は照と一緒の方が楽しい、だから離れないでくれ」 照「楽しい……か」 照「それは、違うんじゃないかな」 京太郎「なに……?」 照「京にはもう憩が、エイスリンが、咏も霞も郁乃さんもいる」 照「京は、ただそばに誰かがいてほしかっただけじゃないの?」 照「私なんていらないんでしょ、咲やモモ達といたときみたいに」 照「見送りなんてしなくていいから」 照「霞たちにもそう言っておいた」 照「今度会うのは国麻のとき」 照「じゃあね」 照「短い間だったけど、ありがとう」 【8月第4週 平日】終 【8月第4週 休日】 京太郎「照は今日にはもういなくなっちゃうのか」 京太郎「俺にとっての照って何だったんだ?」 京太郎「楽しいって思ってたのは俺だけだったのかな……」 京太郎「どんな言葉を使えば、照に届くんだろう」 朝 「今日は楽しかったぜ!ありがとな!」 「こちらこそ」 「モモがいないからひまだーっておもってたんだけどお前がいてくれてよかったぜ!」 「……照」 「宮永照だから、照って言って」 「テル、か俺は京太郎だ!」 「……長いから京でいいかな」 「おう、大かんげーだ!」 「ただいま」 「おかえり」 「咲は?」 「モモちゃんや京太郎くんたちと遊びに行くってさ」 「……そう、母さんは?」 「今日も帰ってこないってさ、咲に任せっぱなしってのはダメだから今日は出前だぞ」 「それで、どの店に頼む?」 「どこでもいい」 「そっか、わかった」 「私、上に行ってるから」 「ああ」 照母「照、起きなさい」 照「ん……母さん、来てたんだ」 照母「また遅くまで起きてたのね、もう行くわよ」 照「わかった」 照母「それで、荷物は?」 照「……忘れてた」 照母「もう、ちゃんとしなさいよ」 照「うん」 ガチャ バタム 照母「さーてと、ぱぱっと帰るわよ」 照母「大家のおばさんにもあいさつしてきたし」 照「あの人まだ成人してないよ」 照母「まーたまたー……マジ?」 照「うん」 照母「あちゃー……って、ねえ照、あの子って確か」 照「……京太郎」 京太郎「照」 照「今度は何?」 京太郎「ありがとう」 京太郎「また遊んでくれるか?」 照「うん、これ私のねとま?のハンドルネーム」 京太郎「『ワムゥ』?」 照「今度はそこで打とう」 照「待っ照」 京太郎「……それ、ダジャレか?」 照「うん、じゃあね」 京太郎「おう」 京太郎「毎時間メール送るから」 照「それは迷惑」 京太郎「じゃあ毎日?」 照「それもちょっと」 京太郎「じゃあ毎月」 照「間隔空きすぎ」 京太郎「じゃあ気が向いたらでいいな」 照「……わかった」 毎週平日の夜にメールを送れるようになりました 照母「照、アンタ挨拶してなかったんでしょ」 照「京にはした」 照母「まあ、ここに帰ってきたくなったらいいなさいよ」 照「……なんで?」 照母「照のしたいようにさせてあげる、ただそれだけよ」 照「……そう」 照母「それに、あの……京太郎くん?のこと放っておけないんでしょ?」 照「ちっ、違う!」 照母「咲やモモには負けないようにしなさいよ」 照「だから違う、って」 京太郎「行っちゃったか」 京太郎「まだ、チャンスはあるはずだ」 昼 京太郎「久々に実家に帰るか」 【実家】 京太郎「ただいまー」 京父「よっ、京太郎」 京太郎「と、父さん帰ってきてたのか」 京父「暑かったぞーインドはー」 京太郎「エジプトに行った時も同じようなこと言ってなかったか?」 京父「今度はニュージーランドに行ってくるんだ、羨ましいだろー」 京太郎「へいへい、そうですね」 京父「なんだ、我が子は連れないなー」 京父「さすがはタラシチャンピオンといったところか」 京太郎「ちょっと待て今何て言った」 京父「読んだぞ新聞!男子個人戦チャンピオン須賀京太郎、夜のチャンピオン?だってよ!」 京父「将来が楽しみだ!」 京太郎「マジかよ……」 京太郎「じゃあ散歩してくるな」 京父「そうやって女の子を引っかけてくるのか……ふむ」 京太郎「だから違うっての!」 ピンポーン 桃子「京太郎ー遊ぼーっす!」 京太郎「なんで俺が来てるってことわかってるの!」 京父「俺が連絡しておいた」ドヤァ 京父「ほれほれ、女の子を待たせるなんて罪なことするなよ」 京太郎「ドヤ顔するな!わーったよ、行ってくる」 京父「避妊はしっかりなー」 京太郎「余計なお世話だ!」 桃子「おじさんと何話してたんっすか?」 京太郎「なんでもないよ」 桃子「そうっすか、じゃあ今日も私とどっか行くっす!」 京太郎「拒否権は……ないんだろうな」 桃子「モチのロンっす!」 桃子「到着ーっす」 桃子「覚えてるっすか?この公園!」 京太郎「ああ、よく遊びに来たな」 京太郎(照と出会ったのも、ここだったんだよな) 京太郎(たしか、あのベンチに……) 桃子「今日はここで遊ぶっすよ!……ん?どうかしたっすか?」 京太郎「いや、あそこにあったベンチなんだけど」 桃子「あれなら新しい遊具を置くからって廃棄されたっすよ、それがどうかしたっすか?」 京太郎「……そうだったのか」 咲「京ちゃん?やっぱり京ちゃんだ!」 京太郎「久しぶりだな」 咲「うん!」 桃子「私が呼んでおいたっす!」フフン 京太郎(相変わらず大きい……前より大きくなってないか?) 咲「京ちゃん……」ジトッ 京太郎「な、なんだー咲ー?」アセアセ 咲「知らない!」プイッ 京太郎「さ、咲さん?おーい」 桃子「それじゃ、何するっすか?」 京太郎「キャッチボールでもするか」 桃子「それじゃあボールとグローブ持ってくるっす!」 咲「行ってらっしゃい」 桃子「行ってくるっすー」 京太郎「モモは元気だな」 咲「京ちゃんが帰ってきたからじゃないの?」 京太郎「じゃあいつも通りの咲は俺に帰ってきてほしくなかった、と」 咲「違うよ、これでも嬉しいんだよ、でもえっちなのはダメだよ」 京太郎「俺はせんべいよりもおもち派だからな」 咲「……何言ってるの?」 京太郎「要するに、大きいは正義!」 咲「京ちゃんの場合は正の字が違うと思う」 桃子「持ってきたっすよー」 京太郎「モモー投げるぞー」ビュン 桃子「ばっちこーいっす!」バシッ 桃子「咲ー行くっすよー」ビュン ポヨン 京太郎「おお……」 咲「むむっ!」ビュン 京太郎「がはっ!ちょっ、咲!みぞおち!」 咲「あははーごっめーん、手が滑っちゃったー」 桃子「思いっきり棒読みっすね」 京太郎「堪能堪能、満足満足」 咲「京ちゃん、五体不満足って言葉、知ってる?」 京太郎「ひぃっ」 桃子「さーてと、次はどこに行くっすか?」 京太郎「roof-top?」 咲「麻雀喫茶だよ」 京太郎「麻雀喫茶?」 桃子「麻雀ができる喫茶店っす」 京太郎「あーなるほど」 咲「染谷さん、まだいるよね?」 桃子「来週までいるらしいっすよ」 京太郎「誰だ、それ?」 桃子「広島に住んでる娘さんっす、今は友達のちゃちゃのんさんとこっちに遊びに来てるっす」 京太郎「へー」 咲「あ、着いたよ」 マホ「いらっしゃいませー」 いちご「いらっしゃいませー」 京太郎「メイド!?」 咲「あれ、マホちゃん?」 桃子「どうしてここで働いてるっすか?」 マホ「社会勉強です!」ムフー まこ「夏休みの宿題なんじゃと」 咲「どうも、こんにちは」 桃子「またきたっすよ」 まこ「はい、いらっしゃい、そこの男子は……誰じゃ?」 咲「京ちゃん、私たちの幼馴染です」 いちご「ほぉ?どこかで見たような……?」 マホ「マホ知ってます!この人男の子のチャンピオンさんです!」 いちご「あぁ~なるほどー」 京太郎「俺の知名度ってこの程度だったのか……」 まこ「君が須賀京太郎くんじゃったか……打ってくか?」 京太郎「うむ……どうしましょう?」 京太郎「いや、やめておきます」 いちご「なーんじゃ、つまらんのう」 咲「じゃあ私が打ちましょうか?」 いちご「そ、それは遠慮しとく……」 まこ「んで、注文は?」 マホ「まはまほから揚げがオススメですよ!マホが食べさせてあげます!」 京太郎「それはなんつーか、背徳的すぎるな」 メニュー 1.まはまほから揚げ 2.ちゃちゃのんショートケーキ 3.まこのワカメスープ 4.カツ丼 5.タコス 6.お好み焼き 7.桃パフェ 京太郎「皆さんのオススメは?」 いちご「ショートケーキならちゃちゃのんが食べさせるけぇ、選んどき!」 まこ「ワカメスープもオススメじゃよ」 桃子「私は桃パフェっすね」 咲「私はお好み焼きだよ」 京太郎「んーじゃあ……」 京太郎「から揚げで」 咲「えっ」 まこ「えっ」 桃子「京太郎……」 いちご「ロリコンじゃったなんて、そんなん考慮しとらんよ……」 京太郎「いや、でも」 マホ「やたっ!マホのから揚げが頼まれましたよ!」 京太郎「あんなに喜んでるんですし」 咲「苦しい言い訳だね」ジトッ マホ「須賀先輩、あーん」 京太郎「あーん」 マホ「おいしいですか?」 京太郎「うん、とっても」ニコッ 「「「「うわぁ……」」」」 京太郎「次はどこ行くんだ?」 桃子「近寄るなっす!」 咲「そうだよ変態!」 久「やっほーって、優希だけ?」 優希「のどちゃんは今日も来ないって言ってたじぇ」 久「あらそう……じゃあ咲とモモが来たら起こしてー」 優希「はーい」 咲「遅くなりましたー」 久「ん……はーい」 桃子「優希、寝ちゃってるっすね」 優希「タコス、タコスが……ぐぅ」 京太郎「えい、えい」プニップニッ 優希「今度はタコさんだじぇ……」 久「須賀君も来てたの?」 京太郎「はい、お邪魔します」 久「そんなに固くならなくていいわよ」 咲「私お茶入れてきますね」 桃子「さて、何するっすか?」 京太郎「俺が4人の邪魔するのもあれなんで、パソコン貸してもらえますか?」 久「いいわよ、あとネト麻するならその横の機械も使ってみて」 京太郎「何ですか、このヘッドギア」 久「ナーブギアとか言うらしいわ、リアリティを追求するために開発されたんですって」 京太郎「へー」 京:すっげーリアルだな、なんだここ 京:えーっと、ここの掲示板で対局申込みをすればいいのか……じゃあまずは東南で しばらくお待ちください 京:よし、いよいよ楽しみだな びっぐすたー:よろしくー のどっち:よろしくお願いします NoName:どうしてのどっちさんがここに! 京:よろしくおねがいします 東1局 親 NoName 25000 びっぐすたー 25000 のどっち 25000 京 25000 京:ロン! 京:リーチ、赤1! びっぐすたー:なんだ、その程度かぁ 京:裏3 びっぐすたー:え…… 東2局 NoName 25000 親 びっぐすたー 17000 のどっち 25000 京 33000 京:ロン 京:混一色、役牌白、役牌中、小三元、チャンタ、混老頭、対々和 京:24000 びっぐすたー:もーなんなのさっきからー! びっぐすたー:いいもん!こっからが本気! のどっち:本気も何もないと思いますが…… 【圏外射撃】発動! 東3局 NoName 1000 びっぐすたー 17000 親 のどっち 25000 京 57000 びっぐすたー:いっちゃえ! びっぐすたー:リーチ! 京:ダブリー…… NoName:こ、こんなの、どうすれば…… びっぐすたー:ロン!ダブリー一発赤2ドラ2! びっぐすたー:裏3! 終局 NoName -15000 びっぐすたー 33000 のどっち 25000 京 57000 びっぐすたー:うむむ、とどかなかったかー 京:はっはっは、勝負ならいつでも受けて立つぞ のどっち:……ありがとうございました NoName:のどっちさん、どんまいです びっぐすたー:ネット最強ののどっちを倒したんだから、真のネット最強はこのびっぐすたーってことだね! 京:いやいや、それなら俺だろ びっぐすたー:あんたのは偶然、私のは必然だもん! 京:……なんだそりゃ 久「あら、終わったの?」 京太郎「はい、飛ばしましたよ!」 咲「すごいね、私なんてまだパソコンあんまり使えないし……」 京太郎「そういえば、ネット最強っていうのどっちって人と打ちましたよ」 優希「のどちゃん……!」 桃子「和がどうかしたっすか?」 久「和、今日も来れないんだってさ」 咲「転校、本当にしちゃうのかな」 京太郎「転校?」 久「ああ、こっちの話だから気にしないでいいわよ」 京太郎「そうですか……」 桃子「ああっと!もうこんな時間ですし、そろそろ帰らないとっすね!」 久「うん、そうね、今日はこれで解散よ!」 桃子「さて、次はどこに行くっすか?」 京太郎「逆に、モモと咲は何がしたいんだ?」 桃子「私はみんなで遊びに行きたいっすね」 咲「うーん、私は……」 咲「みんなでウチくる!?」 京太郎「は?」 桃子「ひ?」 久「ふ?」 優希「じょ?」 咲「え、えーっとぉ、せっかく京ちゃんも帰ってきたんだし、みんなでウチで遊びたいなあ、って」 桃子「ははぁーん、そうやって京太郎をなんやかんやして泊まらせて襲うつもりっすねー」 咲「ち、違うよ!」 京太郎「咲さえよければ俺はいつでも」 咲「ほんとっ?」 京太郎「んなわけあるかい」ペシッ 咲「あうっ、純粋な乙女心をもてあそぶなんてひどいよ京ちゃん……」 優希「それで、どうするんだじぇ?」 京太郎「うーん、そうだな」 京太郎「じゃあモモの意見をくみ取って外食に行こう、みんなで!」 京太郎「……って、どうですかね?」 久「私はいいわよ」 優希「タコス!タコス!」 桃子「私も大丈夫っすよ」 咲「別にいいけどさ……」プクー 京太郎「また今度な」ナデナデ 咲「撫でればすむと思ってるでしょ?」 京太郎「……違ったか?」 咲「ううん、正解だよっ」 京太郎「そうかそうか、んで、どこ行きます?」 京太郎「まあ大勢で来るならファミレスでしょう」 優希「うがー!タコスが無いんだじぇ!」 優希「須賀!いや京太郎!いや犬!いや……バカ犬!」 京太郎「どんだけ落ちてんの俺!」 優希「いいからタコスを買ってくるんだじぇ!」ゲシッ 京太郎「蹴られた!?俺の身分どんだけ低いの!」 咲「私はえびフライ定食にしようかな」 桃子「私はハンバーグセットっすね」 久「じゃあ私はカルボナーラにでもしようかしら」 衣「咲!咲じゃないか!」 透華「衣、何をしてるんですの?ってあなた方は……」 久「あら、奇遇ね」 智紀「清澄」 桃子「お久しぶりっすね、眼鏡おっぱいさん」 京太郎「えーっと、あなたがたは?」 透華「よくぞ聞いてくれましたわ!私たちは!」 純「龍門渕高校麻雀部だ。……確かお前、インターハイに出てたよな?」 京太郎「ええ、まあ」 透華「ムキー!話を邪魔しないでくださいまし!」 一「ホントだ、この人1位だよ個人戦の」 衣「強いのか!」 智紀「通称”炎の須賀”、高火力が特徴」 京太郎「あれ、昼とは違って俺有名?」 優希「ただの偶然だじぇ」 メニュー 山菜丼 秋の果実盛り合わせ タコゆでパスタ パンダ定食 えびフライ定食 サルミアッキ定食 川魚定食 冷やしうどん あなたの心に手錠をかけるよ!定食 久「あら、可愛いもの食べてるのね」 京太郎「パンダ定食ですか?」 久「そうよ、小っちゃいハンバーグが目、ライスが顔かしら?」 咲「京ちゃんは女の子ものが好きですからね」 優希「ハンバーグと白飯って男っぽいほうな気がするけど……」ウーン 咲「街のレディースランチを食べまわるのにつき合わされてたんですよ」 京太郎「おいしいものはしょうがない」 桃子「京太郎……咲とそんなことしてたっすか」ジトッ 京太郎「モモは誘ってもやれラーメン屋行きたいだのやれお好み焼きを食べに行くだの言ってたからなー」 久「須賀くんも隅に置けないわね~」ヒョイパクッ 京太郎「あ!せっかくとっておいたハンバーグが!」 久「……うん、おいしいわね!」グッ 京太郎「グッ!じゃないですよ!返してくださいよ!」 久「流石に人前はちょっと……ね?」 京太郎「返してとは言いましたけど戻してとは言ってませんから!」 一「うわっ、ご飯中にそんなこと言うのやめてよ」 智紀「不潔」 京太郎「言ったのは竹井さんですよ!」 久「あら、私は何も言ってないけど?ねえ?」 純「あー、確かにそうだったな」 京太郎「ぐぬぬ」 京太郎「ふー食った食った」 咲「京ちゃん、オヤジくさいよ」 桃子「で、次はどこに行くっすか?」 衣「衣も一緒に遊ぶぞ!」 久「いいの?」 透華「今は暇ですから大丈夫ですわ」 桃子「ゲーセンに来たっすよ」 衣「咲!これはどうやって遊ぶんだ?」ワクワク 咲「えーっと、これはね…………」 咲「…………」ムムッ 衣「咲?」 咲「わからないや、あはは」 純「やっぱり強いなッ!」ガシュンガシュッ 智紀「そっちこそ」ピコピコ 智紀「えいっ」 純「ぬおっ!」 透華「むきーっ!何なんですの!全く取れませんわ!」 一「と、透華……そんな無理しなくていいから」 透華「いえ!このままじゃ気がすみませんわ!」 桃子「本当にいいんすね?あそこのメロンパンは高いんすよ?」 優希「タコスのためとあらば手加減はしないじぇ」 久「どっからでもかかってきなさい!」 桃子「エアホッケースタートっす!」 京太郎「さて、どこに行こうかな」 透華「どうしてカードが使えないんですの!」 透華「かくなるうえは…………!」 一「透華、もういいから、ね?」 京太郎「お二人とも何をしてるんですか?」 一「えっと、これなんだけど」 一「ボクが欲しいって言ったら透華が張り切っちゃって」 透華「絶対に取ってさしあげますわ!」 一「ほらね?」 京太郎「なるほど……」 京太郎(さて、どうしよう) 京太郎「あのー、龍門渕さん?」 透華「何ですの?」キッ 京太郎「い、いや、アドバイスでもしましょうか?」 一「それいいね、透華はどう?」 透華「結構ですわ!もう一回!」 ウィーン 透華「そこですわ!」 キュッ 京太郎「あ、持ち上がった」 ポトッ 透華「むきーっ!もう!何なんですの!」ガタッガタッ 一「透華、揺らしちゃだめだよ」 透華「もう一回!もう一回ですの!」ポチッ 透華「この辺り……」 京太郎「いや、もう少し先に行っちゃいましょう」テヲノセル 透華「な、何をしてますの!後ろに行きすぎですわ!」 京太郎「大丈夫ですよ、見ていてください」 一(うわぁ、須賀君大胆だなぁ、距離近いよ) 一(二人とも集中してるから気づいてないみたいだけど) ウィーンウィーン ポロッ ガコン! 透華「お、落ちましたわ!」 一「それにしても、取れなかったのにどうして?」 京太郎「結構穴の近くにあったので押してみようかなー、と」 京太郎「おめでとうございます、龍門渕さん」 透華「ええ、そうで、す、わ……ね…………」ガバッ 一(あ、気づいた) 透華「なっ、何をしてるんですの!?」 京太郎「えっ、何って……あ」 透華「は、破廉恥ですわ!不潔ですわ!」ゲシッゲシッ 京太郎「ちょっ、脛はやめてくださいよ」 透華「うるさいですわ!」 京太郎「いたた、国広さんが宥めてくれたからいいけど……」 京太郎「さて、次はどうしようかな」 京太郎「せっかくみんなと遊んでるんだから写真とか撮りたいよな」 京太郎「プリクラに誘ってみよう」 久「プリクラ?いいんじゃない?」 優希「特別に許可してやろう、ふっふっふ」 桃子「もちろん私が京太郎の隣っすからね!」 衣「咲、プリクラ、とはなんだ?」 咲「えっ、う、うーん……」 咲「プリン食べられて暗くなっちゃった?」 京太郎「どういう状況だよ」 智紀「別に構わない」ピコピコ 純「うおっ!ちょっと待て!ぬわっ!」 「YOU LOSE」 純「くそぉ……」 智紀「これで十連勝」フフン 一「プリクラ?わかった、透華に話しておくね」 透華「がるるるるー!」 京太郎「モモと天江さんが隣か」 透華「ち、近寄らないでくださいまし!」 京太郎「すみません……」 衣「とーかときょうたろーは仲が悪いのか?」 透華「そ、そんなことありませんわ!ごらんなさい」ギュッ 京太郎「後ろからっ!?」 京太郎(でも、無いんだよなぁ……) 衣「そうか!なら衣も!」ギュッ 桃子「わ、私も!っす!」ギュッ 京太郎(ああ……右腕の感触がぁ……) 咲「京ちゃん…………」 優希「ニヤケすぎだじぇ」 衣「きょうたろーは衣とプリクラとやらを撮って楽しかったのだな!」 透華「……破廉恥ですわ」ジトッ 京太郎「そろそろ帰らなきゃだけど、もうちょい遊んで行こう」 京太郎「咲は何やってるんだ?」 咲「えーっと、これ、なんだけど」 京太郎「太鼓○達人か」 衣「どうやって遊べばよいのだ?」 京太郎「実際にやってみた方が速いから……」 京太郎「じゃあ俺が天江さんに教えるから咲は見ててくれ」 咲「うん、わかったよ」 衣「よろしく頼む!」 京太郎「まずは200円を投入します」 衣「うむ!」 京太郎「次に、ここのバチを取ります」 衣「おお、これはこの遊戯のために拵えられたのか!」 京太郎「しっかり握っててくださいね」 衣「きょうたろーの手は温かいなー」 京太郎「そんでもって、曲を選んで演奏開始です」 衣「楽しかったぞ!」 京太郎「それはよかったです」 京太郎「咲もわかったか?」 咲「…………ふんっ」プイッ 京太郎「咲?どうしたんだ?」 咲「べっつにー」 咲「京ちゃんはえっちだな、って」 京太郎「いやいやいや、何もやってないだろ」 咲「十分えっちだよ!衣ちゃんの手握って、抱き着いてるみたいだったよ」 京太郎「いや、だからと言ってなぁ」 咲「ふんっ」 京太郎「じゃあ俺もう帰りますね」 久「また来なさいね、今度こそ打ちましょう」 優希「次に会ったときが年貢の納め時だじぇ!」 桃子「また遊びに行くっす!」 咲「ふんっ、だ」 京太郎「いい加減機嫌直してくれよ……」 純「じゃあな、いつか打とうぜ」 智紀「……いつか打とうぜ」 純「俺の真似するんじゃねえよ、ちゃんと言え」 智紀「……じゃあな」 純「また俺の真似じゃねえか!」 衣「きょうたろー、今日は楽しかったぞ!」 衣「満月の夜に会うのを待っているぞ!」 京太郎「ええ、また会いましょう」 衣「うむ!」 京太郎「そろそろ帰るか」 一「あっ、須賀君、ちょっといいかな?」 京太郎「はい、何でしょうか」 一「ほら透華、渡しなよ」 透華「わ、わかってますわ!」 一「ほーらーはーやーく」 透華「これは……感謝の印として受け取ってくださいまし」 京太郎「このぬいぐるみ、さっきのやつですよね?」 一「あの後、透華が頑張って取ってさ、須賀君にお礼しようとしてたんだよ」 透華「はっ一!」 京太郎「そうだったんですか」 透華「違いますわ!」 一「もう、素直になりなよ」 透華「嫌ですわ!こんな破廉恥な殿方に何を!」 透華「…………ありがとうございました」ボソッ 一「気変わり速っ」 京太郎「いえ、こちらこそ、素敵なものをありがとうございました」 一「うん、じゃあね」 京太郎「はい」 京太郎「さて、と帰ってきたぞ」 京太郎「何をするかな……っと」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「ん、何だ?」 一『国広です、ボクたちの連絡先送っておくね』 一『衣とかにメールとかしてあげてね』 龍門渕五人の連絡先を手に入れた! 夜2 京太郎「照にメールするか、約束もしたしな」 京太郎「何て送ろう」 京太郎「雀士なら打って語ろう!」 京太郎『打たないか?』 京太郎「送信っと」 京太郎「照なら応えてくれるだろう」 京太郎「なんで帰ったのかも気になるしな」 照「…………」 照「打たないか、か」 照「私じゃなくても憩たちと打てるのに」 照「なんで、だろう」 照「…………わからない」 京太郎「返信来ないなー」 京太郎「寝てるんだろう、うん」 京太郎「次は誰とメールしようかな」 京太郎「辻垣内さんに送ってみるか」 京太郎「近寄りがたい雰囲気だけど、大丈夫だよな」 京太郎『麻雀打ちませんか?』 京太郎「大丈夫……だよな」 京太郎「そういえば辻垣内さんって目つき怖かったよな……」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「!」ビクッ 京太郎「ささささ流石にだだだ大丈夫だろう」 智葉『了解した、ルームナンバーは3398だ』 京太郎「よかったぁ……『ドタマぶち抜くぞ』とか言われなくてよかったぁ」 【MAOの世界へようこそ】 京:相変わらずリアルだな 京:鳥のさえずりまで聞こえてくるし、対局も牌の感触とかリアルだし 京:何よりもリアルの雰囲気がある 京:おっと、ここか player3108:来たか 京:辻垣内さんですか? player3108:ああ、今夜はよろしく、楽しみだ 束縛希望:縛られたか デビル人:同じく 東一局 親 デビル人 25000 リザベーション2翻 束縛希望 25000 player3108 25000 京 25000 智葉(須賀、高火力と速攻) 智葉(清澄の先鋒と似ているが) 智葉(こちらの方が楽そうだ) 【抉る眼光】発動! player3108:カン 京太郎(うっわ、片方潰されちゃった) 京太郎(でも、まだまだだ!) 京:ロン 京:24000 智葉(……ふむ) 東二局 デビル人 25000 親 束縛希望 25000 リザベーション3翻 player3108 1000 京 49000 智葉(どうやら見くびっていたようだ) 智葉(さて、と) 智葉(借りは返してもらうぞ) 智葉(張りつつ、やつを止める!) 【抉る眼光】発動! 智葉(安い……) 智葉(しかしまた須賀が危険だからな) 智葉(わずかでも取り返す) player3108:ロン player3108:1300 東三局 デビル人 25000 リザベーション3翻 束縛希望 25000 親 player3108 2300 京 47700 智葉(そろそろ疲れてきた……) 智葉(だが、まだいける) 智葉(私だって今年は準決で宮永といい試合をした) 智葉(だから、負けない) 【抉る眼光】発動! player3108:カン player3108:カン 京太郎(二萬も五萬も暗槓!?) 京太郎(三色が封じられた……か) 京太郎(捨てた方がいいよな) player3108:カン 京:なっ! player3108:嶺上ツモ、責任払いで18000 player3108:連荘 東三局一本場 デビル人 25000 束縛希望 25000 リザベーション3翻 親 player3108 20300 京 29700 智葉(そろそろ疲れてきた……) 智葉(須賀の一人聴牌) 智葉(ここは……オリておくか) 智葉(オーラスでまくる、ただそれだけだ) 京太郎(うむむ……辻垣内さん強いな) 京太郎(もういっちょ) 京:ロン 京:12300 オーラス デビル人 12700 束縛希望 25000 player3108 20300 親 京 42000 京:ツモ 京:12000オール デビル人 700 束縛希望 13000 player3108 8300 京 78000 智葉(一方的、流石は男子チャンピオンと言ったところか) player3108:おつかれ、先に失礼する 束縛希望:あっ、ああああっ! デビル人:部長、いい顔ですっ 京:何だったんだあの二人は 京:俺ももう寝るか 【8月第4週 休日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6066.html
桃子(どうも、東横桃子っす……突然の告白ってどう思うっすか?私は……) 桃子「ウチの高校は駅から遠くて嫌になるっすねー」 桃子(バスは混んでるからむぎゅ……押し潰されるし、こんなときも影の薄さが嫌に、むぐっ) 京太郎「あの、よかったら座りますか?」 桃子(?……ご老人も妊婦さんもいないみたいですけど) 桃子「……もももも、もしかして私に言ってるっすか!?」 京太郎「?ああ、女子でこの混雑は大変でしょ?」 桃子「あ、ありがとうっす!」 桃子(この人、清澄の人っすよね!?私が普通に見えるっすか!?) 桃子「……清澄の麻雀部員さんっすよね?」 京太郎「そうですよ、鶴賀の東横桃子さんでしすよね。須賀京太郎です」 桃子(普通に会話できる!?しかも覚えられてるなんて……) 桃子「た、タメ口でいいっすよ!どうしてこっちに?」 京太郎「実は買い出しで……」 桃子(普通に会話……それに男子となんて、もしかして久しぶりどころか初めてじゃないっすか?) 桃子「あはは、面白いっすね……あ、着いたみたいっす」 京太郎「いつの間にか、なんだか時間が経つのが早く感じるな」 桃子「なんっすかそれ、おじいちゃんの台詞っすよ。本当に京太郎は面白いっすね、それじゃあ」 桃子(本当……こんなに楽しい『普通』、時間が経つの早すぎるっすよ。あーあ、メアドとか聞ければよかったっすねー……もう会えないかも、とか、思っちゃ……) 京太郎「桃子!」 桃子「え、京太郎!?ど、どうしたっすかバス降りるのここじゃ」 桃子(も、もしかして同じようにまた、話したいから連絡先とか思ってくれたり) 京太郎「好きだ!一目惚れした!俺と」 京太郎「付き合ってくれ!」 桃子「え」 桃子「……ええええええええっ!?」 桃子「……ッハ!?いつの間にか自分の部屋に」 桃子(そ、そうだ少し考えさせて欲しいっすって言って連絡先だけ、交換して……) 桃子「突然の告白なんてどうしたらいいか分からないっすよー!もー!」 桃子「こういう時、どうすればいいっすか?……そもそも京太郎とは会ったばかりで」 京太郎(美化30パーセント増)『あっはっはっは、おもちおもち』 桃子「そりゃかっこいいし、話してて楽しいし……あれ?断る理由ないっすね?」 桃子「……いやいやいや!そもそも一目惚れって、私のどこが……そうだ!こんな時は友達に相談っす!」 桃子「友達いなかったっす……いや!麻雀部のみんなが私にはいるっす!」 桃子「えーと、ケータイ取りだしポパピプペっと、『私のいいところってどこっすか?』」 桃子「三通しか返ってこなかったっす……」 桃子「妹尾先輩は多分メールに気づいてないっすね……」 睦月『悩みがあるなら相談してほしい』 桃子「違うっすよ津山先輩……そうじゃな、いや、でも悩みではあるっすね」 智美『モモは麻雀が強いなー』 桃子「智美先輩、そうじゃなくてこう外見とか特徴とか……」 加治木『モモは特徴がなくとも、それを逆手にとり武器にする……言うなれば特徴のないことこそが特徴に……』 桃子「それはその通りですけど!うう、どうすれば……余計こんがらがっただけっす、いや、これは悩むだけ無駄ってこと。そもそもそんなこと京太郎にしか分からない、なら私は当たって砕けていくだけっす!いや、砕けたくはないっすね」 桃子「兎に角京太郎にメール、そうだ!デートに誘ってそこで答えを出すっす!ポパピプペっと」 桃子『今度の土曜日、駅前で待ち合わせっす!』 桃子「……よし、送ったっす。あれ?妹尾先輩から返信が」 妹尾『桃子ちゃんはふくよかで可愛いよ』 桃子「……」ふにっ 桃子「ど、土曜日まで後三日!とりあえずダイエットっす!」 桃子「グロスを塗って……アヒル口ってどうやるんっすかね?い、いや別にキスを期待してるわけじゃないっすけどね……一応!一応!あ、いいものが 」 アヒルちゃんプロペラ「」 桃子「……むー?こ、こうひゅかね?」 智美「なんでモモはアヒルとにらめっこしてるんだー?」 桃子「わっひょい!?」 桃子「ね、ネイルって……今時の女子高生ってそんなことまでやるっすか?」 ゆみ「むしろ私は今までやってなかったことに驚きだよ」 佳織「駄目だよーちゃんとしないと」 桃子「うひっ、くすぐったいっすよ!」 睦月「カラコンとマスカラ、とりあえず色々揃えてみたけど……」 桃子「ありがとうございます!」 睦月「こういうのはやり過ぎても……って行っちゃった」 桃子「よし!装備は完璧っす!あとら明日に備えて寝るだけっす」 桃子「ぜ、全然眠れない」ドキドキ 桃子(だ、大丈夫っす目覚ましも三個セットしてあるし安心して寝れる……会うだけ、会うだけでそんな緊張する意味なんて) 桃子(……可愛いって言ってくれるっすかね、みんなと相談して、多分人生で一番のオシャレっす) 桃子(だ、か、ら!寝ないといけないっす!クマだらけの顔で京太郎に会うわけには……) 桃子(もしかしたら、明日から彼氏が……できるかもしれない、本当に今までだったら考えられないこと……) 桃子(あ、あはは……もう外が明るいっす……こうなったらこのまま起きてハイテンションのまま乗りきるしか……よく、考えればその方がいいっす、素面のままあったら恥ずかしくて顔みれな) 桃子「ぐう」 桃子「……んが」 桃子「……」 桃子「……」 桃子「……」 時計『待ち合わせ十分前やな』 桃子「ね」 桃子「寝坊したぁあああああああ!?」 桃子「あ、ど、どうしよう、と、とりえず顔洗って、着替え、着替え、あ、化粧……諦めるしかないっすね……と、にかく早くしなきゃ、京太郎が……」 桃子「はぁ、はぁ……急げばバスに間に合うっすね、ちょっとマナー悪いっすけど、バスの中で髪は整えるしか……」 桃子「痛っ……あ、ああ……ヒール折れたっす……これじゃあ間に合わない……こうなったらもう片方も折るっす!えい!」 桃子「ああ、もう時間が……とりあえずバスに乗って、って、なんでこんなに混んで、むぎゅ……押さないで欲しいっす、服が、今日のために用意した綺麗な服……」 京太郎「……どうしたんだろ、桃子。電話も出ねーし、なんかあったのか?」 京太郎「振られた?……いやいや!探そう、行き違いになってるかもしれないし」 京太郎「……ああ、いたいた。どうしたんだ桃子?」 京太郎(街路樹の下で、隠れるようにうずくまる桃子がそこにいた) 桃子「……今日ほど、消えたいと願った日はないっす」 京太郎「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」 桃子「なんで怒らないっすか?遅刻したっすよ、私……遅刻して、髪もぐしゃぐしゃで、化粧もしてないし、部活のみんなで選んだ服もぐちゃぐちゃになって、背伸びして履いたヒールも折れて……」 桃子「こんな、こんなんじゃ、京太郎に会わせる顔なんて、ないっす」 桃子「私が、目立とうとしたのが間違いだったんっす、恋人なんて、誰かに、好かれるなんて、夢みたのが……」 京太郎「えーと、さ、それってつまり、いつもの桃子ってことだろ?」 桃子「……そうっすよ、いつもの、地味で、影の薄い」 京太郎「そんなことねえよ」 桃子(頭、撫でて……) 京太郎「俺は、その、なんだ、いつもの、普段の、バスで隣通し喋った桃子がとっても魅力的で、ぴかぴかして惚れたんだ。地味でもないし、影なんて薄くない、めちゃくちゃかわいい女の子だよ」 桃子(涙を流す私の顔を見て、京太郎はそう言ってくれたっす……そのとき、私が京太郎を気になっていたのは顔でも性格でもなくて……その) 京太郎「あ、また告白しちまったな……これで恥ずかしさおあいこってことでさ」 桃子(その、まっすぐに私を見てくれる眼が……) 桃子「京太郎」 京太郎「元気でたか?それじゃむぐっ!!???」 桃子「……っぷは、あ、アヒル口忘れてたっす」 京太郎「も、桃子今の……」 桃子「モモって呼ぶっすよ、だって」 桃子「恋人っすから」 京太郎「……へーへー、じゃあ買い物にでもいくか、モモ」 桃子「ってうわぁ!?お姫様だっこって……恥ずかしいっすよ……」 京太郎「お返しだ」 桃子「買い物って、どこに……」 京太郎「そうだな、服屋に化粧品……とりあえずは」 京太郎「靴屋だな」 桃子(その日、私は彼氏に買ってもらった靴を履いて帰ったっす) 桃子「と、言うわけでこれが私の告白作戦っす!同じようにすればきっとその好きな人と恋人になれるっすよ!」 咲「あーうん、もういいや、っていうか目的がなくなったというか、試合になってなかったっていうか……うぅ」 桃子「どうしたっすか?加治木先輩から恋愛相談されたときはビックリしたっすけど、大丈夫っす!他にも色々話すことはあるっすよ!」 咲「うう、部長に相談したら恋愛経験ある人紹介してくれるって言ったけどこれじゃああんまりだよ……」 桃子「代わりにと言ってはあれっすけど、ちょっと京太郎のことで聞きたいことがあって……宮永さんは幼馴染みっすから色々……」 咲「うわぁあああああん!」 カンッ!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6459.html
はやり「えい!」トンッ 京太郎「ぬおっ」ドサッ はやり「欲しいって、言ってるの……暴食と色欲の京ちゃん☆」ニコッ 京太郎(ッ……だめだっ、興奮状態っていうか、あぁもう、馬乗りになられるとっ) はやり「さて、京ちゃん、良いかな?」フフッ 京太郎「ッ~~!?」 京太郎「はやりさん!」グイッ はやり「ひゃうっ!?」グルッ バタンッ 京太郎「ふぅ~」ハァハァ はやり「あれ、これ不味いって……私が喰べないとっ」 京太郎「い、良いですか?」ハァッハァッ はやり「は、はやや~……」 数ヶ月後- 京太郎「いや、そのね?」 はやり「はややーニュースになってるよ」 京太郎「あのですね」 はやり「これは大ニュースだよねぇ、牌のお姉さん男の気配も無かったのに妊娠……ねぇ?」 京太郎「は、はい……」 はやり「初めてだったのに、一発だってぇ……まぁ一発じゃないけど」 京太郎「その、ねぇ?」 はやり「はやりのこと、もらってくれないの?」 京太郎「是非お願いします」 咏「うぉい!京ちゃん、ほんとに良いのか!?」 京太郎「だってぇ」 はやり「わぁ~私が一番最初に既婚者になっちゃったよ~」 晴絵「嘘だぁ!」 健夜「腹パンの修行してくる」 京太郎「やめてください!」 はやり「さ、京ちゃん!私たちの輝かしい未来のために頑張ってね♪」 京太郎「ま、まぁこんなことになったのも俺の未熟さゆえですので……ん、ちょっと待てよ、あの時って薬を?」 はやり「わ~い、私たち幸せになります♪」ギュッ 京太郎(まぁ良いか!) はやり「ね♪」 京太郎「おう!」 瑞原はやりED1 はやり「えい!」トンッ 京太郎「ぬおっ」ドサッ はやり「欲しいって、言ってるの……暴食と色欲の京ちゃん☆」ニコッ 京太郎(ッ……だめだっ、興奮状態っていうか、あぁもう、馬乗りになられるとっ) はやり「さて、京ちゃん、良いかな?」フフッ 京太郎「ッ~~!?」 京太郎「か、勘弁してくださいっ」ドンッ はやり「はやっ!?」ドサッ 京太郎「お、俺は、喰われませんよッ!」カッ はやり「ッ!?」ゾクッ 京太郎「あっ」フラッ ゴッ はやり(あれ、机の角に頭ぶつけてっ) はやり「大丈夫!?」 京太郎「うぅ……」ガクッ ?- 京太郎「あれ、ここ……」 「まったく、強欲は……色欲なんじゃないのか?」 京太郎「おう俺か」 「好きでお前の姿になってるんじゃないけどな」 京太郎「へぇ」 「ともかく、思いのほかお前のペースが速くて驚いてるんだ、あいつも」 京太郎「あいつって前の女の人?」 「そうそう、とりあえず……今の内に味方は増やしとけよな」スッ 京太郎「また扉か」 京太郎「淡、助けるって約束したしな」ギィッ 「拒絶されたなら諦めとけよ」 バタンッ 京太郎「おう、変わらないけど……」 淡「!」ダンダンッ 京太郎「壁を叩くな、俺がぶっ壊す!」グッ バリンッ バァッ 京太郎(ふぅ……あたりも氷一面から普通の部室に戻ったな) 淡「京太郎っ」ダキッ 京太郎「おわっ!?」 淡「約束通り、来てくれたんだっ……」 京太郎「まぁ、約束だし……ほら、待ってるぞ」 淡「ん?」 照「淡?」 菫「どうした淡」 尭深「行こ……」 誠子「遅いぞ」 京太郎「待ってるぞ」 淡「京太郎、私を助けてくれたお礼に……私が、京太郎を助けるから」 京太郎「……おう、頼むな?」 淡「うん、私が京太郎を守るから!」ニコッ 70日目- 朝- 京太郎「ふぅ……あれ?」ムニュッ 京太郎(あれ、ベッドの上に全裸のはやりさんと俺……) 京太郎「ぬおわぁっ!?」 京太郎(落ち着け、俺は……服を着てるってことははやりさんのいたずらかっ!) 京太郎「ふぅ、落ち着いてきた」 京太郎「さて、朝御飯作るか……」スッ 対応力100により、実に良い朝御飯ができた 京太郎(それにしても、体が重い気もするなぁ) 京太郎「暇つぶしに誰かに電話でもしてみるか」 京太郎「よし、小鍛冶さん!」 プルルルル…プルルルルル…プルッ 健夜『はい、もしもしぃ』 京太郎「あ、須賀です」 健夜『え、須賀君!?』 京太郎「あはは、今東京にいるんですよ」 健夜『へぇ、そうなんだぁ!』 京太郎「っていうことで」 健夜『あはは、大変だね~阿知賀かぁ、私も会いたい人いるんだよね~』 京太郎「へぇ~」 はやり「おはよう、私の体はどうだったかな☆」 京太郎「やわら……なに言わせるんですか」 はやり「にゃはは、とりあえず御飯食べよ!京ちゃんの朝御飯!」 京太郎「はい、どうぞ」 はやり「いただきます」 京太郎「めしあがれ」 はやり(やっぱり京ちゃんは欲しいなぁ) 朝- 京太郎(まだ朝って言って良い時間だなぁ) はやりん「ん~♪」 京太郎(なんで俺ははやりさんに耳かきしてるんだろう……) 京太郎(とりあえずもうちょっと経つまでこうしてよう) はやり「んぁっ」 京太郎「いきなり変な声出さないでください、刺さりますよ」 はやり「そうしたら京ちゃんがもらってくれるよね☆」 京太郎「重い」 はやり「むっ、牌のお姉さんの体重はリンゴ3個分なんだよ!」 京太郎「いや、ほんと動かないでくださいよ?」 はやり「うん☆」 昼前- 京太郎「お昼どうしますか」 はやり「ん~、食材ないし」 京太郎「買いに行くか食べに行くか……」 京太郎「じゃあ買いに行きましょうか」 はやり「じゃあ変装だね」 京太郎(ほんと別人みたいだな) はやり「いつもの方と今の方、どっちが好きかな?」 京太郎「……いつもの方ですかね?」 はやり「えへへ☆」 スーパー- 京太郎「さすがにこの時間は人が多いですねー」 はやり「そうだねー☆」 京太郎「さて、帰りましょうか~」 はやり「荷物持たなくて平気」 京太郎「これでも男なんで」フフン はやり「さっすがだね☆」ギュッ ムニュッ 京太郎「ぬぁっ!」 はやり「ご褒美☆」ボソッ 京太郎(落とされそう……) 昼- 家- 京太郎「ん、おいしいですね」 はやり「そうだね、さすが私の旦那様だね☆」 京太郎「か、からかわないでください」 はやり「はやや、照れてるのかな?」フフッ 京太郎(い、いかん……遊ばれてるのか!?) はやり「うん、本当においしいよ」ニコッ 京太郎「あ、ありがとうございますっ」ドキッ はやり(良い感じ♪) 昼過ぎ- はやり「そろそろどこか行く?」 京太郎「ん、そうですね~」 京太郎「そうですね、どっか行きますか!」 はやり「デートだね☆」 京太郎「だからそういうからかいはやめてください!」 はやり(ん、普通にデートじゃないのかな?) 京太郎(はやりさんと一緒にいると、理性がガリガリ削られるな) はやり「ふふ~ん♪」ギュッ 良子「Oh、これはとんでもない現場に遭遇してしまったのかもしれません」 京太郎「あぁ戒能さん、貴女が助けです……」 京太郎(ま た お も ち か) はやり「良子ちゃん!今デート中なの☆」 京太郎(まさかこの俺がおもちはもう良いと思う日がくるなんてな、すみません玄さん)フッ 良子「では私はこれで」ガシッ 良子「ホワイ?」 京太郎「お願いします、一緒に来てください」 良子(鬼気迫ってますね) 良子「わかりました」 京太郎(自然な流れで俺とはやりさんの間に)スッ はやり(むっ!) 京太郎「ふぅ……」 夕方- 京太郎(あ、そう言えば白糸台に……いや良いか、戒能さんを誘ったばっかだし) 良子「そう言えば京太郎君、学校はどうしてるんですか?」 京太郎(あ、忘れてた) 京太郎「今は偵察中なんです」キリッ 良子「さすが、と言う所でしょうか……須賀君を偵察に出すなんて龍門渕高校は凄まじい」 京太郎(どうするか……) 京太郎(まだ帰らなくて良いか!) 良子「だからあれは……」 はやり「えぇ、そうかな~?」 京太郎(どっちかに話を振ってみるか) 京太郎「そういえば戒能さんも雑誌の取材で俺の名前を出してくれたとか」 良子「まぁ、あれを見れば当然でしょう……永水のTop3をまとめて相手にしてあれですから、それに暴食と色欲」 京太郎「巫女さんたちには嫌われそうですね~」 良子「まだ言っていないのでご安心を」 京太郎(安心?) 京太郎「そう言えば、戒能さんとはまだ麻雀したことないんですよねー」 良子「ふふっ、してみますか?」 京太郎「プロの方と本気で、小鍛冶さんにぼろ負けしたんですよねー」ハハッ 良子「小鍛冶プロは別格ですからね、当然です、ノーウェイノーウェイ」 京太郎「まぁ確かに」ウンウン 夕方2- はやり「夜ご飯はどうしようか!」 良子「前みたいに居酒屋というのもあれですしね」 京太郎「まぁあれはあれで構いませんよ」 はやり「うぅ~ん、居酒屋か普通のレストランか……良子ちゃんの家か私の家か?」 良子「では決めてください」 京太郎「俺ですか!?」 京太郎「レストランで良いんじゃないですかね?」 良子「YesならばGo wayです」ウンウン はやり「よし、行くよー!」 京太郎「はい」 レストラン- 京太郎「良かった、普通だ」 良子「もっとゴージャスな場所だと思いましたか?」 京太郎「まぁ、二人が行く場所というと」 はやり「普通だよ☆」 京太郎「よし、頼むもの決めましょうかー」 はやり「うん、そうだね♪」 京太郎「戒能さんは結構飲むんですか?」 良子「まぁ、並と言う感じで……はやりさんは凄い飲みますから」 京太郎「それは知ってます、冷蔵庫みたんで」 良子「Oh、それはそれは……結構なものを見ましたね」 京太郎「はい、今は食材も入れましたけど」 良子「泊まったんですか?」 京太郎「はい」 京太郎(ん、無事か?) 京太郎「そう言えば俺の麻雀を評価してくれてるのはわかったんですけど、俺自身はどう思ってるんです?」 良子「……ナンパで」 京太郎「ナンパじゃありません」 良子「ならなんでまた」 京太郎「ほら、麻雀だけの関係って寂しいじゃないですか」ハハッ 良子「それ、シラフで言ってるなら色欲も納得です」 京太郎「へ?」 良子「いえ、とりあえず……良くは思っていますよ」フッ はやり「さて、そろそろ帰ろうか京ちゃん♪」ギュッ 京太郎(煩悩退散……色欲的にどうなんだ?) 良子「はやりさんの家は危険ですね、私の家に来ますか?」 京太郎「あ、えっと……」 京太郎「いや、今日は泊まる場所は決めてるので」 はやり「え~」ブー 良子「そうですか、安心しました」 京太郎「はい、ではこれで」フリフリ はやり「またね~」 良子「それではまた」 京太郎「さて……」 コンビニ- 京太郎「さて、適当に買うか」 京太郎「あ、弘世さん」 菫「須賀君、どうしたんだこんなところに?」 京太郎「いえ、菫さんこそ」 菫「私は夜食を買いに……いや、今のは違うぞ!」アタフタ 京太郎(なるほど……) 菫「まだ東京にいたんだな」 京太郎「まぁ、そうなんですよね」アハハ 菫「近くに泊まっているのか?」 京太郎「あはは、実は今日はネットカフェに泊まる予定でして」 菫「なに?」 菫「今日明日と丁度、親が居ないんだが……来るか?」 京太郎「え?」 菫「いや、あくまでも寝る場所を提供するだけだ、他意はない!」カァッ 京太郎「いえ、わかってますけど……」 京太郎「では、お願いしても良いですか?」 菫「ああ、じゃあ行こうか……」 京太郎「夜食は?」 菫「……買おう」 弘世家- 京太郎「お、お邪魔しまーす」 菫「あまり緊張しなくても良い、どうせ私だけだしな……上の階の私の部屋に行こう」 京太郎「了解です」 菫「一応言っておく……あまり面白みを期待しなくて良いから」ガチャッ 京太郎(おぉ) 京太郎(ベッドに人形とか置いてある……っていうか女の子っぽいなぁ、本棚に少女漫画と……麻雀の本もあるのか) 菫「あ、あまりみられると恥ずかしいんだが」カァッ 京太郎「これは失礼しました」 菫「ど、どうなんだ?」 京太郎「あ、ええっと……女の子らしくて可愛いですね!」グッ 菫「そうか、安心した」ホッ 京太郎「一人部屋でテレビがあるって羨ましいんですよねー」 菫「須賀君にはないのか?」 京太郎「一人部屋なんですけど、部屋にテレビはありませんね」 菫「そうなのか、こういう時に楽で良い」 京太郎「ですねー」 京太郎「麻雀の話なんですけど……」 菫「君は麻雀馬鹿だな」 京太郎「ありがとうございます」キリッ 菫「そう言えば君の乗っている雑誌があったな」 京太郎「恥ずかしい!」 菫「まぁ見てみると良い、ここに置いておくから」フフッ 京太郎「これ、おいしいですねー」モグモグ 菫「期間限定らしいからな、こういうのに弱い」モグモグ 京太郎「あぁ~わかります」 京太郎「そういえば弘世さんって彼氏とかいるんですか?」 菫「なななっ!君は突然どうした!?」 京太郎「なんか男受けしそうな感じなんで」 菫「皮肉か?」 京太郎「いえいえ、俺が魅力的だなと」 菫「のっ、飲んでるのか!?」カァァツ 京太郎「んなわけないっすよ、淡とか聞きそうなイメージあるんですけど」 菫(男に聞かれるのと女に聞かれるのとでは違うっ!) 菫「ま、まぁ居ないが……」 京太郎「へぇ、意外ですね!」 菫(な、なんだ一体!?)カァァ 菫(妙に意識してしまうっ)カァァッ 京太郎「ん、これもいけますよ」モグモグ 京太郎「白糸台のことなんですけど、今年も全国に来るんですよね?」 菫「そうだな、まぁ照と淡がいれば平気だろう」ウンウン 京太郎「信頼してるんですね」 菫「まぁ尭深や誠子も十分な力を持っているし、問題はなにも無いだろう」 京太郎「へぇ~」 京太郎「淡、今日はどうでした?」 菫「ん、別に普通だったが……須賀君が来るのかと聞いてきたな、なにかあったのか?」 京太郎「いえ、特には無いんですけど、戦績とかってどうなんですか?」 菫「淡は強いぞ、最近はさらに強い」フフン 京太郎「……みんなのこと大好きですね」 菫「……そうはっきり言われると」カァァッ 京太郎(かわいいなこの人) 菫「そろそろ寝ようか」 京太郎「俺はそこらで寝ますんで」 菫「いや、布団は襖の中に、ほら」ドサッ 京太郎「どうもです、色々と」 菫(お、男と同じ部屋かっ……)カァァッ 京太郎「では、おやすみなさい」 菫「あぁ、おやすみ……って風呂はいいのか?」 京太郎「まぁ今日は構いませんよ、突然泊めてもらったんですし」 菫「そうか、じゃあおやすみ」ニコッ 京太郎「おやすみなさい」 京太郎「弘世さん、ほんと今日はありがとうございます、なんてお礼言っていいか」 菫「私も友人がネットカフェで一夜過ごそうとしているのだから手助けぐらいするさ」 京太郎「ほんと、良い人ですよね弘世さんって」 菫「おだてたって何も出ないぞ」 京太郎「いえいえ、おだてとかじゃないくて弘世さんみたいな人が彼女なら良いんですけど」ハハッ 菫「……ほんと、さりげなくそういうことをっ」 京太郎「そういえば明日学校ですよね、あんまり夜更かしも良く無いでしょうし、おやすみなさい」 菫(私はおかげさまで冴えてるよ……) 京太郎(ん~菫さん寝たのかな、誰かにメールしてみよう……起きてるかわかんないけど) 京太郎(照さん、起きてるのか?) 本文『起きてますか~?』 差出人:照 本文『起きてるよ』 京太郎(意外ッ!) 本文『なんとなくメールしてみた』 差出人:照 本文『嬉しいよ、今はまだ東京?』 京太郎(……まぁ良いだろ) 本文『今、弘世さんの家に泊めてもらってるんだ』 差出人:照 本文『え、なにそれ怖い』 京太郎(そうかな?) 本文『なにもしてませんよ、泊まる場所が無かったから』 差出人:照 本文『ウチに来れば良かったのに、お母さんも京ちゃんのことは知ってるんだし』 京太郎(でも泊まるのとは別だろうなぁ) 本文『まぁ今度は頼らせてもらうよ』 差出人:照 本文『うん、じゃあまたね』 京太郎(はい、おやすみなさいっと) 70日目終了- ?- 京太郎「んぁ……?」 「これで全員の絆を手に入れたわけだ」 京太郎「そうなのか?」 「アイツに言わせればガタガタなんだろうけど」 京太郎「ガタガタって?」 「ここで手に入れた絆と、また別のところで手に入れた絆、なんだよ」 京太郎「ふぅーん」 「ちょっとしたマークを入れておいたぞ、ほら」スッ 京太郎「ん、扉かぁ」 京太郎「シロのところに行くか」ギィッ 「おいおい、別に行く必要は無いだろ、ガタガタだろうといざとなれば使える」 京太郎「ほんと性格悪いなお前」 バタンッ 「いや、俺だよ」 京太郎「あれ、ここは……どっかの神社?」 白望「怠い……」グテー 京太郎「おい、賽銭箱の上で寝るとか馬鹿か!」 白望「別に、ここは私の世界だし……」 京太郎「まったく……ん、あそこにいるのは豊音さんで、あっちは胡桃さんで塞さんで、エイスリンさんか」 白望「全員、バラバラな場所にいて真っ黒な影になってるでしょ?」 京太郎「そうだな、原因は?」 白望「わかんない……」 京太郎「ん~」 トシ「深層心理における全員の立ち位置みたいなもんさ」ハァッ 京太郎「トシさん、何者なんですか」 トシ「ま、京ちゃんが罪作りな性格だからこそどうにかなりそうだけど」 白望「?」 トシ「シロ、塞、胡桃は他のメンバーより近いだろう?」 京太郎「まぁ、確かに……」 トシ「怠いからこそ、シロが近づくことも周囲が近づくこともないってわけ」 京太郎「んなわけ」 トシ「言ってるだろ、ここはシロの深層心理の世界なんだから、シロがそう思ってるのさ」 京太郎「へ?」 トシ「とりあえず、元々『絆』はあるんだ……シロを喰いな」グッ 京太郎「く、喰うってどうやって?」 トシ「そのままの意味さ」 白望「二人ともなんの話してるの?」 トシ「ほれ、精神世界なんだからやりたい放題しちゃいなよ」フフッ 京太郎「……はぁ~」 トシ「ね?」ニコッ 京太郎「なぁシロ」スタスタスタ シロ「どうしたの?」 京太郎「……」 京太郎「……ごちそうさま」 白望「~~~ッ!?」ガクッ トシ「犯罪っぽいねぇ」 京太郎「トシさんがやれって言ったんですからね!」 トシ「まぁともかく、これで怠惰する影も消えるさ……」 京太郎「どういうことです?」 トシ「まぁ、怠惰にしろ大罪は全部諸刃の剣……莫大な力を得るし、まぁそこらへんはお約束ってわけだ」 京太郎「とりあえず、これで怠惰が緩むと?」 トシ「わかってるじゃないか、そろそろ限界だから戻るね」 京太郎「え、トシさん!?」 トシ「またね京ちゃん、シロの守るものはこの四人、それは見つかってるけどただ遠いと思い込んでいる……とりあえず、あんたが動きな」シュゥ… 京太郎「こんな状態のシロと二人にされても……」 白望「ふぁ、ぅっ……んっ」ビクッ 京太郎「ちょっと抱っこするぞー」スクッ 白望「こ、れは?」 京太郎「ほら、怠いかもしんないけど、それを抱えながら生きてくのが人間だよ、本当に怠かったら俺がこうやって手伝ってやるから、な!みんな!」 バァッ! 塞「シロ!」 胡桃「シロ!」 豊音「シロー!」 エイスリン「シロ!」 京太郎「ほら、これでオッケーだろ?」 白望「……おせっかい焼きだね」 京太郎「おう」 白望「……私も、おせっかい焼いていい?」 京太郎「怠くないのか?」 白望「怠くない……ダル」 京太郎「そっか」 71日目- 朝- 京太郎「ん……あぁ、朝、しかも弘世さんの部屋だし」 ガチャッ 菫「ん、起きたのか」 京太郎「あぁ、すみません」 菫「朝御飯はできてるから、降りてきてくれ」 京太郎「ん、了解っす」 京太郎(あ、何か忘れてると思ったら、荷物はやりさんの家に置きっぱなしじゃね?) 京太郎「ん、おいしい!」 菫「なら良かった」ニコッ 京太郎「……なんか新婚夫婦みたいっすね」 菫「ッ□△○×!?」 京太郎「どどどどど、どうしました!?」 菫「君がどうしたぁ!?」 京太郎「へぇ!?」 外- 京太郎「それじゃありがとうございました!」ペコッ 菫「あぁ、また遊びに来てくれ」 京太郎「はい、ではまた!」 菫「うん」フリフリ 京太郎「さて、どうすっかな」 京太郎「まだ終わらんよ」キリッ 京太郎「よし、電話しよう後で!」 京太郎(昼まで時間つぶさないとな~) 京太郎「そうだ、東京住まいのプロなら誰かしら暇な人がいるはず!」グッ 京太郎「良子さん、大丈夫かな?」 プルルッ 良子『私です』 京太郎「戒能さん、今日暇ですか~?」 良子『……学校休んで遊び歩いて大丈夫なんですか?』 京太郎「部活の活動ですから!」 良子『なら良いんですが、まぁ京太郎君には二本目の槍もありますからね、とりあえず今日は暇ですが』 京太郎「行っても平気ですか?」 良子『Oh……わかりました、迎えに行きますから、昨日の晩御飯を食べたレストランの前で待ってて下さい』 京太郎「迷惑ですか?」 良子『いえ、そういうわけじゃありませんから、待っててください』 京太郎「は、はい……」 良子『少々時間がかかるかもしれないので、お待ちを』 京太郎「はーい」プツッ 京太郎「……どうしたんだろ?」 昼前- 京太郎(弘世さんにも連絡入れたし、あとは行くだけだな) 良子「お待たせしました」 京太郎「いえいえ、すみません突然」 良子「別に構いませんよ、では行きましょうか……の前にお昼ですかね」 京太郎「あぁ、そうですね~」 京太郎「じゃあ、俺で良ければ作りますよ」 良子「はやりさんや咏さんから聞いてましたから、楽しみですね」フッ 京太郎「お任せあれ!」 スーパー- 京太郎「何が良いですか?」 良子「なんでも構いませんよ、須賀君の料理が楽しみなわけですから」 京太郎「よし、張り切っちゃいますよ!」 京太郎「さて、他にあとはこれと」 良子(男の人と買い物というのも、はじめてですね) 京太郎「あれ、はやりさん」 良子「」チッ はやり「あれれ、舌打ちが聞こえたよ~?」 良子「大丈夫です、ノーウェイノーウェイ……」 良子(せっかくデート気分に浸ってたのに) はやり(勝手に私の京太郎君を取らないでね?) 良子(……どうしましょうね?) はやり(おこっちゃうゾ☆) 京太郎「はやりさんはこの後どうするんです?」 はやり「私はね……」 はやり「暇だゾ☆」 良子「まぁ構いませんが、須賀君……三人分必要なようです」 京太郎「まぁそんなに変わりませんから良いんですが、ならはやりさんの家で良いんじゃないですか?俺の荷物もありますし」 はやり「そうだね♪」 良子(掃除した意味が……) 京太郎「さて、行きますか」 はやり「うん☆」ギュッ 京太郎(ぬおっ、おもちがっ!) 瑞原はやり宅- はやり「はやや!さすがの味だよ京ちゃん♪」 良子「噂に違わぬおいしさですねDelicious!」 京太郎「なら良かった」 はやり「良子ちゃんの御飯もおいしいけどね」 良子「はやりさんは作りませんね」 はやり「牌のお姉さんだからネ☆」 京太郎「咏さんは普通に上手いですし、小鍛冶さんはどうです?」 はやり「あ~」 良子「小鍛冶さんは……実家暮らしですからね」 京太郎「そういえば地元で大人気とか」 良子「らしいですねー」 昼過ぎ- 京太郎「洗物終わりました~」 はやり「さすが京ちゃん、手際が良い!」 良子(須賀君、なんて良い主夫!) 京太郎「戒能さんって新人賞とかとってましたけど、やっぱりオカルト持ちですか?」 良子「まぁ、持ってないとやっていけないですから」 京太郎「ですよねー」 京太郎「そう言えば永水って神降ろしやらを使うんですよね?」 良子「そうですね、まぁオカルトのプロフェッショナルと言って良いですから……約一人を除けばトップクラスです」 京太郎「約一人?」 良子「ええ、まぁ情報をこれ以上喋るわけにはいきませんが」 京太郎「あらら、ダメですか」 良子「えぇ、これでも従姉妹がいますので」 京太郎「じゃあ諦めますかね」 良子「頑張ってください」ニコッ 京太郎「あい」 京太郎「さて、今日は白糸台に行く予定なのでこれで失礼します」 はやり「あれ、淡ちゃんのとこ?」 京太郎「なんでってそりゃ知ってますよね」 はやり「そうだね、じゃあ行ってらっしゃい」 良子「そう言えば、今日はどうするんですか?」 京太郎「泊まる所あるんで平気ですよ」 はやり「あらら残念だよ」 良子「困ったらいつでも頼ってください」グッ 京太郎「ありがとうございます二人共、じゃあ俺はこれで!」バッ 白糸台高校前- 京太郎「さて、誰に連絡してみるかなー」 京太郎(よし、メール完了) 淡「京太郎ー!」ガバァッ 京太郎「ぬおっ、びっくりさせるな!」 淡「そんなこと言わなくても良いじゃん……あんなとこまで踏み込んできたくせにっ」ポッ 京太郎「変な言い方すんな!」クワッ 白糸台高校・麻雀部部室- 京太郎「どうもこんちゃ!」 照「京ちゃん、昨日のことなんだけど?」 菫「ッ!?」 京太郎「あぁ、弘世さんの」 菫「よし部活だ!須賀君、今日はどうする!?」 京太郎「あぁ、どうしましょう」 尭深「粗茶ですが」 京太郎「いつもありがとうございます尭深さん」 誠子「どう須賀君、昨日はリール、クルクルした?」 京太郎「持ちネタにする気ですか!?」 京太郎「いっそのこと打ちますか!」グッ 菫「なるほど、君と打つと良い経験になるしな」 淡「誰とするの!?」 淡「よし、今日は負けないよ!」 京太郎「俺も負けるわけにはいかないからなぁ」ゴッ 照(迫力すごいけど……菫の家に泊まったとかちょっと気になることもあるから、とりあえず二人を狙おう)シネン 京太郎(なんか異常な) 菫(プレッシャーが) 照「行くよ」ゴッ 菫「望むところだ!」 京太郎「よし!」 京太郎(さて、どう来るか!) 菫(狙い撃つ!) 照(咲には、勝てたのかな?) P能力『照魔鏡:モードA』発動 オカルト95までの相手の能力の効果を受けない 淡(行くよ!) P能力『傲慢:ドゥーベ』発動 最も高い麻雀力を持った相手と同じ麻雀力になる 京太郎(また見られた!) 照(京ちゃん、ちょっと前と見え方が違う?) 京太郎(さて、これは痛いなっ!) 菫(狙い撃つには十分な状況だ) 照(よし、これならまだ勝てる) 淡(私が負けるわけないって!) 京太郎「リーチせずにはいられないな!」タンッ 尭深(あれ、切るの?) 誠子(まるでわからないなぁ) 京太郎「さて……」ニッ 能力『アウトロー・タウン(喰)』発動 菫(なにをする気か知らないが、狙い撃つのみ!) 能力『シャープ・シューター』発動 京太郎(いや、あっちはどうでもいい) 菫(くっ、なんだか馬鹿にされた気がするぞ!) 淡(行くよ!)ザワッ 能力『傲慢:メラク』発動 京太郎(来たな、大罪!) 淡(来たね、暴食!)ゾクッ 京太郎(貰ったぁ!)カッ 能力『魔物喰い』を発動 京太郎「」ニッ 淡(やっば!?) 京太郎(喰らうッ!) 「おいおい、良いのか?また前みたいになるかもしないぞ?」 京太郎(喰らう!)ガルルルッ 「まさか、聞こえてない?ずいぶんイッちまってるな……まぁ好きにしろよ」 京太郎「ッ!」ギンッ グチュッ ブチッ グチッ ググッ ブチリッ 京太郎「」プハァ 淡(ひんっ!?)ビクンッ 照「え?」 菫「淡!?」 淡(や、やだっ、なにっ、~~ッ!?)ビクンッ 京太郎(今の違和感、発動したか!) 淡「んっ」ガクンッ 京太郎「淡!?」 保健室- 京太郎「おろすぞ」ソッ 淡「あ、ありがとっ……」ハァハァッ 京太郎(案の定保険の先生がいないな) 淡「京太郎っ、なんか、おかしぃっ……」ハァハァッ 京太郎「えっと……」 淡「な、なんなんだろっ……」ハァッ 京太郎「えっとさぁ」 淡「京太郎の、暴食っ……?」 京太郎「暴食じゃなくてっ」 淡「こ、これ……なんとか、してぇ?」ハァッハァッ 京太郎「あ、あのなっ!」キィンッ 京太郎(やばい、なんだこの感覚ッ!?) 淡「ね、はぁっ……良いでしょ?」ニコッ 京太郎「あ、淡ッ」 数ヶ月後- 菫「で、言うことは?」 淡「私悪くない」 京太郎「はい、全部俺が悪いです」 菫「退学だぞ退学!」 淡「別に良いもん!」 京太郎「申し訳ございません」 誠子「ほんと、不良どころの話じゃないよね」 淡「不良じゃないし」 京太郎「ごめんなさい」 尭深「進路は?」 京太郎「俺がプロになる予定です、すみませんでした」 淡「謝らなくて良いから!」 京太郎「でもなぁ、みんなに迷惑かけたし」 淡「全国優勝した後なんだし良いよ!」 京太郎「でもなぁ~」 淡「あぁ酸っぱいものが食べたい!」 菫「妊婦らしいな」 照「京ちゃんのバカ」 京太郎「もう本当に申し訳ない」 照「でもね、あんなこと言いながら菫だって内心喜んでるよ」 菫「照!」 照「この間なにかプレゼントしようって赤ちゃん用の」 菫「照ぅぅぅ!」 淡「ほら、京太郎ー病院行こー」 京太郎「なんてマイペースなんだ」 誠子「まったくあの四人は、尭深私たちは釣りにでも」 尭深「行かない」 淡「よし、行くよ京太郎!」 京太郎「わぁ!走るな危ない!」 大星淡ED1 保健室- 京太郎「おろすぞ」ソッ 淡「あ、ありがとっ……」ハァハァッ 京太郎(案の定保険の先生がいないな) 淡「京太郎っ、なんか、おかしぃっ……」ハァハァッ 京太郎「えっと……」 淡「な、なんなんだろっ……」ハァッ 京太郎「えっとさぁ」 淡「京太郎の、暴食っ……?」 京太郎「暴食じゃなくてっ」 淡「こ、これ……なんとか、してぇ?」ハァッハァッ 京太郎「そこで待ってるな、じっとしてたら治るから」 淡「ほ、ほんと?」 京太郎「おう」 淡「うんっ」 京太郎(ヤバい……) 夕方2- 淡「完全復活!」 京太郎「よかった良かった」 菫(あれは、須賀君のオカルトか?) 京太郎「さて」 京太郎(誰かと話をしよう) 京太郎「渋谷さんもオカルトもちでしたよねたしか」 尭深「なんで知ってるの?」 京太郎(匂うとは言えない) 京太郎「牌譜で、ほら、突然和了するじゃないですか高得点しかも決まって後半に」 尭深「良くわかったね、うん、確かに私はハーベストタイムがあるよ」 京太郎「収穫期ですか?」 尭深「うん、実ったものを収穫するの」 京太郎(実ったもの……)チラッ 尭深「どうしたの?」 京太郎「いえいえ、実に魅力的だなと」 尭深「そ、そう……」カァッ 京太郎「渋谷さん的に俺ってどうなんですか?」 尭深「ズズッ……どういうこと?」 京太郎「いえ、女子高にちょくちょく入ってくる男子って」 尭深「別に、みんなが信頼してるなら私も信頼してるつもりだよ?」 京太郎「それは嬉しい……」 尭深「あと、プロ四人に名指しされる人」 京太郎「あぁ、渋谷さんも知ってるんですね」 尭深「その雑誌向こうに置いてあるよ」 京太郎「まじっすか!?」 尭深(おもしろい) 夜- 京太郎「さて、お疲れさまでした」 菫「うん、お疲れ」 淡「くじびきー!」 京太郎「なんの?」 照「部屋の掃除する人を決める」 京太郎「なるほど……俺も!?」 誠子「たまには付き合えよー!」 尭深「うん」 京太郎「了解しましたっ」ネンヲオクル 菫「さすがフィッシャーだな」 照「フィッシャーは違う」 淡「やっぱここぞって時に吊り上げるよね」 尭深「釣り人だね」 誠子「くそぉっ」 京太郎「頑張りましょう!」グッ 誠子「私が掃除するから、休んでても良いよ?」 京太郎「いえ、そういうわけには……せっかくですしいつもしていないようなことしますか」 誠子「ん?」 京太郎「んっと」 京太郎「高いところ掃除しますよ」 誠子「さすが男の子だね、うちは女子高だからそこ掃除するのも一苦労だよ」 京太郎「あはは、存分に使ってください」 誠子「じゃあ今度釣りにさ」 京太郎「それ関係無いんじゃないっすか!?」 誠子「お疲れ、それじゃね」 京太郎「はい、お疲れさまでした誠子さん!」フリフリ 京太郎(泊まる場所探すか~) 京太郎「さて、誰かに助けてもらおう……!」 京太郎(でも白糸台の人たち、明日は学校だよなぁ) 京太郎(よし、健夜さんに電話してみ―――) 良子『小鍛冶さんは……実家暮らしですからね』 京太郎「いや、不味いか?」 京太郎(やめておこう、なんだか色々と気まずくなりそうだ)ウンウン 京太郎(ならば次はどこに!) 京太郎「よし、戒能さんに頼ってみよう……一人暮らしらしいが、大丈夫か?」 京太郎(やめておこう、あのおもちに反応しない自信がない)ウンウン 京太郎(ならば!) 京太郎「白糸台の誰かに……やだ恐い」フルフル 京太郎(照ちゃ~ん!) プルルッ 照『もしもし?』 京太郎「えっと照さん」 照『ん?』 京太郎「照ちゃん、泊めて」 照「ん~」 照『うん、大丈夫……お母さんもオッケーだって』 京太郎(そういやお母さんもいたのか、てか良いのか) 照『じゃあ待ってるから』 京太郎「了解~」プツッ 京太郎「よっしゃ!行くか!」 京太郎(真っ直ぐ行こう、それが良い) 宮永家- ピンポーン 照「京ちゃん、いらっしゃい」 京太郎「ああ、お邪魔します」 宮永母「いらっしゃい京ちゃん、大きくなったねぇ」 京太郎「どうもです」ペコッ 照「上行こう!」グイッ 京太郎「おう、じゃあ」 宮永母「お願いね~」 照部屋- 京太郎「ふぅ~疲れた~」 照「泊まりに来るなら待ってれば良かった」 京太郎「まぁ、結構掃除してたしなぁ」 照「晩御飯食べた?」 京太郎「食べてないけど」 照「!……しばらく待ってて、くつろいでて良いから、テレビとゲームも良いから!」 ダッダッダッ 京太郎「……なんだ?」 京太郎(ん、二十分近く経ったぞ?) ガチャッ 照「京ちゃん、晩御飯作ってきたよ」コトッ 京太郎「え、照ちゃんが?」 照「うん」ニコッ 京太郎(普通の見た目の、卵焼きだ!) 京太郎「じゃあ、いただきます」 照「召し上がれ」ニコッ 京太郎「」アムッ 照「ど、どうかな?」 京太郎「普通においしいぞ」グッ 照「」パァッ ガチャッ 宮永母「食べ終わったらどうぞ」 照「プリン!二つ!」 京太郎(片方俺のだよな?) 京太郎「ごちそうさまでした」 照「プリン食べよう」サッ 京太郎(は、はやい) 京太郎「半分食べる?」 照「……別に良い」フイッ 京太郎「ほれ、ほれ」 照「」チラッチラッ 京太郎「お腹一杯だなぁ」 照「食べるから」ウン 京太郎「ほい」 照「」モグモグ 京太郎(ペットみたいだな……) 京太郎「そう言えばさ、個人戦は咲が一位だったよ」 照「……見た」 京太郎「そっかぁ、もしかしたらぶつかるかもな」 照「うん、今度こそ勝つ」 京太郎「そっか、ところでなんで喧嘩してんの?」 照「喧嘩なんかしてない」フイッ 京太郎「いやでも」 照「してない」 京太郎「……お、おう」 照「ん……そろそろ寝ようか」 京太郎「そっか、じゃあ俺はどこで寝れば?」 照「この部屋、布団あるから」 京太郎「……不味くないか?」 照「菫とは一緒に寝たらしいじゃん」ジトッ 京太郎「oh……Okだ、ここで寝させてもらう」 照「うん」ニコッ 京太郎(でも、暗くしてみたらあまり意識してみるほどでもないよなぁ) 京太郎「照ちゃん、起きてるか?」 照「うん、起きてるよ」 京太郎「咲のことなんだけどさ、なんで喧嘩してるのか教えてくれないか?」 照「……ただ、咲が麻雀をつまらないって言いながら、私相手に±0するから」 京太郎「あぁ~でも、今じゃ楽しんでるぞ?」 照「それでも、咲に勝てなきゃ私、咲にお姉さんって言えない」 京太郎(プライドかぁ……なんとなく淡と一緒に居る理由がわからないでもないな) 京太郎「そっか、なら個人戦で当たるのが楽しみだな」 照「うん」 京太郎(照さん、寝たみたいだな……誰かにメールするか) 京太郎(透華にメールしてみよう) 本文『透華起きてるか~?』 差出人:透華 本文『起きてますけれど、早く帰ってきなさい!』 京太郎(え~) 本文『でも白糸台の偵察はしてるぜ!』 差出人:透華 本文『でも、早く帰ってきなさい』 京太郎(強情だな) 本文『まぁしばらくしてから帰るよ』 差出人:透華 本文『わかりましたわ、おやすみなさい 寂しいから早く』 京太郎(うぅん、透華にこういわれるのもなんか新鮮な感じだな) 本文『わかった、早めに帰るからな おやすみ!』 京太郎(寝るか) 71日目終了-
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/10050.html
次話 京太郎インタビュー 西田「うーん……原村和さんのインタビューに成功したのはいいけど、必要最低限って感じだからもうちょっと何か欲しいところね。 チャンプの妹である宮永咲さんに取材出来たら良かったのだけど……ってあれは」 咲「京ちゃーん。これから部活ー?」 京太郎「あー、いや先に購買でシャーペンの芯買ってくるわ。ついでになんかあるか?」 咲「んー。それじゃあ……」 西田「すみませーん!」 咲「ひぇっ!?」 京太郎「ん?」 西田「少しお話いいですかー!?」 咲「あわわ、き、記者の人だ! ごめん京ちゃん後でね!」ビュー 京太郎「あ、おい! ……行っちまった」 西田「あら、逃げられちゃった」 京太郎「すいません、何か咲に用ですか?」 西田「ええ。清澄高校麻雀部のインタビューとして、あの子にもお話聞きたかったのだけど……あの様子じゃ無理そうね」 京太郎「そうっすねー。あいつ結構人見知りなんで、そういうのは無理かなって」 西田「姉妹でも、似ない所は似ないのね……」 京太郎「はい?」 西田「こっちの話。申し遅れました。私、西田といいます。よろしくね」 京太郎「あ、須賀です。よろしくっす」 西田「須賀君。君は彼女と仲良いの?」 京太郎「? ええ、まぁ」 西田「もしかして、彼氏……だったり?」 京太郎「いやいや、そういうのじゃないっすよ」 西田「あらそう。仲良さそうだったからつい」 京太郎「よく言われますけどね。それじゃ、俺もそろそろ行きますね」 西田「……あ、ちょっと待って」 京太郎「?」 西田「さっき清澄高校麻雀部のインタビューをしたいって言ったじゃない?」 京太郎「ええ、はい。咲にも話聞きたいって」 西田「良ければ、君の話も聞かせてもらえないかな?」 京太郎「お、俺っすかぁ?」 西田「ええ。選手達と関わりある、選手でない人の意見っていうのも、結構ネタになるからね。一応撮影はさせてもらうけど、そんなに時間は取らせないし、退屈もさせないから」 京太郎「んー……。まいっか。部長に遅れる連絡だけさせてもらっていいですか?」 西田「ありがと」 それじゃあ改めて、お名前から。 京太郎「清澄高校一年、須賀京太郎です。よろしくお願いしまーす」 清澄高校麻雀部とは、どういう関係で? 京太郎「関係っつーか、一応部員です。俺も」 一応、と言うと? 京太郎「いやー、他のみんなは大会に出て全国へー、とかってレベルなんですけど、俺だけ初心者なんですよね。高校に入ってから初めたばっかで」 周りは経験者ばかり? 京太郎「そうですね。と言っても、部員は大会に出た5人と俺の合計6人なんす。ハーレムってやつですよハーレムははは」 あまり嬉しそうではありませんね。 京太郎「……いや、部活で他が女の子だけって、どーしたって異物感出ますよねって話です……」 部室にいると気まずい? 京太郎「気まずいかって言われるとそーでもないんですよ。やっぱり女子だから男子だからで気を遣わなきゃいけない事はあるんですけど、そういう壁をお構い無しに仲良くなる奴もいますし、みんな良い人ですしね」 特に仲のいい部員といえば? 京太郎「やっぱ咲とタコス……あー、優希ですね。片岡優希。さっき言ったお構い無しの奴です」 同学年ですと原村和さんもいらっしゃいますが、そちらとは? 京太郎「仲が悪い、って訳じゃないですよ? ただ、和は二人よか真面目なんで、男女は適切な距離感を保つべきって考えがあるんでしょうね。二人と比べたら距離はあるかなって」 ガードが堅いと。 京太郎「そう………いや、あれで無防備な所もあるんで、身持ちが固いって言うべきかな。うん」 片岡優希さんは男女垣根無い方だそうですね。 京太郎「良い言い方をすればそうですねー。お子ちゃまとも言えますけど」 宮永咲さんは、そうではない? 京太郎「男女どちらとも人見知りするって意味なら、垣根無いとも言えますけどね。学校の友達は部内にしかいないみたいですから」 宮永さんとは、どのように仲良くなったのでしょうか? 京太郎「どのように、かー……。えーとですね、咲とは中学の時に同じクラスだったんですよ」 高校の部活以前に交流があった? 京太郎「そうですね。で、クラス委員を男女一人ずつ出さなきゃいけないってなった時に、ほぼ押し付けられる形で俺と一緒にクラス委員になったのが咲だったんですよ。俺は面倒だけどまあいっかーってノリだったけど、あいつは多分嫌だけど嫌って言って話し合いにもつれ込む方が嫌って感じでしたね」 その頃の宮永さんは、どんな人でした? 京太郎「ぼっちなのは変わらないんですけど、あの頃は人見知りってより、誰とも関わりたくないって言いたげなぼっちでしたね。委員で最初話しかけた時も挨拶だったかをボソッと喋るくらいで、暗いなーとか冷たい奴だなーとか思いましたし」 そこからどうやって仲良くなったのでしょうか? 京太郎「それが聞いてくださいよ! クラス委員の最初の仕事で、誰々の席がどことかの掲示を作るんですけど、出来た紙を先生に見せてくるつってさっさと教室を出て、しばらくしても戻ってこなかったんですよね」 その間、須賀さんは待ってた? 京太郎「掲示を貼るまでが仕事なんで、先に帰られるとは思わなかったですしね。で、暇潰しに携帯弄ってたら、先生が教室に来て「まだ出来ないのか?」って言うんすよ。あいつが行った筈って言ったら、いや来てないって」 入れ違いになってた? 京太郎「どころか咲の奴、校舎内で迷子になってたんですよ!」 迷子。 京太郎「信じられます!? 入学して一週間足らずとはいえ、一緒に行くと言った俺に「別にいいです」と言っておきながら! その棟の一階にある職員室までに辿り着けず! 俺と先生が探しに行って見つけたのが別の棟の3階ですよ!? しかも見つけた時にはトイレが限界近くて、涙目でプルップルしてやがったんすよ!」 京太郎「目視出来る距離にあった女子トイレに案内され、駆け込んで行く姿を見て、俺は確信しましたね。「ああ、こいつはポンコツだな」と」 ポンコツ、ですか。 京太郎「ええ。それからというものの、日常のあらゆる所でそのポンコツぶりを遺憾なく発揮して、クラスでの立ち位置は「一人になりたいぼっち」から「クールぶりたいポンコツ」に変わっていきました」 いわゆるマスコット枠、みたいなものですか? 京太郎「そんな感じですねー。それで、そのポンコツをからかいつつ話してたらいつの間にやら、という風に」 宮永さんはその頃、麻雀では 京太郎「あ、中学の時には麻雀やってなかったですあいつ」 やっていない? 京太郎「ええ。どうやら小学生の頃までに家族麻雀でやってたぐらいで、中学の時にはそういう話全くしてなかったです。俺もその頃はハンド部で、麻雀とか全然でしたし」 それで、団体戦の大将を任されている? 京太郎「びっくら、ですよねー。俺もまさかカモだと思って麻雀部に連れてきたポンコツが、麻雀では魔王に変身するとは」 魔王ですか。 京太郎「俺が勝手に呼んでるだけですけどね。あいつ麻雀やってる時、時たまスゲー形相というか、黒いプレッシャーぽいのが出るんすよ。部長とかは俺が気付いてるより多めにそういうの感じてるみたいです。それがもう魔王! って感じで」 萎縮してしまう? 京太郎「んー。そうなった時には「うわ怖っ」ってなるんですけど、「でもこいつポンコツだしなぁ」って考えると冷めた目になりますね」 麻雀をしている時と、していない時のギャップをどう思う? 京太郎「ギャップと言われても、みんなそういうもんじゃないですか? 咲のは極端な方だと思いますけど、俺だって家族と接する時と友達と接する時で違いはありますし。なんならもっと変わる人もいますしね」 現在の宮永さんを見てどう思いますか? 京太郎「俺以外にも友達出来てるし、前より明るくなったし、熱中するものが出来たしで、良い変化だと思います」 では、最後に何か一言。 京太郎「清澄はレディースランチが美味いですよ」 咲「ちょっと京ちゃん! これどういうこと!?」 京太郎「ん? ああ、この記事この前のインタビューの」 咲「私の中学時代の黒歴史が暴露されてるし、「ポンコツ魔王」とか呼ばれてるんだけど!? これ京ちゃんの仕業でしょ!? なんでこんなことするの!?」 京太郎「だってお前がポンコツなのは今でも変わりないし、魔王っぽいのは事実だし」 咲「ひどい!」 京太郎「ひどくない!」 久「和のでっかい写真のページに、事細かに書いてあるわねー。大将、宮永咲の素顔って」 和「何故か須賀君の顔写真付きですね。目線に黒線が入ってますけど」 優希「京太郎、お前ついに……」 京太郎「ついにってなんだよ! 容疑者の供述とかじゃねーんだよ!」 咲「話終わってないよ! どうしてくれるの!? 私全国の場でこれ読んだ人に「あ、ポンコツの人だ」とか「魔王の人だ」って思われるんだよ!?」 京太郎「逆に聞くけどお前、麻雀してない時でポンコツじゃない時あるか?」 咲「あるよ! なんかこう……京ちゃんより国語の成績良いとか!」 久「語る所がそれの時点でもうポンコツよね」 優希「しかも理数系はのどちゃんの半分以下だじぇ」 和「体育だと何もないところでずっこける運動音痴ですし」 京太郎「な? 咲。お前は誰もが認めるポンコツなんだよ」 咲「むきー!」 久「けど須賀君。今回はいいけど、メディアの場であんまりうちの情報ベラベラと喋らないようにね。ただでさえノーマークだった清澄が県大会優勝して注目を浴びてるんだし」 京太郎「大丈夫ですって。俺相手にそう何回も取材なんて来ないですし」 ガチャ まこ「おーい京太郎ー。前回のインタビューが好評だったから、おんしにまた取材したいと記者の人が来とるんじゃが」 京太郎「あるぇ?」 カン 次話
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6425.html
【11月第2週 平日】 京太郎「そういや、こっから先ってあんまし目標とかないんだよな」 京太郎「久々にダラダラしてこー」 京太郎「はぁー……」ダラダラ 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「眠いなぁ、学校終わったら寝よ」 霞「もうそんなこと考えてるのね……呆れた」 京太郎「授業中に寝ようと考えないあたり素晴らしい学生だと思いますけどね!」 霞「素晴らしくは無いでしょう……」 京太郎「そうですかね?」 霞「当たり前よ、もう」 京太郎「そうだ、どうせですし一緒に行きませんか?」 霞「別にいいわよ、行きましょうか」 京太郎「そういえば霞さんの服って……」 霞「何かしら?」 京太郎「なんかおば「それ以上言ったら……」」 霞「ね?」ニッコリ 京太郎「」ゾクッ 京太郎「でも、18の女性がそんな服だったら……毛糸のシャツに微妙な丈のスカートって……」 霞「……しょうがないじゃない」 霞「スーツだってパッツンパッツンになっちゃうし、緩い服じゃないと……」 京太郎「まあそりゃあその胸ですしね……」 霞「そうなのよね……」 京太郎「……あ!」 霞「何か思いついたの?」 京太郎「これから冬なんで縦セーターとかどうっすかね!」 霞「縦セーター?」 京太郎「俺としては袖が少し余ってるくらいが好みなんですけど授業とかもありますしそこはいいとして!なるべく色は白とかがいいと思います!」 霞「そうね、たまに着ている子いるものね、セーター……久しぶりに手作りしてみようかしら」 京太郎(よし、いい調子だ!) 京太郎(巨乳がはっきり出てくる服ランキングでは間違いなく上位に食い込むレベルの縦セーター!これを霞さんが着れば……) キーンコーンカーンコーン 霞「あっ、相談ありがとうね、それじゃあ部活で」フリフリ 京太郎「え?アッハイ」 京太郎(夏には夏なりの良さもあるが冬にも冬の良さがあるんだ……) 咏(朝から何考えてんだろあいつ……) 和(何か良からぬことを考えてるみたいですね……) 京太郎「今日は購買まで出向くか……」 京太郎「そういえば購買には伝説のメロンパンがあるんだっけ?」 京太郎「あんま人いねえし買えるかな?」 おばちゃん「お、お兄ちゃん一番乗りだね、買ってくかい?」 京太郎「本当にあったよ……じゃあ一個だけ」 おばちゃん「はいよ」 京太郎「早速食べてみるか」パクッ 京太郎「ん……これは……」モグモグ 京太郎「おいしい!」テーレッテレー! 京太郎「すげえ美味いな、外はサックリ中はふんわり、なぜか普通のより甘いし……」 京太郎「一人だけど、なんかやる気出たな!」 京太郎「文化祭の敗北命令『千里山に貸し出し』されること」 京太郎「まさか男子一人で女子高に侵入できるとはな……ぐふふ」 京太郎「とりあえず泉にでも迎えに来てもらお」ピッピッ 雅枝「というわけで今月から偶に須賀京太郎がこっちにも来るようになった、みんな仲良くするようにな」 京太郎「三箇牧高校一年の須賀です!今日はよろしくお願いします!」 「あれが全国一の人かー」 「テレビで見たけど、実物もええなー」 「ウチ教えてもらお!」 「あー!ずるいずるいウチもー!」 ワイワイ ザワ…ザワ… ガヤガヤ キャーキャー 京太郎(ああ、これがチャンピオンの優越感かぁ……可愛い人たちばっかりだし、ずっとここにいようかなぁ) 「須賀くんこっち来てー」 京太郎「はい!ただいま!」 怜「ストーップ、タンマやで京くん」 竜華「今日はウチらとおらへん?」 京太郎「は、はぁ、大丈夫ですけど……どうして?」 怜「せっかく大会も終わったんやから、あんまり打つのもあれやしな」 竜華「せやからこっちこっちー」 京太郎「でも部活しないでいいんですか?」 怜「もうすぐウチらも引退やからなー、竜華ー膝枕ー」 竜華「怜は甘えんぼさんやなぁ、はい」ポンポン 怜「おおきにー」スリスリ 竜華「気持ちええ?」ナデナデ 怜「竜華の太もも最高やぁ」 竜華「ふふっ、良かった」ナデナデ 京太郎「……あのー」 竜華「あ!ごめん京くん、忘れとった!」 京太郎「まあ、いいんですけどね……」 京太郎(目の保養にもなるし……それにしても) 京太郎「竜華さんの膝枕かぁ……」 怜「羨ましいやろ?」 京太郎「正直とっても!」 竜華「怜!それに京くんも!」 京太郎「竜華さんがそんな太ももだからいけないんですよ!」 竜華「どんな言いがかり!?それに京くんも前したやろ?」 怜「……いや、私がしてもろただけやな」 京太郎「そうですよ!怜さんはしてもらってるのに俺がしてもらってないのは不公平ですよ!」 竜華「せやからどんな言いがかりなんやそれ!」 怜「まあまあ竜華、京くんもしてもらいたがっとるやん」スクッ 竜華「……もう、わかったわ」ポンポン 京太郎(まさか本当にやってもらえるとはな……) 京太郎「それじゃあ失礼して……」トン 竜華「……どうや?」ナデナデ 京太郎「えーっと……すごく、いいです」 竜華「そ、そっか、それは良かったわ」ナデナデ 竜華(人前やないけど、なんか恥ずかしいわこれ)カァァ 京太郎(いいなぁ、これぇ……)ホッコリ 怜「…………」 怜(京くんが竜華に甘えとるのも、竜華が京くんに甘いのも……) 怜(ちょっぴり不満やな)プクー 雅枝「ほな今日はここまでや、暗くなるのも早ぅなってきとるから寄り道はせんようになー」 「お疲れ様でしたー!」 京太郎「充実した部活だったなー!」 京太郎「まあ、充実してても、どうせこっちの方に帰る人もいないだろうからな……はぁ」 京太郎「三箇牧だったら誰かと帰れるんだけど」 京太郎「ダメ元で誰か誘ってみるか」 京太郎「怜さーん、帰りませんか?」 怜「ん?ああ、ちょっと待っとってな」フキフキ 京太郎「何してるんですか?」 怜「習慣なんやけどな、昔の」 怜「まだ一巡先が見えるようになる前の頃、こうやって部活の後掃除しとったから」 京太郎「へー、そんなことが……ん?」 京太郎「怜さん、今何て?」 怜「一巡先が見えるようにな「……は!?」」 京太郎「一巡先が見える!?」 怜「?話しとらんかったっけ?」 京太郎「知らないですよ、何ですかそのトンデモパワー」 怜「……せやったっけ?」 怜「ほな帰りながら話すわ」 怜「――そんなわけで、去年倒れて生死の境をさまよってから見れるようになったんや、一巡先が」 京太郎「へ、へぇー」 京太郎(なんか一気にシリアスになったな……) 怜「……どう思う?」 京太郎「思うって、その力についてですか?」 怜「……」コクッ 京太郎「そうですね……」 京太郎「上手く使えばかなり良いと思いますけど、無茶はダメですよ?」 京太郎「初めて俺が打ったときに倒れたのも、無茶をしすぎたからなんでしょう?」 怜「あの日は体調も悪いのもあったけどなぁ」 怜「……でも、信じてくれるん?」 京太郎「何局もプラマイゼロにするやつとか、連続で打点が上がっていくやつとか、影が薄すぎて卓から消えるやつらと打ってきましたからね」 怜「あー、そら納得や」 京太郎「でしょう?」 京太郎「まあ何にせよ麻雀打って倒れてポックリとかシャレにならないですし、無理とかはしないでくださいね」 怜「あ、それもかっこええな」 京太郎「かっこいいって……何よりこっちが悲しいですし、心配なんですよ」 怜「……そっか」 怜「やっぱりみんな、心配してくれるんやな。竜華もセーラも船Qも、泉も」 怜「それに、京くんも…………」ポロッ 怜「ぁ…………ぅ」ポロポロ 京太郎「怜さん?どうかしたんですか?」 怜「ごめん、ちょっと嬉し泣きや」 怜「…………」 怜「京くん?」 京太郎「何ですか?」 怜「おおきに」ニコッ 京太郎「え……はい」 怜「それと、ちょーっと拭かせてな」フキフキ 京太郎「ちょっ!なんで俺の制服で拭くんですか!」 怜「感謝料やで!」グッ 京太郎「要りませんよそんなもの!」 京太郎「怜さんのせいでグショグショだよもー」 京太郎「鼻かんでたからネバ付いてるし……」 京太郎「とりあえず洗うか」 ガコンガコン 京太郎「風呂入って飯食って、後は洗濯終わるの待つだけか」 京太郎「暇だな……メールでもするか」 京太郎「今はシーズンオフだろうから良子さんにしてみようかな」 京太郎「でも何て送ろう……」 テレビ『ビッグマミィ、次回も――』 京太郎「家族か……」 京太郎『良子さんの理想の家族ってどんな感じですか?』 京太郎「いきなりだけど、まあいいだろ」ピッ ヴーッ ヴーッ 京太郎「お、来た来た」 良子『ななにをいきなり!家族、ファミリーは麻雀ができるくらいがいいな!』 京太郎「なるほど、家族で麻雀か……」 京太郎『四人家族で麻雀ですか、楽しそうですね』ピッ ヴーッ ヴーッ 良子『だろう!それでみんなで休みの日はドライブに行ったり、遊びに行きたいな』 良子『京太郎が働いて、私とチルドレンで迎えるんだ』 良子『良いだろう?』 京太郎「…………」 京太郎「なんで俺とあの人の理想がごっちゃになってるんだ?」 京太郎『あえて子ども四人の麻雀を隣で眺めるっていうのも良さそうですね』ピッ ピーッ ピーッ 京太郎「お、終わったか」 京太郎「さてアイロンアイロン、っとまだ来てないのか?」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「そう言ってたら来た」 良子『頑張る』 京太郎「…………」ゴクリ 京太郎「頑張る、というのはあっちの方面で頑張るってことだよな」 京太郎「それっていうのはつまり……」 京太郎「いや、良子さんの好きな人と頑張るんだから俺は関係ないか」 京太郎「んーっと、じゃあ」 京太郎『頑張ってください、そろそろ寝ますね』 京太郎「送信っと」ピッ 良子「…………」ジーッ 携帯「…………」 良子「…………」ジーッ 携帯「」ヴヴーッ 良子「」パァァ 良子「…………」カァァ 【11月第2週 平日1】終 【11月第2週 平日2】 チュンチュン 京太郎「うぉー眠いー」 京太郎「夜遅くまで起きすぎたぁ……」 京太郎「今日も張り切っていくか……」 …ササッ 京太郎「?今なんか聞こえたような……?」 ガチャ バタム 京太郎「さてと、トボトボ行くか」 ガチャ エイスリン「♪」 京太郎「あ、エイスリンさんおはようございます」 エイスリン「キョウタロー!オハヨ!」 京太郎「そうだ、一緒に学校行きませんか?」 エイスリン「ウン、イク!」 エイスリン「~♪」 京太郎「前も話したかもしれないですけど、ニュージーランドってどんなところなんですか?」 エイスリン「ウーン……シゼンガイッパイ!」 京太郎「山とかの写真もよく見ますよね」 エイスリン「ムシサン、タクサン!」 京太郎「虫ですか……」 エイスリン「ムシ、キライ?」 京太郎「苦手なのはいますね、虫。そういえばペンギンとかもいるんでしたっけ?」 エイスリン「ウン!カワイイヨ!」ニコッ 京太郎(そう言うエイスリンさんも可愛い……)ホッコリ エイスリン「キョウタロー?」 京太郎「いえ、いつか行きたいなーと」 エイスリン「ヤクソク、シタ!」 京太郎「約束……?」 京太郎(そういえばそんな約束したような……) 京太郎「ああ、でしたね」 エイスリン「キョウタロー、オボエテタ?」ジトッ 京太郎「な、何ですかその眼は、疑ってるんですか?」メソラシ エイスリン「…………」ジトッ 京太郎「…………はい、覚えてませんでした」 エイスリン「ワスレチャダメ!」 京太郎「ごめんなさい」 エイスリン「ハイ!」スッ 京太郎「えっと、手がどうかしたんですか?」 エイスリン「オワビ」 京太郎「……ああ、はい」ニギッ エイスリン「ヨロシイ!……エヘヘ」ニコッ 京太郎(手を握るだけで許されるのか……) 京太郎(エイスリンさんの手柔らかかったなぁー) 京太郎(とか考えてるうちにもう昼か、今日の昼は……) 昼 京太郎「公欠である程度休んでたからここに来るのも久しぶりだな、屋上」 京太郎「今日も誰かいるかな?」 郁乃「京太郎く~ん!」フリフリ 京太郎「郁乃さん……まあいっか、はぁ」 郁乃「出会い頭に嫌な息出さんでくれるか~?」 京太郎「郁乃さんが嫌だなんてそんな、ちょっと苦手なだけですよ」 郁乃「それほとんど同じ意味やからな!」 京太郎「郁乃さんってたまに柄に合わないこと言いますよね」 郁乃「せ、せやろか~?」 京太郎「今のだってなんか最近の女の子って感じでしたし」 京太郎「まあだからどうだって話なんですけどね」 郁乃「せや、せっかくやし一緒にお昼どうや?」 京太郎「オカズ取らないでくださいよ、今日のはから揚げなんですから」 郁乃「取るな言われると取りたくなるんやな~これが、それにから揚げ大好物やし」 京太郎「あげませんよ!」 郁乃「も~京太郎くんのけちんぼさん~」 京太郎「むぅ…… 73」 京太郎「むぅ……じゃあ、郁乃さん(のおかず)食べさせてくれたらいいですよ」 郁乃「ほぇ?」 京太郎「だ・か・ら!郁乃さん(のおかず)も食べさせてくれたらいいですよ!」 郁乃「わ、わた、私も……///」 京太郎「で、どうするんですか?」 郁乃(私も食べるって、つまり、つまりそういうことやろ?) 郁乃(どないすればええんや……) 郁乃「あぅぅ…………」プシュー 京太郎「郁乃さん?郁乃さーん?」 郁乃「も、もう、教室帰るわ!」カァァ 郁乃「ほ、ほなまた~!」タッタッ 京太郎「えっ、ちょっ!」 郁乃「あれっ」コケッ ドテーン 郁乃「……うぅ」サスサス チラッ 京太郎「大丈夫ですか?」 郁乃「……」カァァ 郁乃「う、うわぁ~~!」タッタッ 京太郎「……どうしたんだ?いきなり」 【清々荘】 京太郎「今日も平凡な一日だったなー」 京太郎「……平凡な方がいいけどな」 京太郎「風呂入って寝よっと」 「キャー!」 京太郎「!今の声……何があったんだ?」 京太郎「確か声は咏の方から聞こえたよな……」 【咏の部屋】 京太郎「咏っ!どうした!」 咏「京太郎!あれ!あれ!ってうわぁー!こっち来んな!」ゼンラ ササッ 京太郎「あれは……G?」 咏「も、もうこの際何でもいいから!早く!」 京太郎「はいはい」 |偶数週イベント―Gの駆逐| 京太郎(にしてもGか……どう対処すればいいんだ?) 京太郎「咏、新聞あるか?」 咏「あ、あるよ」 京太郎「ん、ありがと」 咏「こっち見んなっての!」ウガー 京太郎「よし、仕留めてやるぜ!」 G「カカッテキヤガレ!」ササッ 京太郎「うおおおおおお!」 京太郎「えいっ!」スカッ 京太郎「えいっ!」スカッ 咏「さっさとしろよなー」 京太郎「うっせ!ゴキブリホイホイでも置いとけよ!」 G「オソイ!オソイワ!」ササササッ 京太郎「な、飛んだ……だと!?」 咏「うわ、うわぁ……」ガクガク 京太郎「くぅ、どうすりゃいいんだ……」 京太郎「こうなったらもう一回だ!」 咏「京太郎ー頑張れー!」フレーフレー←トイレのドアから 京太郎「なんで一人だけそんなとこに逃げてんだよ!」 京太郎(可愛いからいいけどさぁ……) G「ナンドヤロウトモカワランワ!」ササッ 京太郎「一撃必殺だ、仕留めてやる!」 京太郎「一匹残らず、駆逐してやる!」 G「ソゲブッ」 京太郎「よっしゃ、一発!」 咏「その調子だ京太郎ー!」 京太郎「あと一発くらいかな?」 京太郎「次で潰してやる!」 G「マケハセン!マケハセンゾ!」 京太郎「さーてと、止めと行くか!」 「キャー!」 京太郎「また悲鳴!?」 咏「は、はやくそいつ倒して行こうぜ!」 京太郎「ああ、わかってる!」 G「オレノウゴキニツイテコレルカ?」 京太郎「……そこだ!」 京太郎「終わりだ!」 G「グヘッ」 グシャッ 京太郎「……ふぅ、長い闘いだったぜ」 咏「ありがとな!京太郎!」ギュッ 京太郎「うへっ」 咏「いやー風呂上がったらよく知らんけどGがいてさー」 咏「助かったわー京太郎が居てくれてよかった!」 京太郎「どうってことねえよ、あのさ、それより……」チラッ 京太郎「当たってんだけど」 咏「へ……?」 咏「バ!バカ!さっさと出てけ!」カァァ 京太郎「んだよもー」 咏「あ……でも、その……」モジモジ 京太郎「何だよ」 咏「あ、ありがとな!知らんけど!」 ドタドタ バタム! 京太郎「荒々しいなーったく」 京太郎「……そういやほかの部屋からも聞こえたような?」 京太郎「あれは確か……」 京太郎「エイスリンさんの部屋だったような……?」 ドタドタ ガタガタ 京太郎「……行ってみるか」 【エイスリンの部屋】 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「キョ、キョウタロー!」 京太郎「どうしたんですか?」 エイスリン「アッチ!」 京太郎(またGか……?) 蛾「クックックックック」 京太郎(なんだG違いか……でも蛾もめんどくさいんだよな……) エイスリン「キョウタロー!」 京太郎「はいはい」 京太郎(蜂の方が慣れてるし楽なんだよなぁ) 京太郎(オーソドックスなやり方があるけど……夜だから通用するかどうかわかんないんだよな) 京太郎(まあやってみるか) 京太郎「エイスリンさん!電気を消してください!」 エイスリン「ワカッタ!」 京太郎「よーし……」 エイスリン「ハイ!」プチッ 京太郎「今だ!」 蛾「ソンナテニヒッカカルカヨ!」 エイスリン「イ、イヤ……」 京太郎(蛾は無害なんだけど……やっぱり嫌だよな) 京太郎(いざとなったら手で捕まえるか) 京太郎「エイスリンさん!」タタッ コケッ 京太郎「あ」 エイスリン「ア」 ドタッドタドタッ! 京太郎「あ、あー……え、えっと……」 エイスリン「ンッ……」 京太郎「あ、あれー?」←押し倒してる エイスリン「……キョウタロー?」←押し倒されてる 咏「京太郎ー?終わった……か…………」 京太郎「う、咏!違うこれは違うんだ!」 咏「うっせーこの痴漢魔!」 バタム! 咏「助けてくれてかっけーなーとか思ってたのに、なんであんなことしてんだよ」 咏「……ばか」 京太郎「……終わった、絶対終わったよこれ……」 エイスリン「キョウタロー、アレ」ユビサシ 京太郎「?」 蛾「」チーン 京太郎「都合よくドアに挟まれてるな……」 エイスリン「キョウタロー、アリガトウ!」ニコッ 京太郎「ハイ、ソウデスネー」 京太郎(なんか罪悪感があるなー……) 京太郎「あ、あの、じゃあ、退きますね」 エイスリン「ウ、ウン……」カァァ 【11月第2週 平日2】終 【咏の部屋】 ヴーッ ヴーッ 咏「何だよこんな夜にー……っ」 咏「はい、もしもし」 咏「…………」 咏「……わかってるよ」 咏「ああ……うん」 咏「はぁ!?来週から!?」 咏「…………」 咏「……わかった」 咏「…………」ピッ 咏「…………はぁ」 【11月第2週 休日】 京太郎「うぅ、昨日やりすぎたせいか眠い……」 京太郎「今日は何しよ」 京太郎「休日の朝から出かけるのもな……」 京太郎「部屋の中で今週の復習するか」 京太郎「誰か部屋に呼んでみよ」 コンコン 京太郎「咏ー、一緒に勉強しよーぜー」 京太郎「…………」 ゴンゴン 京太郎「咏ー、一緒に勉強しよーぜー」 京太郎「…………」 ドンドン 京太郎「咏ー、一緒に勉強しよーぜー」 京太郎「…………」 ガンガン!ガンガン! 咏「うっせーよ聞こえてんだよ!」 京太郎「よっ!」 咏「なんでそんな朝からテンションたけえんだよ……わっかんねー」 京太郎「さあな、どうする?来るか?」 咏「勉強つったっけ?今行くから待ってろ」 京太郎「おう、ありがとな!」 咏「だからこのときのこいつの心情は――――」 京太郎「ふんふんなるほどなるほど」 京太郎「違うって!ここの文法は――――!」 咏「うあー、わっかんねー」 京太郎「そろそろお開きだな」 咏「ん……10時か、そうだねぃ」 京太郎「飯だったら簡単なの作るけど、どうする?」 咏「あー……よろしく頼むわ」 京太郎「頼まれました!っと、目玉焼きと卵焼き、どっちがいい?」 咏「目玉焼き、半熟なー」 京太郎「ん、りょーかい。ちょっと待っててな」 咏「…………」 咏(京太郎の部屋……京太郎の臭い) 咏(そんで京太郎は私に朝飯を作ってる……か) 咏(こんなことしてると……なんか……) 咏「……一緒に住んでるみたいだな」ボソッ 咏「……」カァァ 咏(な、何言ってんだよ私!わっかんねー!) 京太郎「咏ーできたぞー……咏?」 咏「わっかんねー……わっかんねー……///」ポヘー 京太郎「?」 京太郎「いただきます」 咏「いただきます」 咏「ん……」モグモグ 京太郎「どうだ?美味いか?」 咏「あー、卵が美味いからじゃねえの?知らんけど」 京太郎「……さいですか」モグモグ 咏「…………」モグモグ 咏「……まあ、いい焼き加減なんじゃね?知らんけど」 京太郎「……」パァァ 京太郎「ああもう!最初っからそういえばいいのに!咏は素直じゃねーなー!」ナデナデ 咏「め、飯食ってるときに撫でんなよな!」カァァ 京太郎「はいはい」ナデナデ 咏「……はぁ」 咏「…………」モグモグ 京太郎「…………」モグモグ 『次の月曜からこっちの学校で生活なさい』 『もう我儘はいいだろう?』 咏「…………」 京太郎「……咏?」 『麻雀なんてこっちでもできるんだからさ』 咏「…………」 京太郎「咏ー、おーい」ブンブン 咏「……んなっ!なんだよ!」 京太郎「どうかしたのか?」 咏「あ……いや、なんでもねえよ」 京太郎「ん、そっか」 咏「…………」モグモグ 京太郎「…………」モグモグ 咏「……京太郎は、さ」 京太郎「え?」 咏「京太郎は、もし、もし私がいなくなったらどうする?」 京太郎「いなくなる?」 咏「遠くに行っちゃうってことだよ!」 京太郎「ん?よくわかんねえけど……」 京太郎「それは……寂しいな」 咏「……っ」 京太郎「照が東京に行って、憩さんは実家に戻って」 京太郎「照だけでも寂しくて、憩さんがいなくなったらさらに寂しくなった」 京太郎「それなのに、お前までいなくなったら……すげー寂しいと思うし、俺は嫌だ」 咏「…………」 京太郎「……って、もしもの話になに熱くなってんだろうな」 京太郎「ほら、早く食わねえと冷めるぞ?」 咏「お、おう」モグモグ 咏(京太郎は、そう思うのか) 咏「……ありがと」ボソッ 京太郎「…………」モグモグ 咏(――それと) 咏(……ごめん) 京太郎「確か次の試験は12月の中旬くらいだったっけか?」 京太郎「対策は用心しておかないとな」 昼 京太郎「…………」 京太郎「くそぅ、咏があんな話するから照のことを思い出しちゃったじゃないか」 京太郎「学割使えば楽に行ける……よな?」 東京へ行きました! 京太郎「さて、ここまで来てしまったわけなのだが……どうしよう」 京太郎「日帰りだとして……何しよ」 京太郎「そういや前、麻雀教室なんかバイトでやったっけ?あれ大阪のローカル局だったらしいけど」 京太郎「テレビか……せっかく都心に来たんだし自分を売り込むのもいいな」ウンウン 京太郎「物は試しだ!挑戦あるのみ!」 京太郎「でも売り込みってどうすればいいんだ……?」 京太郎「ん?この広告は……」 【プロ雀士に挑戦してみませんか!】 【この広告をご覧の貴方!プロ雀士に挑戦して、豪華賞金を手に入れませんか?】 【挑戦者は―――まで!】 京太郎「……へぇ」 京太郎「賞金までもらえて自分を売り込める、なんという一石二鳥!」 京太郎「早速この場所に行ってみるか」 良子「ドキッ!プロ雀士だらけの大勝負大会ー!」 大沼「」ドンドンパフパフ はやり「わー!わー!」 健夜「ゎ、ゎぁー……」 理沙「頑張る!」 靖子「私の番はまだですか?」 良子「というわけで始まりました、プロ雀士だらけの勝負大会」 良子「司会は私、戒能良子でお送りいたします」 良子「このプログラムでは、私たちプロ雀士が一般の方々とさまざまなバトルを行います」 良子「一般の方が私たちに勝利した場合、金一封が贈られます」 良子「それでは一番!トライアスロン対決から参りましょう」 良子「VTR、どうぞ」 -- ―- ,, ,, ''" "' 、 ´ ヽ / ヽ , ヽ ハ ', / / / ! ', , ハ / / ./ / /| |! ', ' ! l' /{ ,' ,イ/__!__ !__ | | | { .! !./ ̄ !| j ヾ ̄ | | | 、 /ヾ {___|/ lヽ /!/__ __| | |、 \ ' /\ _二ニ x,,\ _/ z ニ二__ | ,' \ ヽ .// |\\! {////} {////イ ! |/ \ヽ 〃 | l ヽヘソ ヽヘソ ! ! ヽヽ / ! |', ' | | ヽ} | 八 _ /! / | / . !_ヽ イ| / | |レ / ,> ィ'"|_ `.!// |/ ./-''" / | ¨ |ハ !\\ , イ ヽl_ _,,/ ヽ ` ゙ イ ,ハ_ヘ }< > '" { /////〉 l ゙ < > ''" l / {//// \ j ゙ < プロ雀士代表 戒能良子(20) 良子「トライアスロン……ですか」 良子「体力には自信があるので、誰が来ても大丈夫だと思います」 そして対するは――――! 京太郎「麻雀では敵わない、でも体力に自信はある」 京太郎「じゃあいつやるか?」 _,...---、_,.、 / / / ヽー-、 /. , ! iハ!/メ、.i | \ イ { ヽN 'i !/!人iヽi _1 i( _ 丶 \ / `Yリヽ '、_)'´!`ー` 「今でしょ!」 / .. | ,. _/. /. 、 ト、ィ' / | !;-! / | ! ヽ、 , -‐クヽ / ! .. ⊥__!_ / .. ノ) / | ..  ̄`''''''' ′.. ノ. / | ..... .............. _, -‐'′ / `ー‐┬---r―'''''''"" ̄__./__ /! i / iu-゙、/----、\ / | ⊥ __,...-‐'.i... ヒノ ̄ ̄`ー`ー`ー-、/ | . _,.-‐'" 国民麻雀大会優勝者 須賀京太郎(16) ――――今、戦いの火ぶたが切って落とされた……! 良子「まさか相手が京太郎だったとはね」 京太郎「俺もまさか良子さんとトライアスロン対決ができるだなんて思っても見ませんでしたよ」 良子「いい勝負にしよう」スッ 京太郎「もちろんです!」ギュッ 二人は熱い握手を交わし、スタート地点へ! 京太郎(競技は水泳→自転車→マラソンの順番) 京太郎(そして良子さんは競泳水着着用……!) 京太郎(永久保存版だな!)グッ 良子「?」ポヨン 「よーい!」 「スタート!」 京太郎(水泳……とりあえず俺に分があるみたいだ) 京太郎(良子さんまで溺れないでほしいけど……?) 京太郎(あの光ってるのは何だ?) チクッ 京太郎「い゙っ゙!」 京太郎(何だこれ……釣り針?) 誠子「お、大物の予感!」 誠子「釣りあげてやる!」ギュルギュル 京太郎(痛い痛い痛い痛い痛い!) 京太郎(針を抜かなきゃ……!) 誠子「……手ごたえが無くなった?」 誠子「逃げられたか」チッ 京太郎「どっかの釣り馬鹿のせいで随分遅れちゃったな……」 京太郎「この自転車で取り返すしかない!」 京太郎「くっ、はぁ、はぁ!」 京太郎(追いつけ、追いつけ!) プシュ 京太郎「……は?」 プシュー… 京太郎「パンクした……だと……」 京太郎「運営に連絡しないとな……」 京太郎にAPが10加算された! 京太郎「良子さんの姿が何とか見えるくらい……か」 京太郎「運悪いな俺……」 良子「はぁ、はぁっ」 良子(さっきからベリーサースティーで……) 良子(目の前が、何だか)グラッ 良子(あ、あ、れ?) 良子(め、がまわって……) ドタッ 京太郎(……?) 京太郎(良子さんのペースが落ちてきたような……) 京太郎(よし、今が勝負どころだ!)タッタッ 京太郎(…………あれ?) 京太郎(良子さんが、倒れた……!) 京太郎(確かに、これはチャンスかもしれない) 京太郎(けど……こんなこと、見過ごせない) 京太郎(助けを呼んで俺はゴールへ行けばいいかもしれない) 京太郎(……やっぱり、そんなのダメだ!) 京太郎「しっかり掴まっててくださいよ」 京太郎「……聞こえてない、よな」 京太郎(ここまで来たんだ、二人でゴールする!) 京太郎「前進あるのみ……っ!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 良子「ん……ここは?」 京太郎「気付きました!?」 良子「京太郎……私は、一体?」 京太郎「良子さん、走ってる最中に倒れたんですよ!脱水症状で!」 良子「脱水症状……」 良子「……じゃあ、レースは京太郎が勝ったんだね」 京太郎「いや、同着です」 良子「同着?」 京太郎「えっと……あ、もうこんな時間か、俺帰りますから、お大事に!」 良子「えっ、京太郎?」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 『勝負はなんと引き分け!』 『名勝負を繰り広げた二人に拍手を!』 ワァーッ! ワァーッ! 良子「…………」 良子(京太郎は、あのとき私を助けて、一緒にゴールした) 良子(そういうこと、だったのか) 「戒能さん!感想!」ヒソヒソ 良子「彼のおかげで、助かりました」ウルッ 良子「ありがとう、ござい、ました……っ」ポロッ 良子「……それでは次の勝負です」 『次の勝負は!小鍛治プロと、若作り対決だー!』 良子(今度、もっとちゃんとお礼を言わないと) 良子(目の前で、ありがとうって) 京太郎「結局、感謝料で金一封貰っちゃったな……」 京太郎「次、何しよ」 京太郎「金も入ったし照のために菓子を買てってやるか」 京太郎「美味そうなのを片っ端から選んで行こう」 京太郎「ビアード・○パから各地のアンテナショップまで行ってきた結果……」 京太郎「なんつー無駄遣い……」 京太郎「今度から金は大事に使おう」 京太郎「そろそろ時間も限界だし、照に会いに行こう」 京太郎「直接白糸台まで来てみたぞ」 京太郎「ここで照を待ち伏せすれば……っと」 京太郎「あ、あの人は……」 京太郎「弘世さん……かな?」 菫「」ササッ キョロキョロ 京太郎「何してるんだ?」 菫(パ○の実いちご味、ようやく手に入れた!) 菫(後はこれを淡や照たちにばれないように……) 京太郎「ひーろせさん」ボソッ 菫「ひゃぁっ!」ビクッ 京太郎「何やってるんですか?こんなとこで」 菫「す、須賀……って!貴様こそここで何をしている!?」 京太郎「照に話をしに来たんですけど、知りませんか?」 菫「うっ、あいつか……」 京太郎「いないんですか?」 菫「いや、そういうことでは……」ポロッ 菫「あっ」 京太郎「……パ○の実いちご味、ですか」 菫「わ、悪いかっ!」 京太郎「前もきのこたけのこ戦争に巻き込まれましたし、今は驚きませんよ」 菫「そういえばそんなこともあったな……」 京太郎「要するに照と淡にこれを食べているところを見られたくなくてここでコソコソしていた、と」 菫「そう言うと私が悪いことをしているみたいじゃないか……」 京太郎「で、結局照はどこにいるんですか?」 菫「ああ、照ならまだ部室にいるはずだ」 京太郎「わかりました、じゃあまた!」タッタッ 菫「おい!このことは秘密だぞ!」 京太郎「わかってますよー!」 京太郎「確か部室はこっちの方だったはず……」 照「……京?」 京太郎「照!」 照「何しに来たの?」 京太郎「おう!お前を誘いに来たんだ!」 照「誘い?」 京太郎「……うーん、廊下で話すのもアレだし場所を変えよう」 【教室】 照「それで、誘いって?」 京太郎「うん、あのさ」 京太郎「また、三箇牧に戻ってこないか?」 照「……え?」 照「……っ」 京太郎「中核が、もう一人必要なんだ」 京太郎「もうすぐ照も郁乃さんもエイスリンさんも引退だけど、やっぱりみんなで笑って引退してほしいしさ」 照「でも、私なんかがいたって……」 京太郎「三箇牧のみんなのため、俺のためお前の存在はものすごく大きいんだ」 京太郎「照が嫌なら戻ってこなくていい」 京太郎「けど俺は、お前がいないと1日1日がなんかつまんねぇし」 京太郎「お前がいなくなってから胸にポッカリ穴が空いた感じがして……なんつうか、寂しいんだ」 照「…………」ウツムキ 京太郎「ゆっくり考えてくれよ、俺は待つから」 照「……うん」 照「…………」 照(京は、私に戻ってきてほしい) 照(前話した時も、言ってた) 照(私は……私は……) 京太郎「…………」 京太郎「……なあ、照」 京太郎「また俺と一緒に、麻雀打とうぜ」 照「……~っ!」ポロッ 京太郎「えっ、てっ、照!?」 照「うぇっ、ぐすっ」ポロポロ 京太郎「な、何泣いてんだよ」アセアセ 照「京、っ、ごめ、ん」ポロポロ 照「あっ、ありっ、ありがと、う!」ポロポロ 京太郎「っ、ああ、どういたしまして」 照「いつも、ずっと、今まで!」ポロポロ 京太郎「……俺も、照がいてくれて幸せなんだ」ギュッ 照「ぁ……」 京太郎「ありがとう」 照「……うん……うん!」ポロポロ 帰り道、京はよれよれの服を着て、私はぐしゃぐしゃな顔で喋っていた ただ他愛もないこと、三箇牧のこと、白糸台のこと、今日のこと 言いたかったこと、さっきも言ったけど、また言いたい 「京」 「ん、どうした?」 少しだけ京の前に出て、振り向いて 私に声をかけてくれて 私と遊んでくれて 私と麻雀をしてくれて 私を助けてくれて / \ / . .. . .. ... ヽ. / / . . . . . i / /;. ;ィi i i i .| | . .. |. / i | . ハ!_|.|. | i | . | / ..|. | ! '|´|_И ! i | | |./ . /! { ハ i f"| ヽ| i |-、 | .|i/ | };ハ{. Lン| ;ル'^ } | | | ノ "" j/ / | | | .、 '^リ ! | | 照「ありがとう」 | ハ` ! / i i |ノ |/ ヽ.__,.. 、 / / / / /! / V | / ノi! /! ノソ }ノ ,..-‐y/‐j/フ‐'" ̄\ ,...-‐'" `ー- 、 r=、´ `ir、 /\ヽ、 ||.ト、 ハ | | | ||.| |. i ゙、 | | | ||.|/!| ゙、 !.i i ||.|| 照「多分、あっちに行くのは来週になると思う」 京太郎「ああ、待ってる」 照母「あら?照?それにそこの男の子は……」 京太郎「御無沙汰してます」 照母「久しぶりね、京太郎くん」 照母「それで、二人はひょっとしてあれかしら?遠距離恋愛?」 照「違う!」 照母「あらそうなの?じゃあどうしてここにいるの?」 京太郎「照を三箇牧に誘いに来たんです」 照母「へぇー、それで照は行くのね?」 照「なんでわかるの?」 照母「何となくよ、何となく」 京太郎「は、はぁ……」 照母「そうだ!明日から大阪まで行くから一緒に行かない?」 照母「そっちの方がお財布も楽でしょうし」 京太郎「あー、そうですね、それではよろしくお願いします」 照母「決まりね!今日は家に泊まって……あ、照と一緒に寝るのはダメよ?」 京太郎「しませんから!」 【11月第2週 休日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/10052.html
前話 次話 京太郎インタビューその3 前回期せずして清澄高校の素顔を知ってしまった取材班。 SK君に取材すると、我々の知り得ない情報が出てくる。麻雀とは関係無い所だが、非常に興味深い。 今回は、彼から見た他校について窺ってみよう。 今回で三回目になりますが、取材には慣れて頂けたでしょうか? 京太郎「そうですね。現実感はまだそんなに無いですけど、最初よりは話しやすくなったかなと」 一度目でとても流暢に話せていたように思いますが? 京太郎「見た目だけですよ。俺、緊張すると自分でも考えずに喋って余計な事まで話しちゃうタイプなんで」 成程。では、お気に入りエキサイト本の隠し場所は? 京太郎「そんなとっておきの秘密をベラベラ話す程じゃないですよ!?」 冗談です。 京太郎「はぁ……。まぁ、こうやって話上手な人だとつい乗っちゃって口が軽くなるってのもありますかね」 ありがとうございます。それでは、質問に移りますね。 長野県県大会決勝、SK君も記憶に新しいと思います。 京太郎「おお……なんか凄かったですよね。特に大将戦とか」 清澄を除いた3校では、誰が一番印象的でしたか? 京太郎「衝撃的な印象って言えば、やっぱり天江衣さんですね。うちの麻雀部の中でも咲って麻雀ではとんでもない事やってくれるスゲー奴って考えてたので、その咲が最初全然歯が立ってなくて」 その強さに圧倒された? 京太郎「まぁその後またとんでもない逆転してたから、咲ってやっぱスゲー奴だなって思い直しましたけどね」 その高校生らしからぬ容姿と雰囲気から、巷では「ころたん可愛い」「ころたん天使」「ころたん! 最高!」「イエイイエイ! ころたん! 最高!」「オマエもころたん最高と叫びなさい!」ともっぱらの噂ですが。 京太郎「それころたん最高! って言えば出てくる悪魔かなんかですか?」 S君から見てはどうでしょう? 京太郎「はぁ……まぁ高校生らしからぬと言えばそうなんですが、うちにも似たようなのいますしね」 あまりお好みではない? 京太郎「年上なのは分かってますし、可愛いとは思うんですが、好きかどうかを議論すると俺が危ないですから。色んな意味で」 危ない? 京太郎「社会的生命だったり、物理的生命も何の前触れ無く終わったり……いや、やめましょう」 衝撃的な印象で言えば、と言ってましたが、他にも印象に残った選手がいたのでしょうか? 京太郎「そうですね。けどその人達はちょっと麻雀とは関係無い所で印象に残ったという感じなので」 良ければお聞かせ願えますか? 京太郎「えぇー……。じゃあ、どの高校の人から聞きたいですか?」 各校に少なくとも一人ずついる? 京太郎「そんなとこです」 それでは……風越女子からはどなたですか? 京太郎「風越の人だと、主将の福路さんになりますかね」 やはりそのスタイルの良さに見惚れましたか? 京太郎「ええ。存在感はありながら主張し過ぎず、あの人の清楚な美しさを最大限に表現する様は最早芸術てバカ!」 本音が思わず漏れましたか? 京太郎「ノリツッコミですよ!」 そういうことにしておきましょう。 京太郎「インタビュー重ねて遠慮が無くなってきたのはあなたの方では……?」 京太郎「で、何で印象に残ってるかって言うとですね。大会終わってからというものの、うちの部長と仲良くなってるみたいで、バイト先の雀荘で一緒に打っているのを結構見掛けるんですよ」 バイトをなさっているんですか? 京太郎「食いつくとこそこですか……? ええまぁ、女性の従業員はメイド服なんで、俺は執事の燕尾服を着させてもらって」 燕尾服。似合いそうですね。 京太郎「知り合いに比べたらレベルの低いコスプレみたいなもんですよ。それで、会話とかはしなかったんですけど、話し声が聞こえてきたり部長からどういう人か聞いたりで、芯のある優しい人なんだなってのが伝わってきまして。うちの先輩並に料理も美味いと聞きましたし」 料理の出来る子が好きですか? 京太郎「いいですよね、家庭的な女の子。家に帰ってきた時に「お帰りなさい」って温かく出迎えられるのは男の夢の一つですよ」 そうなると、福路さんはS君の理想に近い? 京太郎「それ以上ですね。美人で優しくて家庭的で……、そんな人二次元だけって思ってました」 福路さんと言えば、彼女は珍しいオッドアイを持っていますね。 京太郎「あぁはい。左は赤めですけど右は青いんですよね」 S君はどう思いますか? 京太郎「オッドアイについてですか?」 はい。 京太郎「オッドアイそのものについては、そうですね……。中二心を擽られるワードっていうか」 S君にもそういう所が? 京太郎「男にはいくつになっても決して消えることの無い14歳の部分があるんです」 そんなものですか。 京太郎「そんなものです」 福路さんのオッドアイについてはどうでしょう? 京太郎「んー……。福路さんがそれを普段隠しててコンプレックスに思ってるみたいなのは、あんまり良い気がしないですね」 と言いますと? 京太郎「ほら。俺ってタッパがデカくて金髪だから、軽いとかチャラいとか不良とか思われやすいんですよね」 私共からはとてもそうは思えませんが。 京太郎「話してるとイメージ違ったとかも良く言われます。で、軽いのはいいんですよ。自分でもそんな風に振る舞ってる所ありますし。けどチャラいとか不良とかって、金髪でデカいだけでそんな風に思われるのって良い気はしないですよ」 悪い偏見は気分良くないと。 京太郎「誰だってそうだと思いますけどね。福路さんが片目閉じてるのも、自分がそう思ってるだけなのか周りから言われたのかは分かりませんが、生まれつきの所でコンプレックス抱えて隠してるのだとしたら、周りがちゃんと変じゃない悪くなんかないって言ってあげないと」 S君もそうしてコンプレックスを乗り越えた? 京太郎「いやぁ、俺はコンプレックスって程でもないですし、図太い性格してるから開き直ってるんで。おう文句あっかって感じです」 その言い草は不良っぽいですね。 京太郎「あっはっは」 彼女の右の瞳についてはどうコメントしますか? 京太郎「澄んだ蒼い海のよう……なんてのは洒落過ぎなんで、とても綺麗ですって言いますかね」 鶴賀女子の方ではどなたでしょう? 京太郎「副将の東横桃子さん……まぁ同い年なんですけどね」 …………。 京太郎「? どうしました?」 いえ、あの……どういう方だったでしょう? 京太郎「記憶にすら残っていない!?」 いえ、鶴賀女子の副将と言えば、原村和さん含めた実力派揃いの中で活躍した方なのは知っているんですが、どんな顔だったかが思い出せず……。 京太郎「あー、そこなんですよね。気になった所」 記憶に残ってない事が逆に? 京太郎「いや、うちの部員も記者さんと似たような事言うんですよ。対戦してた和以外は「いつの間に!?」とか「今リーチしてたか?」とか言ってて。対局での流れとか正直分かんないですけど、その俺以上にみんなが東横さんの手を見てなかったんですよね」 ……S君には東横さんの手が見えていた? 京太郎「読めたとかそういうんじゃなくて、何捨てたとかそのレベルですけど……ええ。でも、みんな見えてましたよね? すっとぼけるみんなに、和もそんなオカルトあり得ませんって言ってたし」 ……………………ちなみに、S君から見て東横さんはどんな人でしたか? 京太郎「制服と黒髪で全体的に黒くて、和程目立つタイプじゃないけど、負けず劣らず可愛い子でしたよね」 ……………………そうですか。成程。はい。 京太郎「さっきから反応悪いですけど……どうかしました?」 気を取り直して……龍門渕高校だと、どなたが印象に残ってますか? 天江衣さん以外で。 京太郎「えー……これはほんとに個人的な話になりますけど、いいですか?」 お気になさらず。なんなら一目惚れしたとかの方が記事として面白いくらいあります。 京太郎「いやそういうんじゃないですけど…………。あそこだと、龍門渕透華ですかね」 ほう。副将戦で目立ちたくて目立ってたような振る舞いをしてたあの人ですね。 京太郎「それとは関係無い所でなんですけど、実はうち、長野の決勝で戦った4校で合宿したんですよ」 それは初耳ですね。 京太郎「初めて言いましたからね。で、まあ俺はその時お留守番だったんですけど」 ハブられたんですか? 京太郎「女子だらけのお泊りもする合宿に男連れてけってのも無理があるでしょ……。そんで清澄の部室でネトマしてたり友達と遊んでたりしてたんですが、ある日の朝部長から「須賀君、悪いけどうちにあるパソコン持ってきてくれない?」って連絡が入りましてね」 パソコン。 京太郎「持ってきてって言うから、ノートパソコンとかそういう持ち運び出来る軽いのを想像しますよね?」 ええ、それはもちろん。……ん? 京太郎「その時の俺もそうだと思って、軽い感じで「了解っす」って返したんですよ。で、部室の方に行ってそれらしき物を探したんですが、隅々まで探してもノートパソコンなんて影も形も無かったんです」 おや? 話が不穏な方向に。 京太郎「改めて部長に連絡してみて「パソコンどこですか?」って聞いたら、「いつもの机の上にあるでしょ?」って返されて。けどいくら見てもあるのはデスクトップのあるデカいパソコンだけだったんですね」 まさか……。 京太郎「で、気付いちゃったんですよ。「この人、このデスクトップパソコンを山にある合宿所まで持ってこいと言ってるな」って」 失礼ですが、部長さんは鬼ですか? 京太郎「いや、部長も多分無理だろうなと思って連絡したらかるーく請け負られたもんで、「あ、いけるんだ」って思っちゃったんでしょうね。放心して黙ってたら「あった? じゃ、よろしくー」つって通話切っちゃって、何回か掛け直したんですけど出なくなっちゃって。もうどうしようもないから、合宿所に行く事にしたんですよね」 大会後の炎天下の中、デスクトップを背負ってですか? 京太郎「まぁ、流石に直で歩きは無理なんで、電車とバスを乗り継いでですけどね」 ちなみにその交通費は。 京太郎「? 自腹ですけど」 …………そうですか。 京太郎「えっちらほっちら歩いてって、なんとか合宿所まで持って行って、受け取ってもらった後、そのまま帰ろうとしたんですけど」 待ってください。合宿所で休憩はしなかったんですか? 京太郎「いいえ? 玄関口で渡してそのまま」 ……はい。では続けてください。 京太郎「お互いのディスコミュニケーションのせいとはいえ、流石に疲れて心が荒みそうになって時に、後ろから「お待ちなさいな!」と声を掛けられまして」 ああ。ここで龍門渕さんが出て来るんですね。 京太郎「振り返る前にそうと分かって実際そうだったんですが、その人は腕組んでふんぞり返りながら「見た所疲労困憊の様子ですわね! そのような者を門前払いでそのまま帰らせたとあっては龍門渕の名折れですわ! というわけでハギヨシ。この少年を送り届けてらっしゃいな」と」 やだカッコイイ。 京太郎「ですよね。それで、指パッチンと同時に瞬間移動で現れたハギヨシさんが「承知しました」つってまた消えた後、すぐに黒塗りの長い、見るからにセレブ御用達の車に乗って来たんですよ」 もう色々ツッコみたい事ありますけど、それはいいです。 京太郎「そんで、あれよあれよとそれに乗せられて、現実味の無い車の中で現実味の無い接待を受けたんですよね。運転は別の誰かがやって、ハギヨシさんから直々に」 具体的にはどのような? 京太郎「横になって転がっても余裕で余りあるスペースに、車でこんなの使っていいの? ってぐらい柔らかいソファと、涼しくて気持ちのいい冷房を利かせて、車内冷蔵庫からキンッキンに冷えたジュースを取り出して、ワイングラスに注いでもらったりとか、ですね」 本当にあるんですね、そういうの。 京太郎「白昼夢でも見てて、現実の俺は熱中症で倒れたのかと本気で疑ったくらいですからね。頬抓っても痛いだけだったんですが」 そのように送り届けてもらった事から、龍門渕さんに良い印象を持ったと。 京太郎「大富豪さんの気前の良さって嫌味になることありますけど、あの人の場合は良い方向に発揮されてるなって思いました」 先程燕尾服は知り合いに比べたら、と言っていましたが、もしやそのハギヨシさんが? 京太郎「ええ。もう燕尾服と共に育って来たんじゃないかってぐらいに似合ってる執事さんでしてね。庶民の俺相手でも非の打ち所がない丁寧さで接待してくれたんですよ。かといってお堅い訳でもなくて、むしろちょっとユーモア出してこっちを楽しませてくれたり」 執事となるべく生まれてきたかのような人ですね。 京太郎「俺もそう思って似たような事言ってみたら「当然です。私は龍門渕家、透華お嬢様にお仕えする為に生を受けた身ですから」って」 そんな漫画みたいな。 京太郎「ところがそれが冗談でもなく、どうやらあの人の家って代々龍門渕家の人の専属使用人を輩出してきたとかで、使用人の家系らしいんですよね。ハギヨシさんは年の近い龍門渕さんにお仕えしてると」 となると、本当に生まれた時から執事として訓練を? 京太郎「俺もそれってどうなんだ? って思いましたけど、ハギヨシさんは「私自身この生き方しか知りません……と言えば不幸にも聞こえるでしょうが。執事として生きてきた事、これからもそうである事に悔いも歯痒さもありません。何よりお嬢様は素晴らしき御方ですから」って言うんですよ。それが本心から言ってるのは、見て分かっちゃいましたね」 生まれなど関係無く、性根から執事に向いていた……、と思えばいいんでしょうか。 京太郎「って言っても俺自身はちょっと納得いかないんで、帰り際寄り道させてもらって、ゲーセンに連れていきました」 それはまた何故? 京太郎「ハギヨシさんにも聞かれたんですけど、他の生き方を知らないままでいるよりも、知った上で龍門渕さんにお仕えする事を選んでるって思ってもらえた方が、龍門渕さんも気分良く主人として振る舞えるんじゃないかなって。なのでここは一つ、男子高校生の庶民的な遊びをと思いまして」 成程。それで、その執事の方はゲーセンでどのような様子でしたか? 京太郎「多分あの人こそ人間じゃないです」 人間じゃない。 京太郎「ゲームの説明は俺や機械から熱心に聞き取ってたんで初めての筈なんですが、スコア系のゲームは全国ランキング一位のパーフェクトゲーム。対戦型のゲームは俺やその場にいた腕自慢の人交えても無傷の完勝。メダルゲームやスロットでもちょっと目ぇ離した隙に容器の数が倍々に増えていくんですよ。それなりに時間経った今でもその伝説は塗り替えられてないんです」 天からいくつ貰ったんですかその人。 京太郎「それ全部を「執事ですから」で済ませようとしてたんで、あの人執事の常識が世間一般とはかけ離れてるかと」 完璧超人過ぎて少し変わった人なんですね。 京太郎「けどまぁ、結構楽しんでもらえたみたいなんで、それをきっかけに個人的に仲良くなりまして。それからちょいちょい連絡を取り合って教え合う仲になりました」 執事さんはそのスキルを、S君は男子高校生の遊びを教え合う。そんな関係になったんですね。 京太郎「まぁ教えた事の悉くが始めた時点で超えられますがね……」 では、最後に何か一言。 京太郎「もうすぐ全国大会なので、みんなを精一杯サポートしようと思います」 前話 次話
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6431.html
【冬休み7日目】 京太郎「ん……」パチッ 京太郎「……そっか、俺の部屋か」 京太郎「……まだ寝よ」 朝 京太郎「うぐぅ……眠い……」 京太郎「けど流石に二度寝して昼間とかはダメ人間みたいで嫌なんだよな……」 京太郎「何か読んで暇をつぶそう」 京太郎「この前買った良子さんの本にするか」ペラペラ 京太郎「表紙の良子さん綺麗だなぁ」ポケー 京太郎「こういうのは前書きから読むのがいいんだよな」 京太郎「えーっと、なになに?」 『現代……ディーズデイズ、君たちヤングなガールやボーイたちのパワーが私たち全体への――――――』 京太郎「何これ、前書きどんだけ続いてんの」ペラペラ 京太郎「しかも良子さんらしく横文字ばっかだし……」 京太郎「……とりあえず読み続けよう」 ―― 一時間後 京太郎「ようわからんかった……」チーン 京太郎「なんで注釈つけなきゃわかんないような英語使うんだよ……」 京太郎「今日はここまでにしておこう」 京太郎「さーて次の本は……」 ´  ̄ ̄ ` / \ / ヽ / / / | | ヽ i i { イ A A A l | l| | X{ | v八 // \ト| l| '\ // \ト、{丐ミ、\/ ィテ丐 l|/¨\\ 〃 | ハ弋ソ 弋rソ1 l! \ヽ /' | 小 ' ! 八 ヽj 表紙「」ジーッ | j 丶、 ぃ . イ / 从/ / >-<´ト、j_/\ 京太郎「……」 ´  ̄ ̄ ` / \ / ヽ / / / | | ヽ i i { イ A A A l | l| | X{ | v八 // \ト| l| '\ // \ト、{丐ミ、\/ ィテ丐 l|/¨\\ 〃 | ハ弋ソ 弋rソ1 l! \ヽ /' | 小 ' ! 八 ヽj 表紙「」ジーッ | j 丶、 ぃ . イ / 从/ / >-<´ト、j_/\ 京太郎「表紙に見られ続けてる気がするのは気のせいなのか?」 京太郎「なんかこえーよ……」 京太郎「続き、読んでみるか」 京太郎「前書きは読み終わったから、『Chapter.1-物真似とは』からだな」 京太郎「ふむふむ……」 『ミミング(注1)とは、インアザーワーズで言うと、トレースにニアーなミーニングである』 『そしてトレースとは―――――』 京太郎「あれ?これ前書きじゃね?」 京太郎「横文字の量もさらに増えてるし……」 京太郎「マジかあの人……さっぱりわかんないぞ」 昼 京太郎「字ばっかで疲れた……」 京太郎「やっぱ冬休みなのに勉強するのは間違ってるな、うんうん」 京太郎「暇なのは変わんないから……他の人のとこに遊びに行こう」 京太郎「」ブルッ 京太郎「ボロアパートだから寒いな、ここ」 京太郎「そういや霞さんとこに掘りごたつがあったよーな……」 京太郎「よし、行ってみよう」 ガララ 京太郎「霞さーん、いますかー?」 霞「あらいらっしゃい、どうしたの?」 京太郎「部屋の中あんまし暖かくないんでこっちで暖まろうかと」 霞「こっちもちょうど暇してたし、いいわよ」 京太郎「じゃあお邪魔しまーす」 霞「お茶入れてくるから、京太郎くんはあっちの部屋で待っていてね」 京太郎「はい!」 京太郎(ここで霞さんだけと一緒にいるなんてクラス発表の日以来か?) 京太郎(いつもはみんながいて麻雀打ってたり、郁乃さんが騒いでたりしたっけ) 京太郎(来年は俺と霞さんだけになるのかな……) 京太郎(他にも誰かいた気がするけど) 霞「お待たせ、はい」 京太郎「ありがとございます、では」ズズッ 霞「……」ズズッ 京霞「ぷはぁー」 京太郎「寒い時に飲む温かいものって凄いですよね、五臓六腑に染み渡るというか、食道の形がわかるような気がしますよ」 霞「そうねぇ、あ、お茶請けの濡れせんべいもあるわよ」 京太郎「じゃあそれもいただきます」ボリボリ 霞「……まったりするわね」 京太郎「ですねー」 京太郎「ポーカーでもしましょうか」 霞「ポカポカしてるからかしら?」 京太郎「…………」 霞「…………」 霞「ごめんなさい」 霞「でも、ポーカーって三人以上でやるものなのでしょう?」 京太郎「ディーラーとか無しで競うだけにしましょう」 霞「まあ暇つぶしにはなるでしょうね……そうだ、負けた方が昼ごはんを作るっていうのはどうかしら?」 京太郎「いいですね、見せてやりますよ、俺の家事スキル!」 霞「負けること前提なのね……」 京太郎「霞さんから先にどうぞ」 霞「じゃあ……これ、とこれ」 霞「次は京太郎くんね」 京太郎「……はい」 京太郎(霞さんはまだ初心者、役も覚えきっていないと見える) 京太郎(だが、なぜ……) 霞「あら?まだ決めないのかしら」ニコニコ 京太郎(あんなに悠然としていられるんだ……?) 京太郎(まさか初心者でも知っている名物役、ロイヤルストレートフラッシュを揃えたのか?) 京太郎(……いや、これはハッタリ!) 京太郎(そうだ、いくらなんでもそんな強運は滅多にない!) 京太郎(ここは三枚交換で勝負をかける!) 京太郎「フルハウス!」 霞「ツーペア……負けちゃったわね」 京太郎「ウヒョヒョヒョー!俺の勝っちだー」 霞「じゃあご飯作って来るわね」 京太郎「あ、流しちゃうんすね」 トントン 京太郎(炬燵の中で包丁がまな板を打つ音が聞こえる……) 京太郎(暇だ……) 京太郎(霞さん、料理作るときは割烹着だったよな) 京太郎(ピンクのフリフリ付エプロンとか持ってそうだけど……) 京太郎(何かイタズラしてみるか?) 京太郎(あ~右手から炎でないかな~) 京太郎(夏とか暑そうだからいいや~) 京太郎(…………) 京太郎(暇だ) 京太郎(眠い……) 霞「お待たせー……あら?」 京太郎「くかー……」 霞「待たせすぎちゃったかしら?」 霞「風邪引くわよー」 京太郎「くぉー……」 霞「起きなさそうね……こうなったら……」 霞「この鍋焼きうどんで京太郎くんを起こしちゃいましょう!」 霞「前に寝起きドッキリでびっくりしたから仕返しよ」 霞「……だけど、流石に熱いわよね」スッ 霞「少し冷ませば大丈夫よね?」 霞「ふぅーっ、ふぅーっ」 霞「このくらいでいいわね、どのくらい驚いてくれるかしら?」ワクワク 京太郎(気が付いたら霞さんが何やら企てている、直接じゃなくて良かったものの……) 霞「えいっ!」ピトッ 京太郎(案の定熱くない……) 京太郎(えぇぇ、何これどうしよう) 京太郎(どう反応したものか……) 京太郎(薄目を開けると目の前には霞さんの指があるわけで) 京太郎(うどんよりも白くて、綺麗な指なわけで)グー 京太郎(意趣返しだ)パクッ 霞「あっ……もう、何してるのかしらこの子は」ツンツン 京太郎(何だろう、霞さんの声が親戚の優しいおばさんのそれにしか聞こえないや) 京太郎(おいしかったし、もういいや) 霞「早く起きないとうどん冷めちゃうわよー?」ツンツン 京太郎「あ……どうも」ムニッ 霞「……お、おはよう」 京太郎「鍋焼きうどんですか、霞さんらしいですね」 霞「またおばさんっぽいって言うつもりなのかしら?」ジトッ 京太郎「いえいえ、家庭的だなー、割烹着似合うなー、と」ズズッ 霞「それならいいけど……」 京太郎「おっ!おいしいですよ、これ!」 京太郎「ちょーおいしいっすよ!」 霞「そ、そう?初めて作ってみたのだけど」 京太郎「今度は霞さんが作った朝ごはんとかも食べてみたいです!」 霞「ええっ!?」 霞「そ、それって毎日味噌汁作ってくれとかそういう……」 京太郎(あっれー?どこで勘違いしちゃったんだろこの人?) 夕 京太郎「今月は金銭的余裕もあるし、たまには外で食べるか」 京太郎「適当にぶらついて探そう」 京太郎(松屋の主な長所は味噌汁が無料ということと、食券制ということの二点だ) 京太郎(食券制であることにより、す○家に見られる聞き間違いなどのトラブルが少ない) 京太郎(ネギたま牛丼とキムチを頼んだら、キムチ牛丼とキムチが出てきたのは良い思い出だ、整合性考えようぜ) 京太郎(味噌汁無料というのは他のとこと比べてお得感があってなんか良い) 店員「旨辛ネギたま牛めしですねー」 京太郎(というわけで松屋に来てみたのだが……) 竜華「な、なんで京くんがここにおるんや」ワナワナ 京太郎(わなわなしてる人がいた) 京太郎「奇遇ですね、竜華さんもここで夕食ですか?」 竜華「お、お母さんもお父さんもおらんし、せっかくやから食べてみたいと思って来ただけなんやからな!」 竜華「牛丼が好きとか、そういうわけやないんやからな!」カァァ 京太郎「前後で矛盾してますよ、落ち着いてください」 竜華「はぁーっ、はぁーっ」 竜華「京くんはよく来るん?」 京太郎「俺ですか?たまーにですね」 竜華「そっか……ええなぁ」 京太郎「え?」 竜華「あっ!ちゃうから!いつも一人で自由やな、って思うとっただけやから!」 京太郎「いつも一人……」ズーン 竜華「ああ!落ち込んでもうた!」 京太郎「竜華さんもこんな店に来るんですね、意外です」 竜華「変、やろか?」 竜華「千里山の麻雀部部長がこんなところで夕食って……」 竜華「女の子っぽくないと思う?」 竜華「京くんは嫌やろ?」 京太郎「嫌とか訊かれましても……」 京太郎「好きなものは好きっていうべきですよ」 京太郎「俺は牛丼好きな竜華さんだっていいと思います、変でも、嫌でもないです」 京太郎「だいたい、そっちにはセーラさんがいるんですから一緒に行けばいいじゃないっすか」 竜華「セーラはああ見えてファミレスでパフェ頼むかどうかで10分悩むくらいやで」 京太郎「案外行かなさそうですね……」 竜華「どうすればええんやー!」ウェェン! 京太郎「じゃあ、俺と一緒に行きましょう!」 京太郎「いつでも呼んでくれれば飛んでいきますよ!」 京太郎「まあ、どうせ一人ぼっちですし……」 竜華「そっか、ほなそんときは頼むな!」 京太郎「はい、それじゃあ食べましょうか」 京竜「「いただきまーす!」」 夜 京太郎「読書に始まり、読書に終わる」 京太郎「嗚呼、なんという学生的な日々よ」 京太郎「さて、何を読むか」 京太郎「朝はよくわかんなかったけど、今度こそは十二分に噛み砕いて理解してやる!」 京太郎「ここから……」ペラッ 京太郎「良子さんのプロマイド、こんなのもあるのか……」 京太郎「ボタンを外して少しはだけさせたブラウスを着た良子さん……」 京太郎「この良子さんが俺に教えてくれていると思えば……!」キィィィン! 京太郎「妄想しすぎて集中できなかった……」 京太郎「心なしか使われてる英語が簡単になってる気がしたし、プロマイドって偉大」 京太郎「でもこのプロマイドエロすぎないか?」 京太郎「こういうの目当てで買う人もいるんだよな……」 京太郎「良子さんにストーカーとかいるのか?」 京太郎「なんか心配になって来た……」 京太郎「続きを読み進めよう!」 京太郎「今のモチベーションなら今度こそ理解できるはずだ!」ペラペラペラ 京太郎「やっぱりもうないよなぁ、プロマイド」 京太郎「ふんふむ」 京太郎「えーっと、つまり本の内容を総合すると……」 物真似、トレースにおいて最も重要なのはイメージである その人の打ち筋を見て、思考をイメージ、理解しようとする 第二にそのイメージを投影すること その人だったらこの場面でどうするか、考えて実際に打ってみる 次第にその人の精神に身体が乗っ取られ、その人特有の運、オカルトチックな法則を手に入れることができる 京太郎「結局オカルトじゃねえか!」 京太郎「……打ち筋を見て思考を理解、ならできるかもしんねえけど……」 京太郎「MAOはリアルだからこっちで練習してみるか」 京太郎「プロのなら公式の牌譜があるし……」 京太郎「よし、やってみよう!」 チュンチュン 京太郎「ふぅ……こんなもんか」 京太郎「もう朝4時、ウソだろ……」 京太郎「早く寝よう」 【冬休み7日目】終 【冬休み8日目】 京太郎「結局あまり眠れなかった……」 京太郎「昨日はやたらと疲れたなぁ……」 朝 京太郎「気分転換にちょっと歩いてくるか」 京太郎「朝の公園は、冬の陽気にあいまっていい感じだ」 京太郎「」ブルッ 京太郎「さっさと帰ろう……」 憩「あ、京太郎くん?」 京太郎「……憩さん?」 憩「朝から散歩かぁ、偉いなぁ」 京太郎「偉い、ですか?」 憩「冬休みやっちゅうのに朝早く起きて散歩なんて偉いでぇ」 京太郎「それを言ったら憩さんも同類じゃないっすか?」 憩「あははっ、せやねー」 京太郎「……憩さんは麻雀の調子、どうですか?」 憩「二年生の子たちと頑張ってるで、大会が楽しみやね」 京太郎「当たることになっても、容赦はしませんよ?」 憩「ふふっ、それはこっちの台詞やで」 憩「……はぁー」 憩「ちょっと寒くなって来たなぁ」 京太郎「寒ささえなければ、冬は最高なんですけどね」 憩「晴ればっかりやしなぁ」 憩「けど、晴れてばっかで暑くないのは冬が寒いからって、バランスええよな」 京太郎「ですよねぇ」 憩「んーっ」ノビーッ 憩「はぁ……もうこんな時間かぁ」 憩「京太郎くん、この後予定とかあるん?」 京太郎「特にないですね、憩さんは?」 憩「ウチは勉強、息抜きに麻雀や」 京太郎「うわぁ、大変そうだ」 憩「楽しいと思えばそうでもないんやで?」 憩「図書館におるから、京太郎くんも暇やったら来てなーぁ」 京太郎「はい、気が向いたら!」 昼 京太郎「暇だー」ゴロゴロ 京太郎「あれ?いつも暇だったら暇が普通になって暇であることが暇でなくなるんじゃないか?」 京太郎「そうなったら暇って一体どうなるんだ?どんだけ暇になるんだ?」 京太郎「…………」 京太郎「そういや憩さんが図書館にいるっつってたな……」 京太郎「行ってみよう」 京太郎「どうも、憩さん」 憩「きゃっ!……なんや、京太郎くんかぁ」 京太郎「誘われたんで、来ちゃいました」 憩「集中しとったんやから、びっくりさせんといてなぁ」 京太郎「はい、気を付けますね」 憩「そんで、京太郎くんはどこ悩んでるんや?」 京太郎「えーっと……この辺りですかね?」 憩「せやから、ここはこーやって……」 京太郎(憩さんが隣で懇切丁寧に教えてくれてるけど、暖房が気持ち良くて、憩さんの声が耳に優しくて……) 京太郎(……あー…………やばい……)ガクッ 憩「こーすれば……ほら、完成やで」 京太郎「くこー……」Zzz 憩「京太郎くん?」 京太郎「…………」Zzz 憩「教え方悪かったんかな?……それやったら凹むなぁ」 憩「京太郎くーん?」 京太郎「…………」Zzz 憩(ちょうどペンもあるし、落書きしたろ) 憩(二人っきりの時間を無駄にした罰や)カキカキ 京太郎「くー……」Zzz 京太郎「んあ……」 憩「……」スラスラ 京太郎「あ……おはようございます」 憩「あ、やっと起きた……ブフッ」 京太郎「え!なんで吹き出してんですか!」 憩「だ、だって、ふふっ」 京太郎「何なんすかもー!」 ―――トイレ 京太郎「……」 京太郎「額に肉ってどんだけ幼稚なんだよ」 京太郎「しかも水性ペンってあたりも優しいよな……」 京太郎「これは何か仕返しをしないとな」 京太郎「これに見合うくらいの仕返しを……」 京太郎「憩さん♪」トントン 憩「何や?」プイッ プニッ 京太郎「ははっ、引っかかりましたね?」プニプニ 憩「懐かしいなぁ、それ」 京太郎「お返しですよ」 憩「あ、どうやった?ウチのいたずら、恥ずかしかったやろ?」ワクワク 京太郎(恥ずかしいというより可愛かった……ってのは無しだよな) 京太郎「もう、勘弁してくださいよ?」 憩「京太郎くんが寝るから悪いんやでー」 京太郎「そりゃあ確かにそうでしょうけど……」 憩「さ、もう少し頑張ろか」 京太郎「はい!今度こそは寝ませんよ!」 憩「あはは、頼もしいやら頼もしくないやらようわからんなぁ」 夜 京太郎「今日は散歩行って、朝飯食べて、昼飯食べて、憩さんと勉強して、晩飯食って風呂入ったのか」 京太郎「勉強したこと以外いつもと変わんないなぁ……」 京太郎「まあ一昨日とか合宿行ってたし、バランスが取れてるとは思えるな」 京太郎「寝る前に誰かにメールしよう、暇つぶしだ」 京太郎「暇そうな人……っと」 京太郎「……怜さんなら暇そうだな」 京太郎『今暇ですかー?』 京太郎「……よし」ピッ ヴーッ ヴーッ 怜『なんやいきなり、まあ暇やけど』 京太郎『やっぱりそうでしたか、予想どおりでした』ピッ 怜『京くんはうちが冬休みに何も予定無しの可哀想な子やと思ってんのか なんや傷つくなぁ』 京太郎『そういうつもりじゃなくてですね!暇な怜さんなら俺の暇つぶしにも付き合ってくれるんじゃないかな、と』ピッ 怜『はいはい、夜は暇な怜ちゃんですよー …こう言うといやらしいな』 京太郎『怜さんは冬休みの予定、何かあるんですか?』ピッ 怜『昨日はセーラと買い物行って、今日はりゅーかと服買いに行ってたで 明日は二日遊んだから一日中ダラダラして、明後日は一日ダラダラしたからもう一日ダラダラするんや 明々後日もダラダラするつもりやで』 京太郎『ダラダラばっかじゃないっすか』ピッ 怜『しゃあないやろ、去年までは休みになったら検査入院とかして友だちの誘い断ってばっかやったんやから この前やって「園城寺さん…は病院があるから駄目やろ?ごめんな」って言われたし…』 京太郎『なんかすみません』ピッ 怜『ええんやけど、りゅーかとセーラが両方とも旅行に行ったときは寂しかったなぁ 京くんの方はどうなん?』 京太郎『俺は去年までは咲とモモと遊んでたんですけど、確かに誰もいないときは寂しかったですね 最近は用事なんてないですよ』 怜『そーか、うちら暇人同士なんやなー』 京太郎「うっ、認めたくはないけどその通りだ……」 京太郎「どう返そうかな」 京太郎「待てよ?怜さんくらいの人だったら学年選抜に選ばれてるんじゃないか?」 京太郎「だったら一緒に麻雀とか良さそうだな」 京太郎『俺と一緒に麻雀の練習しましょう』ピッ 怜『それやったらいつかの千里山に来る権利を行使させてもらうわ うちはいつでもええけど、京くんはいつ来れるんや?』 京太郎「明日……かな?でも朝はゆっくりしたいから昼間くらいに……」 京太郎『えっと、明日の午後からなら大丈夫です』ピッ 怜『予想できたわ、昼まで寝てるつもりやろ?』 京太郎『怜さんじゃないんですからそんなことしませんよ(笑)』ピッ 怜『残念ながら、うちの休日は午前9時起きなんやで』 京太郎『俺の怜さんのイメージが……』ピッ 怜『うちはどんなイメージなんや、逆に気になるわ』 京太郎『そのうち教えてあげますよ、今日は明日に備えて寝ましょうか』ピッ 怜『せやな、楽しかったで、おやすみー』 京太郎『おやすみなさーい』ピッ 京太郎「さーてと、さっさと寝ますかね……」 ヴーッ ヴーッ 京太郎「メール?誰からだ?」 智葉『須賀、起きているか?』 京太郎「辻垣内さん?」 ヴーッ 智葉『起きていないよな、こんな時間にすまなかった』 京太郎「何やら困っている雰囲気かな?とりあえず返そう」 京太郎『どうしたんですか?』ピッ 智葉『実はだな……』 智葉『監督が須賀成分が不足しているとうるさいんだ』 京太郎『須賀成分?』ピッ 智葉『監督曰く須賀の匂い、声、触感のいずれかを味わった時に得られる栄養のようなものらしい』 京太郎『何すかそれ…、俺にどうしろと言うんですか?』 智葉『ちょっと抱いてやって落ち着かせてやれないか?』 京太郎『距離的に無理があるじゃないですか』ピッ 京太郎(それに「抱く」って……) 智葉『冗談だ、5分後にそっちに電話をかけるから、下に書いてあるセリフを言ってくれればいい』 京太郎「えっと……「月が綺麗ですね、カントク」「毎朝俺に味噌汁を作ってください」「ずっと君を隣で見ていたい」」 京太郎「「ずっと離さないよ」「ねえ、ずっと一緒にいるって言いましたよね?」「貴女がいけないんです、俺の、俺の傍にいてくれなかったから……っ!」……?」 京太郎「なんかおかしくないかこれ?」 智葉『助かったよ、監督も満足している』 京太郎『お役にたてて良かったです。でも俺なんかの声で良かったんでしょうか?』ピッ 智葉『君の声は男らしくて快い気分になるんだ。今日は安眠できそうだよ』 京太郎「……あれ?」 京太郎『それはよかったです、他に何か用事はありますか?』ピッ 智葉『十分だ、おやすみ』 京太郎『おやすみなさい』ピッ 京太郎「今日は安眠できそうだ……って監督さんのことだよな?」 京太郎「……そうだよな?」 『ずっと離さないよ』 『ねえ、ずっと一緒にいるって言いましたよね?』 『貴女がいけないんです、俺の、俺の傍にいてくれなかったから……っ!』 『……ようやく、本当に貴女と一緒になれる』 『ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとZUTTOォ!』 智葉「……ふふっ」 智葉「これでよく眠れる……」 「お、お嬢が笑顔で眠っていらっしゃる……」ザワザワ 「お前ら、絶対に邪魔すんじゃねえぞ」ザワザワ 「一体何を聞いてるんでしょうか……」ザワザワ 【冬休み8日目】終 【冬休み9日目】 京太郎「あと二日で交流戦か、オーダーは明日提出でいいんだよな」 京太郎「そこも考えつつ、今日は怜さんと麻雀だ!」 朝 京太郎「健康志向な俺は朝の散歩に行きましょうかね~」 京太郎「どうせやることないし……」 京太郎「クーリスマスが今年もやってくるー」 憩「京太郎くーん!」 京太郎「あっ、憩さーん!」 タッタッ 憩「京太郎くんは今日も散歩?」 京太郎「はい、憩さんもですか?」 憩「せやで、今日も会うなんて奇遇やねー」 京太郎「実を言うと、今日も憩さんに会えるんじゃないかな、と思ってここ通ったんですよ」 憩「ウチも同じやで、えへへ」 京太郎「ははっ、なんかお互い通じ合ってるって感じっすね」 憩「せやねー、以心伝心ってやつやろか?」 京太郎「それなら俺たち夫婦になれますねー」 憩「……へ?」 京太郎「……あー……」 京太郎「いや、そんな変な意味は無くて、ほんの冗談のつもりだったんです」 京太郎「……すみません」 憩「ええよ、気にしいひんさかい謝らんでも」 憩「京太郎くんと結婚っていうの、楽しそうやね」 憩「毎日笑顔で幸せにできそうや」 京太郎「じゃあ、俺たち結婚します?」 憩「……それができたらええんやけどな」 京太郎「え?」 憩「なんで……ウチは……」ウツムキ 京太郎(冗談なのになんでこんな暗い雰囲気になってんだ?地雷踏んじゃった?さっきまで笑い合ってたよな?) 憩「……ごめん、もうウチ帰るわ」ダッ 京太郎「えっ、憩さん!?」 京太郎「…………」 京太郎「何だったんだろう、あれ」 昼 京太郎「今日は他の人の部屋に遊びに行こう」 京太郎「誰か部屋にいるかなー?」 京太郎「……あれ?」 京太郎「何か忘れてるよーな……」ポクポク 京太郎「あっ!」チーン 京太郎「怜さんとの練習忘れてた!」 京太郎「やっべーよ何やってんだよ俺!」 京太郎「早くいかねえと!」 ――校門前 怜「はぁー」コシコシ 怜(京くん、まだやろか) 怜(このままやと凍え死にしそうや……)ブルブル 京太郎「おーい、怜さーん!」ブンブン 京太郎「はぁ、はぁ、すんません、遅れました」 京太郎「ひょっとして、待っててくれたんですか?」 怜「いや、偶然や、偶然」 怜「京くんのことなんか待ってへんもん」 京太郎「そんなに指赤くして何言ってんですか、怜さんは病弱なんですから無理しないでくださいよ」 怜「無理なんてしてへんわ、ほないくで」 ギュッ 怜「ちょっ、なんで手ぇ繋いどるんや」 京太郎「差し出がましいですけど、そんな手は放っておけないですから、せめて片手だけでも」 怜「……好きにすればええやろ」プイッ 京太郎「はい、それじゃあ行きましょうか」 怜「ほんで、何するん?」 京太郎「怜さんと特訓に決まってるじゃないっすか!」 怜「ふーん……そっか」 怜「特訓いうても京くんが強くなるとこもうないやん」 京太郎「ところがどっこい、最近本を読んで身に付けた業があるんすよ!」 怜「本読んだだけでわかるなんてえらい軽いな」 京太郎「まあまあそう言わずに」 京太郎「そういえば、怜さんはどうして麻雀を始めたんですか?」 怜「きっかけ?」 京太郎「はい」 怜「ん……確か小学生の頃に、隣のベッドで寝とったおじいちゃんに教えてもろたんや」 怜「そっからセーラと竜華に教えて、三麻してばっかやったわ」 京太郎「そうだったんすか」 怜「結局、後の二人の方が上手なってわたしは置いてけぼりなんやったんけどな」 怜「京くんの方はどうやったんや?」 京太郎「俺は照と咲の家に行ったときに教えてもらいましたね」 京太郎「最初はカモにされっぱなしでしたよ」 怜「そっかぁ、懐かしいなぁ」 怜「最初の時のまま、ずっと楽しく打ってたいわ」 京太郎「ずっと楽しく、ですか」 京太郎「どうやったらそんなことができるんでしょうか」 京太郎「どっかで俺たちは勝利に執着しちゃって、勝てないとつまんなくって麻雀を嫌になる」 京太郎「そういうの、俺は嫌なんですよね」 怜「……せやったら、京くんが楽しく打てばええんやないの?」 京太郎「俺だけでですか?」 怜「人のプレイスタイルってな、意外に伝わるものがあるねん」 怜「この人頑張ってるんやなーとか、この人麻雀好きやないんやなーとか」 怜「京くんだけでもそうやって打ってれば、きっと誰かが気づいてくれるはずや」 怜「多分、対局しとったらもっとわかりやすいはずやで」 怜「ほら、一遍笑ってみぃ」 京太郎「こうですか?」ニコッ 怜「うん、振り込むのも負けるのも全部麻雀なんやから、そのまま明るく笑ってれば、楽しいやろ?」 京太郎「なるほど、なんか掴めた気がします!」 京太郎「集中したから疲れました……」グダー 怜「わたしもー」グデー 怜「京くーん、何しよかー」ムニムニ 京太郎「俺に聞かないでくださいよー」ムニムニ 怜「やっぱり時間持て余すなー、あと京くんのほっぺやわらかいなー」ムニー 京太郎「怜さんの方こそ柔らかいじゃないっすかー」ムニー 怜「暇やなー」 怜「こほっ、こほっ」 京太郎「大丈夫ですか?」 怜「ただの咳やから大丈夫や」 京太郎「そっすか……!」ピコーン 京太郎「いかん、いかんよ園城寺くん」 怜「なんやいきなり」 京太郎「これは、あれだ、須賀病院の院長である私、須賀京太郎が診てあげよう」 怜「はぁ、ほなお願いします」 京太郎「お任せあれ!」 京太郎「で、症状は如何様に?」 怜「咳と鼻水とダルいですね」 京太郎「そうですか、じゃあまずは触診で」 怜「なんでその症状で触診するんや……」 京太郎「えっと、熱は無いみたいですね」ピトッ 怜(首筋か……それ触診言わんやろ) 京太郎「じゃあ次は口開けてくださいね」 怜「あー」 京太郎「さてと、次の人のカルテは……」 怜「あー……」プルプル 京太郎「眼鏡眼鏡……」 怜「……」イライラ 京太郎「あっ、今日はコンタクトだった!」 怜「ちゃんと見んかい!」 京太郎「やだなー、放置プレイなんてするわけないじゃないですかー」 京太郎「次は心臓の音とか聞いていきますねー」 怜「結局見てへんやないか!」ビシッ 京太郎「ほら、早く服めくってくださいよ」ニヤニヤ 怜(この医者腹立つなぁ、セクハラ根性丸出しやん、って、京くんやったわ) 京太郎「さあ早く!ハリー!ハリー!」 怜(面倒くさいけど、大阪のノリの良さも見せへんと……それに、京くんやったら、服の下やって……)カァァ 京太郎「ハリー!ハリーアァァ「シャラァァァァァップ!」!」 ゲシッ 京太郎「そげぶっ」 怜「あ、死んだ」 竜華「大丈夫やった、怜?」 怜「見とったんなら途中から止めてぇな」 竜華「そ、それはちょっと……」 竜華(服捲るかどうか迷って顔赤くしとった怜が見たくて助けへんかったんやで……) 竜華「で、この下衆はどないしよか」 怜「そこに座らせたまんまでええよ」 竜華「ん、わかったわ、よいしょ」 怜「ほな私寝るから~」グデー 京太郎「」ピクピクッ 竜華「怜、ちゃんと練習せなあかんで」 怜「わかってるから、竜華はセーラたちと打ってきぃ」 竜華「もう、後でこっち来るんやで」 怜「はーい」 怜「……はぁ」 怜「今日も疲れたなぁ」ムニッ 京太郎「」ピクピク 怜「誰のせいやと思ってるんやー?」ムニー 京太郎「ふご……」 怜「ふふっ」 怜「今日はこのまんまごろごろしてるだけでええわ……」 キーンコーンカーンコーン 怜「京くーん、部活終わったでー」 京太郎「んあ……はっ!俺は今まで何を!?」 怜「ずっとピクピクいうとったわ」 京太郎「……あれ?部員の皆さんは?」 怜「みんな帰ったで、もう後片付けも牌の掃除もしたで」 京太郎「じゃあ俺って凄く邪魔だったんじゃ……」 怜「うん、その通りやで」 京太郎「くっ、屈辱……っ!」 怜「残ってるの私らだけやさかい、はよ出よか」 京太郎「はーい、そうっすねー」 怜「鍵返してきたでー」 京太郎「はい、靴」 怜「おおきにー……んしょ」 京太郎「んじゃ、行きましょうか」 怜「ちょっと待ちぃ」ギュッ 怜「……うん、温かいな」 京太郎「えっ、いや……帰りもそうするんですか?」 怜「行きにしたんはどこの誰やったやろな~」 京太郎「そりゃそうっすけど……」 怜「ほな帰ろか」グイッ 京太郎「あーもう待ってくださいよー!」 怜「遅いでー男の子のくせに~」 怜(手だけやなくて顔も胸も熱いわ) 怜(これは新発見でええんやけど、京くんにこんな顔見せられへんやん)カァァ 京太郎「歩くの速いっすよー!」 夜 京太郎「俺には、明後日に負けられない戦いがあるんだ」 京太郎「今日の内に邪念を断っておこう」 京太郎「まずは……今朝会った憩さんにしようかな」 京太郎「シチュエーションは……そう、俺が入院して看護婦の憩さんが夜に俺の部屋を訪ねてきたとしよう」 京太郎「そして憩さんは俺にご奉仕を……」 ―――一時間後 京太郎「駄目だ、あの笑顔の罪悪感からか全然出ねえ……」 京太郎「憩さんは諦めよう、次は……」 京太郎「怜さんにしてみるか」 京太郎「シチュエーションは……今度は逆に医者になった俺を頼ってきた怜さんに、俺は座薬を注入しようとして……」 ―――一時間後 京太郎「……ふぅ」 京太郎「満足だ、実に満足だ」 京太郎「風呂入って寝よ」 【冬休み9日目】終 【冬休み10日目】 ※大会までの休日最終日 京太郎「明日だってえのにもう緊張するぜ」 京太郎「ハッスルのおかげで目覚めもいいし、朝から頑張るぜ!」 朝 京太郎「今日も千里山の様子を見に行こう」 京太郎「昨日も得られるものはあったからな」 京太郎「というわけで今日もよろしくです!」 浩子「ほーん、あっそ」 京太郎「何すかその素っ気ないリアクション!」 浩子「この寒い中迎えに行かされる身になってみぃ、ほんま邪魔やわ」 京太郎「」グサッ 京太郎「今日は対局をするぞ!」 京太郎「空いてる卓は……っと」 雅枝「おう、京太郎、ええ所に来たな」 竜華「ウチらと打とー!」 怜「勝たせへんで」メラメラ 京太郎「ふっ、上等です!俺は負けませんから!」 京太郎 22+200+55=277 竜華 76+140+25-30=211 雅枝 71+200+90+30=391 怜 62+124+45+15=246 雅枝「……」コォォォォオオオ 京太郎「何も、できなかった……」 怜「ま、監督が本気になればこんなもんやな」フフン 京太郎「-収支なのになんでそんな得意気なんですか」 怜「諦めはつけるもんなんやでー」 京太郎「また飄々と……竜華さんも何か言ってやってくださいよ」 竜華「…………」ズーン 京太郎(これが正常なリアクションだった!) 京太郎「竜華さん?大丈夫ですか?」 竜華「……うん」 怜「竜華ああ見えて真面目やから、練習とは言うても人一倍ショック受けとるんや」ヒソヒソ 京太郎「ああ見えてっていうか見たまんまじゃないっすか、どうするんすか」ヒソヒソ 怜「二人で何かして励ますくらいしかでけへんやろなぁ」ヒソヒソ 京太郎「それじゃあ……」ヒソヒソ 雅枝(何話しとるんやろ……) 竜華(おなかすいた……) 京太郎「あははっ!それ最高にスベらないっすよ!」 怜「せやろー流石やろー」 竜華「」グー 竜華「」カァァ 雅枝(何話しとるんやろ……) 竜華(あかん……あの二人がずっと話しとるから席から離れられへん) 竜華(泉が持ってきてくれたお茶菓子、食べたいなぁ)ソワソワ 京太郎「そうだ、俺お茶入れてきますね」 怜「行ってきー」 竜華(もう、なんで怜も一緒に行かないんや!) 京太郎「入れてきましたー」 怜竜雅「「「はやっ!」」」 京太郎「お茶菓子もあったんで、持ってきました、はい」 怜「おおきにー」 雅枝「すまんな」 竜華「……ありがと」 竜華(一個だけか……) 京太郎「あ……でも俺部外者だから食べちゃダメか」 京太郎「戻してくるのもアレなんで、竜華さん食べてください」 竜華「ええの……?」 京太郎「そのために取って来たので」 竜華「えっ」 京太郎「そうそう!そこで俺の友だちがですね!」 怜「いや、京くん友だちいないやん」 京太郎「一応いますから!」 竜華(ウチ、今京くんに気ぃ使われたんか……?) 怜「ほな私セーラんとこ行ってくるなー」 京太郎「はーい」 雅枝「私も抜けるわ」ガタッ 京太郎「はーい」 竜華「…………」モグモグ 京太郎「おいしいですか、お茶菓子」 竜華「うん……」モグモグ 京太郎「そっすか」 京太郎「……」 竜華「……」モグモグ 京太郎(この沈黙は竜華さんの行儀がいいから仕方ないんだ、俺に落ち度があるわけじゃない) 京太郎(……あんな腹の音出してたら誰でも気づくもんな) 京太郎(ひょっとして竜華さんが喋らないのは恥ずかしいから?) 京太郎(そうだとしたら嬉しい気がする……あくまで妄想だけど) 京太郎「竜華さんは大会の前の予定とかあるんですか?」 竜華「予定?」ゴックン 竜華「特にないけど、それがどうしたん?」 京太郎「いえ、最近怜さんが暇だ暇だ言ってるんで試合のない時間に一緒に出掛けたりとかすればどうかな、と」 竜華「へ?怜ならいつも遊び誘ったら」 怜『あー行けたら行くなー』 竜華「って」 京太郎(それいっつも来ないやつの常套句だろうが!) 京太郎「その割には本人寂しがってるみたいですけど」 竜華「せやったらウチら三人で出かけよか?」 京太郎「三人?竜華さんと怜さんと江口さんですか、いいんじゃないでしょうか」 竜華「ちゃうちゃう、ウチと怜と京くんや」 京太郎「えぇぇ……」 京太郎(試合前に女の子二人と出かける選手ってどうなんだ?) 京太郎(天国だからその話はぜひともお受けしたいけど……) 京太郎「是非行かせてください!」 竜華「うん、ええ返事やな」 竜華「試合は15時から4試合やから……いつまで遊ぼか」 京太郎「えっと、じゃあ……」 京太郎「じゃあ明日の朝だけ遊んで、昼間は各自自由ってことでいいんじゃないですか?」 竜華「せやね、それがええわ」 竜華「怜には後で伝えておくとして……あ、京くん連れてきたいことかおる?」 竜華「流石にセーラに悪い気がするから京くんもそんな子がおったら連れてきてな」 京太郎「考えておきますよ」 セーラ「竜華ぁー、こっちで打とー!」 竜華「わかったわー!」 竜華「ほなウチ行くわ、京くんもサボってへんでしっかり頑張ってな」 京太郎「はーい」 昼 京太郎(ここ最近、憩さんと朝から喋って、勉強も教えてもらった) 京太郎(だけど、あの人はあのアパートにはいない) 京太郎(……そういや、憩さんの部屋って入ったことあったっけ) ピンポーン 京太郎「須賀京太郎です!」 京太郎(憩さんを連れ戻して、憩さんの部屋に遊びに行こう) 『なんで……ウチは……』 京太郎(あんな表情はさせたくない) 「入りたまえ」 ギィィィィ 京太郎(憩さんには、笑っていてほしいんだ) 京太郎(……事情を知らないと何が何だかよくわかんないんだけどな) 京太郎(今日も憩さんのお父さんと話そう) 京太郎(前回来たときは仕事で話せなくて、その前は……) 『ここから先は私たち家族の話なんでね』 京太郎(って言ってたよな) 京太郎(今回こそはちゃんとその事情を聞かなきゃいけないんだ) 荒川父「よく来たね須賀君、この前もここに来てくれたらしいじゃないか」 荒川父「相手ができなくて残念だったよ」 京太郎「今日は予定が空いてたみたいでよかったです」 荒川父「明日が娘の最後の晴れ舞台だからね、今日から休日なんだ」 京太郎「最後?」 荒川父「立ち話も難だ、座りたまえ」 荒川父「今日はほうじ茶を入れてある、お茶請けのまんじゅうもおいしいから食べてみるといい」 荒川父「……さて、今日は何を話しに来たんだい?」 京太郎「憩さんのこと、あなたの言う「家族の話」について教えてください」 荒川父「家族の話……ああ、君はそんな言葉の節々まで覚えているのか」 荒川父「だが、それを知って君はどうする、君にはどうにもできない話なんだ」 京太郎「話を聞かずにそんな判断を下せるほど、俺は臆病じゃないんですよ」 荒川父「はっはっは、そうか、うむ、それでは話すとしよう」 荒川父「この荒川家が病院を持っているのは知っているね?」 京太郎「そして三箇牧高校の設立にも支援をしたってことまでは知っています」 荒川父「それは……ああ、石戸先生が話してくれたんだね」 荒川父「私の病院は大規模で、自分で言うのはどうかと思うが、地域の信頼も厚い」 荒川父「この病院をさらにいい病院へと成長させたい、と私は常々思っているんだが、その一環として、やはり若い力を取り入れたいと思っているんだ」 荒川父「若さというものは素晴らしい、将来があって、我々よりも大きな可能性を秘めている」 荒川父「だが、私は病気を患っていてね、そう長くは持たないんだ」 荒川父「だからまずは若い跡継ぎが欲しいと思ったんだ」 荒川父「新しい世代が新しい医療を育んでいく、いい響きだろう?」 荒川父「そこで、私は懇意にしてもらっている先生の息子と憩を婚約させることにしたんだ」 京太郎「婚約……!?」 荒川父「もちろん婿養子として彼を迎えるんだ、こちらがちゃんとしていなくては釣り合わないだろう」 京太郎「それで、憩さんを清々荘から連れ戻した、って言うんですか」 荒川父「そうだ、そして明日の大会が終わった後、憩には麻雀から手を引いてもらう」 荒川父「正確には麻雀部を辞める、だがね」 荒川父「これが私たちの話だ」 京太郎「……憩さんは、それに納得しているんですか」 荒川父「憩と彼は私たちの付き合いでよく遊んだりしていてね、知り合ってまだ一年の君よりも多く、お互いについて知っている」 荒川父「だからだろうね、利口な憩は納得してくれたよ」 京太郎「なっ……」 荒川父「君が彼の代わりになるというなら話は別だけどね、そこまでの覚悟はないだろう」 京太郎「…………」 京太郎(憩さんが婚約して、麻雀部をやめる……?) 京太郎(……なんだよ、それ) 京太郎(確かに俺じゃああんな病院を継げるほどの医者になれるかどうかなんて不可能に近い) 京太郎(俺は憩さんを放っておくことしかできないのかよ……) 荒川父「話は済んだね」 京太郎「憩さんと話させてください」 荒川父「よかろう、おい」 秘書「はい」 荒川父「須賀君を憩の部屋に案内しろ」 秘書「かしこまりました」 京太郎「……はぁ」 秘書「貴方、どうするつもりなの?」 京太郎「あんなの親のエゴじゃないっすか、憩さんを道具みたいに扱って」 京太郎「俺は、憩さんを救いたいですけど、それがどうやったらできるのかわからないんですよ」 秘書「男ならシャキっとしなさい」 秘書「まだ可能性はあるんだから、頑張りなさい」 秘書「この先にお嬢様がいるわ、何を話すかは貴方の自由よ」 秘書「それじゃ、また後でね~」フリフリ コンコン 京太郎「憩さん、俺です、京太郎です」 ガララ 憩「聞いてるで、入ってええよ」 京太郎「お邪魔します」 憩「京太郎くんがウチの部屋におるって変な感じやなー」 憩「で、何しよか?」 京太郎「……俺、話があって来たんです」 憩「話?」 京太郎「……はい」 京太郎「憩さんの話、お父さんに聞きました」 憩「ウチの話?」 京太郎「憩さんが、婚約させられるって」 憩「ああ……聞いてもうたんか」 京太郎「憩さんは、その婚約に納得してるんですか?」 憩「納得は……してるで」 憩「お父さんのためになるんやったら、ウチは構わへん」 憩「ウチは荒川家の娘やから、しょうがないんよ」 京太郎「…………」 京太郎「憩さんの気持ちはどうなんですか」 京太郎「親に良いように使われて、麻雀部に来れなくなっても、それでもいいのかって聞いてるんですよ」 憩「それ、は……」ポロッ 憩「うっ……うぅ……」ポロポロ 憩「まだ、麻雀、打ちたい」ポロポロ 憩「みんな、ぐずっ、と、いたい……」ポロポロ 京太郎「…………」 京太郎「嫌なら嫌だ、ってお父さんに言いに行きましょう」 京太郎「俺が付いていますから」サスサス 憩「うぅ……」ポロポロ 京太郎(憩さんが納得してるならって思ったけど、こんなの許してたまるか) 京太郎(……どうにかして阻止してやる) 憩「……もう、大丈夫やで」 京太郎「憩さんはどうしたいんですか?」 憩「ウチは……まだやりたいことがあるんや」 憩「……せやから、あの話はお断りしたい」 京太郎「それで十分です、それじゃあ行きましょうか」 憩「……うん」 憩「京太郎くんも、傍にいてくれるんやろ?」 京太郎「俺もそんな話は許せませんからね」 憩「おおきに」 京太郎「お礼はまだ早いですよ」 憩「これは先払いになるから、大丈夫や」ニコッ 秘書「お嬢様と須賀様をお連れ致しました」 荒川父「入りたまえ」 京太郎「失礼します」 荒川父「……それで、今度は憩を引き連れて何の話かな」 憩「えっとな……その……」 京太郎(何だこれ、さっきよりもはるかに緊張するぞ) 京太郎(気張って来たのに、何も考えつかねえじゃねえか) 京太郎(憩さんも言葉がつかえてるし、ここはサポートするべきなのか?) 京太郎「……憩さん」ボソッ 京太郎「俺がフォローしますから、憩さんは憩さんの考えを言ってください」ボソボソ 憩「……うん」 京太郎「憩さんなら大丈夫ですよ、もっと自信を持ってください」ボソッ 憩「……せやね」 憩「お父さん……ウチ」 憩「……ウチな、婚約の話、無かったことにしてほしいんや」 荒川父「ほう、なるほどね」ジロッ 京太郎「!」ビクッ 荒川父「それは一体なぜだ?」 憩「そ、それは……」 京太郎「憩さんから、麻雀を奪わないでください」 憩「!」 憩「ウチには、まだしたいことがあるんや」 憩「清々荘のみんなで楽しくパーティーやって笑いたい」 憩「クラスの友だちと話しながら学校に行きたい」 憩「お昼ご飯やって、この家で貰った弁当より、友達と購買とか学食で買ったのとか、自分で作ったんが食べたい」 憩「放課後も、京太郎くんたちと仲良く麻雀打ちたい」 憩「清々荘のみんなとパーティーして、他愛もない話して笑いたい」 憩「まだ自由でいたいんや」 荒川父「……ふむ、自由、か」 荒川父「ならば、高校生活はお前の言う自由にさせてやろう」 荒川父「清々荘に戻ってもいいし、弁当も家では作らない、送り迎えもしない」 京太郎(案外早く引き下がったな……) 荒川父「だが、高校を卒業した後、結婚をしてもらう」 荒川父「これでいいだろう?」 荒川父「私は憩、お前の主張通り自由を与えた」 荒川父「ならばそれで解決だ」 憩「…………っ」 京太郎(どんだけ意固地なんだよ) 京太郎(なんでそんなに憩さんを縛りたいんだよ……) 憩(そんなん、自由やないやん) 憩(人を好きになったって、そんなん……) 京太郎(……ここは、どうすればいいんだ) 京太郎(俺が頑張らないとどうする) 京太郎(このまま譲ってたまるかよ) 京太郎「……それは違う、と思います」 荒川父「ふむ、言ってみたまえ」 京太郎「……憩さんは、貴方に作られる未来が嫌なんです」 京太郎「最初は医者になれって言われて、次は親が決めた相手と結婚しろって言われて、与えられたのがたった三年の高校生活だけなんておかしいですよ」 京太郎「親の言いなりにされて、自由の無い未来を据えた今の自由の何に意味があるんですか」 憩「…………」 荒川父「やはり君は、憩を取り戻したいようだねぇ」 京太郎「大事な人が嫌な目に遭っているのに、放っていられるわけがないじゃないですか」 憩「え……」 荒川父「……はぁ」 荒川父「ならば、君は憩のために何ができるんだ?」 京太郎「それは……」 京太郎「…………ふふっ」 京太郎「簡単な事だ…」 京太郎「俺が憩さんのことを幸せにするッ!!!」 京太郎「これが、俺のできることです!」 荒川父「この状況でふざけられるとは、君は大胆な男だな」 荒川父「……では、君が憩のためにどこまで動けるかを見せてもらおうか」 荒川父「私の出す課題をこなせば、君を認めて、その意見を認めよう」 荒川父「そのバカげた精神で何もできるわけがないだろうがな」 京太郎「課題?」 荒川父「ああ、勝負内容は……君の得意分野でいいだろう」 荒川父「こちらへ来たまえ」 荒川父「この部屋だ」 京太郎「失礼します……」 憩「こんな部屋あったんや……」 京太郎「……パソコンが置いてあるだけですが、ここで何を?」 荒川父「君には憩と打ってもらう」 京太郎「憩さんと?」 荒川父「MAOというネット麻雀ゲームを知っているな?」 京太郎「ええ、やったことはありますから」 荒川父「そこで、憩を忠実に再現したCPU二体、そして本物の憩と打ってもらう」 荒川父「君が一度でもトップを取れば、憩の婚約は破棄し、君は宣言通り憩を幸せにするために生きる」 荒川父「どうだ、簡単だろう?」 京太郎「そんなゲームで娘の将来をどうこうしようとするなんて、どうかしてますよ」 荒川父「…………ああ、何とでも言うがいいさ」 荒川父「最後に一応確認しておこう、君はこの課題に挑戦するか?」 京太郎「はい、絶対に勝ってみせます」 荒川父「まあ精々頑張りたまえ」 京太郎「では、行きましょうか」 憩「うん!」